4月11日に八ッ場あしたの会、八ッ場ダムを考える1都5県議員の会が八ッ場ダム予定地で開催した学習会と、前原大臣への要請書に関する記事を転載します。
◆2010年4月13日 上毛新聞より転載
ー「八ッ場予定地 地滑り対策を」 見直し派や地質専門家 長野原で勉強会ー
八ッ場ダム中止問題で、長野原町のダム建設予定地の安全性などについて考える「専門家に学ぶ一から分かる八ッ場の地質学習会」が11日、町内で開かれ、地質の専門家らが、代替地や付け替え道路の地滑りの可能性について意見を交わした。
同ダム建設の見直しを訴える市民団体「八ッ場あしたの会」「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」が主催。現地視察と専門家による学習会を行い、約140人が参加した。
学習会で京都大の奥西一夫名誉教授と地域環境研究所の中川鮮代表は「同ダムの)建設予定地は地滑りの危険性がある。造成された代替地や付け替え道路などは、ダム本体工事が行われなくても(地滑りの)対策を講じる必要がある」などと説明した。同ダムストップ市民連絡会の嶋津暉之代表は「川原湯地区の打越代替地は『宅地防災マニュアル』に基づく安全性の検証がされていない」と指摘した。
学習会後、主催者の両団体は記者会見し、本体工事中止後も代替地の安全性を確認することなどを求める「八ッ場ダム生活再建問題の早期解決を求める要請書」を、近く前原誠司国土交通相に提出することを明らかにした。
◆2010年4月13日 読売新聞群馬版より転載
ー生活再建、移転しない住民も 国交相に要請書 八ッ場あしたの会ー
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20100413-OYT8T00063.htm
八ッ場ダム(長野原町)建設中止を求める市民団体「八ッ場あしたの会」と「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」は12日、代替地は十分な安全性が確保されていないとして、代替地に移転しない住民を対象にした生活再建策を実施するよう求める要請書を前原国土交通相に送った。
要請書には、奥西一夫・京大名誉教授(地質学)ら専門家が、代替地造成の工法や、建設コンサルタント会社による設計調査結果を独自に分析した資料を添付。川原畑地区の付け替え道路ののり面や、川原湯地区の代替地など具体的な場所を挙げて、地滑りの危険性があると主張している。
現行法規では、移転補償は水没予定地からの立ち退きが前提のため、11日に記者会見したあしたの会の渡辺洋子事務局長は「ダムが出来ても出来なくても危険性がある。水没予定地で生活再建を進められる法的枠組みが必要だ」と訴えた。
これに対し、国土交通省八ッ場ダム工事事務所は「現状で危険性はない。今後も安全な代替地を提供していく」としている。
また、議員の会メンバー約20人は12日、水没予定地の約80戸を回り、ダム中止に対する地元住民の考え方を聞き取り調査した。
二十数人から意見を聞けたといい、議員の会は今後、調査結果を踏まえて前原国交相に面談を要請。国会議員による「八ッ場ダム中止プロジェクトチーム」を設置するよう各都県選出の国会議員に働きかける。5月の大型連休明けには、生活再建をテーマにしたチラシを作成し、現地に全戸配布する。
◆2010年4月13日 東京新聞群馬版より転載
ー『代替地 耐震性に疑問』 八ッ場ダム水没対象地区 反対派団体が指摘ー
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20100413/CK2010041302000115.html
八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の建設中止を求める市民団体「八ッ場あしたの会」などは、ダムで水没する予定だった地区の移転代替地として造成された土地について、耐震性に問題があると指摘した。同会などが十一日、長野原町のダム水没対象地区の地質を研究するための学習会を現地で開催し、報告した。
学習会では、ダム本体の建設予定地に近い同町川原湯、川原畑の両地区をはじめ、代替地や道路付け替え工事の現場などを見学した。
代替地について、同会などは「国土交通省が新潟県中越地震を契機に改正した『宅地防災マニュアル』の基準による耐震性の検証が不十分」と主張。造成計画の妥当性を独自に分析したデータを示した上で「中規模の地震が起きた場合でも、安全性に強い疑問が残る」とした。
八ッ場あしたの会の渡辺洋子事務局長は「代替地移転の是非は、生活再建の根幹にかかわる問題。土地の耐震性が保障できないとすれば、ダム建設を前提とした現在の再建計画を完全に実行するのは難しくなる」と主張。「現地では、地滑りの危険性がすでに指摘されている。国交省は、ダム予定地の地質について詳細な情報を公開すべきだ」と訴えた。(中根政人)
◆2010年4月13日 毎日新聞群馬版より転載
ー八ッ場ダム問題で要請書 /群馬ー
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20100413ddlk10010176000c.html
「八ッ場あしたの会」と「八ッ場ダムを考える1都5県議員の会」は11日、住民の移転代替地の一部で地滑りの危険があるとして、前原誠司国土交通相あてに「生活再建問題の早期解決を求める要請書」を提出することを決めた。両団体は同日、専門家を招き、移転代替地での地質学習会を実施。「(一部の)代替地での生活は安全を脅かされる可能性が高い」と主張している。