八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム検証、9月にも

2010年8月28日

 昨日、前原国交大臣が記者会見で八ッ場ダムの検証について発言しました。国交省のホームページより該当箇所を転載します。

http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_001066.html
大臣発言(平成23年度概算要求等)

 次に八ツ場ダムの検証についてでございます。
 八ツ場ダムの検証につきましては、1都5県知事から工程を明確にして結果を早期に出すことを明らかにするよう求められているところでございます。
 地元の方々の不安を早期に解消するためにも検証の結論を早期に得るべきとの考え方は、私どもも1都5県と全く同じでありますので、既に事務方に対して検証の体制を早期に立ち上げるよう指示しましたし、事務レベルを通じてまして1都5県との調整を鋭意進めているところでございますがが、改めて大臣として八ツ場ダムの検証のスケジュールについての考えを申し上げたいと思います。
 検証の開始時期については、有識者会議の「中間取りまとめ」が提出される時期の如何によらずできるかぎり早い時期にくスタートさせたいと考えております。
 1都5県等との調整がつけば、早ければ9月中にも地方公共団体との検討の場を立ち上げることができればと考えております。
また、検証の結論を得る目標時期については、検証を進める中で、1都5県と共通認識の持てる時期をできるだけ早くにお示しをできればと考えております。
 全国の他のダムと同様に、八ツ場ダムについても予断を持たずに検証することとしており、流域の方々にご理解をいただける結果をできるだけ早くお示しをしたいと考えております。

—転載終わり

 関連記事を転載します。

◆2010年8月28日 読売新聞群馬版
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20100827-OYT8T01167.htm
ー八ッ場検証を先行 国交相、来月にも6都県と協議ー

 前原国土交通相は27日の閣議後記者会見で、八ッ場ダム(長野原町)の検証日程について、「9月中にも検討の場を立ち上げることができればと思っている」と述べ、来月から、事業費を負担している群馬、東京など6都県と協議を開始する方針を明らかにした。

 全国32か所のダム事業について、建設継続か中止かを検証する基準はまだ作成段階で、本来は基準がまとまってから検証作業を始めることになっていた。

 前原国交相は「有識者会議の(検証基準の)中間取りまとめが提出される時期によらず、出来るだけ早い時期に(検証を)スタートさせたい」と説明。中止表明で最も混乱した八ッ場ダムを特別扱いする考えを示した。

 また、前原国交相は「八ッ場ダムは予断を持たずに検証し、流域の方にご理解をいただける結果を早く示したい」と述べる一方、「中止はもう決めている。方向性は変わっていない」と語り、この日も、矛盾とも受け取れる従来の主張を繰り返した。

 検証は、関東地方整備局主体で行われるが、国と6都県が同じテーブルにつく「検討の場」が設けられる。双方の交渉者として、知事など特別職や政務三役を置くのか、国と6都県は協議レベルの調整を進めている。

 一方、6都県の知事は先月末、検証日程が明確になるまで今年度分の負担金支払い留保を表明している。大沢知事は同日、前原国交相の発言について「評価したい」とのコメントを発表したが、「検証の結果を出す時期が明確でない」と指摘。当面は6都県として、負担金支払いの留保を続ける考えを示した。

◆2010年8月28日 毎日新聞群馬版より転載
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100828k0000m040069000c.html
ー八ッ場ダム:検証先行し9月にも 国交相方針ー

 ダム事業見直しに向け、秋に全国で始まる検証作業に絡み、前原誠司国土交通相は27日、八ッ場(やんば)ダム(群馬県)について「早ければ9月中にも(検証のための)検討の場をつくることができればと考えている」と述べ、他のダムより検証を先行させる方針を明らかにした。

 ダム事業見直しは、国交省の有識者会議が検証手順を盛り込んだ「中間とりまとめ(案)」を作成しており、近く正式に決定される。検証開始は手順決定後となるが、八ッ場ダムについては建設負担金を拠出する関係6都県が「検証結果を早期に出すことが明らかになるまで負担金の支払いを留保する」と国交省に通告している。

 このため前原国交相は「中間とりまとめ時期のいかんにかかわらず、できるだけ早い時期にスタートさせる」とした。既に事務方に6都県との調整を指示しているという。

 有識者会議の中間とりまとめ案では、直轄ダムである八ッ場ダムの検証作業は、事業主体の関東地方整備局が6都県などと「検討の場」を作り、ダムなし治水策を含む2~5の代替策を立案。コスト最重視で対処方針を決めて国交省に報告する手順で行われる。【石原聖】

◆2010年8月28日 上毛新聞トップ記事より一部転載
ー八ッ場ダムで国交相 来月に再検証着手ー

●大沢正明群馬県知事
「発言は評価したい。ただ、検証結果を出す時期は依然として明確でない」

●高山欣也長野原町長
「検討の場が地元や関係6都県の意向を反映するものになると期待する。検討結果は『中止撤回』だと信じている」

●樋田省三川原湯温泉観光協会長
「地元住民は時間がたつほど生活が苦しくなる」として早期の結論を求めた。