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ダムの効果、基準ばらばらで比較 検査院「統一を」

2010年10月18日 朝日新聞より転載

ーダムの効果、基準ばらばらで比較 検査院「統一を」ー
http://www.asahi.com/eco/TKY201010180212.html

 国土交通省などのダム事業で、ダム建設がもたらす環境保全効果などがダムごとに異なる基準で算出されていたことが、会計検査院の調べで分かった。この効果の算出は、ダム建設の可否や優先順位を決める際の重要な根拠の一つとなっているため、検査院は統一の基準を定めるよう国交省に改善を求める方針だ。

 検査院は、独立行政法人「水資源機構」や国交省の直轄・補助事業となっている各ダムの建設費用に対し、ダム建設がもたらす治水や環境保全などの効果がどれだけあるかの算出方法について調査した。通常、その効果が高いほど、建設の必要性が高く、他のダムより早く建設すべきだと判断されるという。

 調査の結果、ダム建設の効果のうち、環境や景観、動植物、取水などを保全する効果を算出する統一基準を定めていなかったことが判明。検査院が仮の統一基準で試算したところ、現状の優先順位が入れ替わったり、効果が費用を下回ったりした事例があった模様だ。また、ダム建設費について、過去の安い金額で見積もっていたダムもあった。

 検査院は、各ダムの費用対効果を比較することが、ダム建設の可否や優先順位を決める根拠となっているため、統一基準を定めなければ、適正比較はできないとしている。

 このほか検査院は、国道建設の費用対効果も検証したが、国交省が算出根拠の資料を保管していないなどの問題があった。

 国交省は「検査院の検査についてはコメントできない」としている。(上沢博之、木原貴之)