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東京の会、水需要予測の早期実施を求める要請書を再提出

 10月12日、八ッ場ダムをストップさせる東京の会は、6月の本会議で、「水需要予測の見直しを求める請願」が可決されたにもかかわらず、水道局がなんら対応をとらず、話合いにも応じないことから、以下の要望書を再度、東京都水道局に提出しました。すみやかな回答を期待しています。

2010年10月12日
東京都水道局長
尾﨑 勝 様
八ッ場ダ ムをストップさせる東京の会
代表 深 澤洋子
 
東京都水道局は水道に関する水需要予測をすみやか に実施してください。
 
去る2010年6月16日、私たちは都議会本会議 で私たちが提出した請願「東京都水道局は水道に関する水需要予測をすみやかに実施してください。」が趣旨採択されたことを受け、都議会の 決議を真摯に受け止めて、水需要予測を速やかに実施されることを貴職に申し入れました。しかしながら貴職からはこの件について連絡が一切 ありません。
再度同じ要請をいたしますので、10月25日から10月29日の間に私たちとこの件 について話し合う機会を持つよう、要請いたします。
あわせて、本年のこれまでの1日最大配水量(区部+28市町) をお知らせください。
 なお、報道によれば、 石原都知事はこの請願が都議会を通過していることを知らなかったそうです。私たちが提出し採択されたこの請願を知事がきちんと把握していなかったとすれば、 議会無視のゆるしがたいことです。その真偽についてお答えください。
 
<その理由>
① 本請願が諮られた2010年5月27日の公営企業委員会における「水道局の説明」は同委員会において妥当なものとは認めら れませんでした。現状を反映していない過大な水需要予測に基づいた施設整備はムダな投資であり、過大な負担を水道利用者に負わせるもので す。
 
② 現予測の目標年度の2013年度を3年後に控えてな ぜ、予測のやり直しをしないのか。他の周辺県はすでに予測のやり直しを行っており、予測のやり直しを拒否し続ける都の姿勢は不可解です。
 
③ 前回の予測は1986~2000年度という10年以上前の実績データを使ったものであるから、最新の実績データを使った予測が是非と も必要です。 2000年度以降、水需要の動向は縮小の方向にあるから、最新の実 績データを使えば、将来の予測値が大幅に小さくなることは確実です。
 
       都は水需要予測のやり直しをしないために、5年おきと定 められている八ッ場ダム等の再評価も行っておらず、その結果、厚生労働省から補助金が交付されない状況になっており、都の姿勢は異常で す。
 
       国土交通省は八ッ場ダム事業の検証を開始することを決定 しました。その細目には利水も含めてダム事業を必要とし た経緯を精査することにしています。東京都の水需要予測も検証の対象に含まれています。このことから、八ッ場ダムに新規水利権を求めるの であれば、東京都には水需要予測の見直しが義務付けられています。
 
 以上より、 東京都は最新の実績データで水需要予測のやり直しを行い、その結果に基づいて八ッ場ダム事業、霞ヶ浦導水事業への参加の是非を冷静に判断 すべきです。