八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

昨日の県議会の記事(関連事業の遅れなど)

 昨日、群馬県議会で八ッ場ダム対策特別委員会が開催され、今朝の群馬版の紙面に同委員会で明らかになった八ッ場ダムの問題が取り上げられています。各紙で取り上げられているのが、用地補償、工事等が当初の予定より大幅に遅れていることです。国交省の八ッ場ダム佐々木工事事務所長は、「すべてが遅れていて申し訳ない。」と頭を下げました。代替地に再建される予定の川原湯温泉への配湯設備は2012年5月までに完了予定と公表されましたが、その前に地元調整が必要だという説明もあり、川原湯温泉街の移転再建については、依然として非常に不透明な状況です。

◆2010年10月15日 読売新聞群馬版より転載

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20101015-OYT8T00019.htm

ー八ッ場ダム 用地補償費執行は11.1% 8月末現在「優先順位を調整中」と釈明ー

 今年度の八ッ場ダム建設事業に計上された用地補償費45億2100万円のうち、8月末までに消化されたのは5億300万円で、執行率が11・1%にとどまることが14日、わかった。同日開かれた県議会八ッ場ダム対策特別委員会で、県から報告された。地元住民からは用地補償契約の遅れが指摘されており、数字の上でも裏付けられた格好だが、国土交通省八ッ場ダム工事事務所の佐々木淑充所長は「契約を求める方々の間で優先順位を調整している段階で、遅れているわけではない」と説明している。

 県の報告によると、今年度の同ダム建設事業の予算154億5000万円のうち、工事費など実質的な事業費は140億9600万円。8月末までに執行された事業費は56億1100万円で執行率は39・8%に達しており、用地補償の遅れが突出している。

 特別委では、真下誠治県議が、国・県道とJR吾妻線の付け替えや代替地造成など生活再建事業の遅れを指摘し、参考人として招致された佐々木所長は進捗(しんちょく)の遅れを認め、「おわびするしかない。出来るだけ早くという気持ちでいる」と答弁した。

 萩原渉県議は、水没予定地の川原湯温泉が代替地に移転した際の温泉の配湯施設の完成のめどを質問し、佐々木所長は「2012年5月を目標にしているが、地元の方に(温泉の供給方式を)決めてもらえれば、設計と工事は1年ちょっとで出来る」と説明した。

 また、特別委では、8月末段階の生活再建事業の進捗状況も報告された。

 取得済み用地は387ヘクタールで取得率は84・9%。移転補償契約を終えたのは425世帯で進捗率は90・4%になった。それぞれ今年3月末時点と比較すると、0・3~0・4ポイント進んだ。

 国・県道の付け替え工事の進捗率は90・2%、JR吾妻線の付け替えは89・5%となった。今年3月末時点からの進捗は、国・県道が5・2ポイント、JR線が2ポイントとなっている。

 

◆2010年10月15日 毎日新聞群馬版より転載

http://mainichi.jp/area/gunma/news/20101015ddlk10010205000c.html

ー八ッ場ダム・流転の行方:利根川最大流量「最新のデータで点検」 /群馬  ◇関東地整局河川部長、県議会特別委で

 県議会八ッ場ダム対策特別委員会は14日、国土交通省関東地方整備局の山田邦博・河川部長と、同省八ッ場ダム工事事務所の佐々木淑充・所長を参考人招致して意見聴取を行った。山田河川部長は、ダム建設の根拠である利根川の最大流量(基本高水)の再計算の可能性を問われ、「できるだけ最新のデータや科学的、技術的知見を用いて詳細に点検を行いたい」と述べた。角倉邦良県議(リベラル群馬)の質問に答えた。

 質問は、12日の衆院予算委員会での馬淵澄夫国交相の答弁に関連したもの。馬淵国交相は、利根川の最大流量(伊勢崎市八斗島基準点)を算出する係数「飽和雨量」について「1998年は125ミリだった」などと述べた。

 飽和雨量は上流部の保水力を示し、これまで国交省は飽和雨量を48ミリとしてきたが、馬淵国交相の答弁で近年は保水力が大きくなってきたことが分かり、再計算でダムの必要性が揺らぐ可能性がある。

 また、県は同事務所から提供された今年8月末現在のダム事業の進ちょく状況を報告。ダム建設に必要な土地456ヘクタールのうち387ヘクタール(84・9%)を国が取得し、補償対象となる470世帯のうち425世帯(90・4%)が用地契約を締結した。このうち134世帯が代替地分譲を希望しているが、代替地整備の遅れなどにより、移転済みは40世帯と少ない。

 生活再建事業の一環である国・県道の付け替えについても、総区間24・41キロのうち、工事がすべて完了したのは8・65キロ(35・5%)にとどまった。【奥山はるな】

 

◆2010年10月15日 東京新聞群馬版より転載

ー県議会八ッ場ダム特別委 川原湯温泉は『移転』ー

http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20101015/CK2010101502000051.html

 県議会の八ッ場(やんば)ダム対策特別委員会は十四日開かれ、長野原町のダム水没対象地区にある川原湯温泉の生活再建問題について議論した。国土交通省と県は、同温泉の代替地移転を前提とした事業計画を説明。二〇一二年五月をめどに代替地で温泉の配湯を開始できるよう、施設整備を急ぐ方針を示した。

 同温泉の生活再建をめぐっては、政権与党の民主党県連が昨年十一月に「現在地での営業継続」を前提とした案を提示し、地元が猛反発した経緯がある。同省と県は今回、「代替地移転」の方向性を明確に示したことになる。

 県特定ダム対策課によると、各旅館に配分する湯については、ダム本体を建設した場合に水没する位置にある旧源泉を、新源泉とともに代替地で引き続き使用する計画。配湯の方法については、十二月中をめどに決定したい意向で、各旅館の間で使わなかった湯を循環させる「循環方式」と、個別の旅館に直接湯を送る「魚骨方式」のいずれかを選択するとした。

 一方、ダム水没対象地区の振興策が盛り込まれた「利根川・荒川水源地域対策基金事業」の中で、移転後の同温泉の中核施設に位置付けられた健康増進施設「エクササイズセンター」の建設が“白紙”となっている問題も議題となった。

 同課は「地元関係者の議論を積み上げ、本年度末を目標に代替施設に関する検討結果をまとめたい」との考えを示した。 (中根政人)