八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

民主党内に八ッ場ダム現地の生活再建を目的とした議連発足

 このほど、民主党の国会議員有志らが「八ッ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟」を立ち上げました。
 民主党は2009年の総選挙で八ッ場ダム中止をマニフェストに掲げました。「八ッ場ダム中止」は政官財の利権構造に辟易している有権者の支持を得、「コンクリートから人へ」のキャッチフレーズと共に、政権交代の原動力の一つとなりました。
 それから一年。八ッ場ダムを巡る政策の混迷は、理念としてのダム計画中止を実現する困難さを見せつけているかのうようです。組織防衛に走っている国交省河川局主導のダム行政の迷走状態に対して、地元住民の犠牲を最小限にすべく発足したのが上記の議連です。ダム行政に翻弄されてきた生活者の声に耳を傾け、問題の克服に真摯に取り組むことを希望します。

○八ツ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟 役員(敬称略)

会長 川内博史
会長代行 松野信夫
副 会 長 中川治・石関貴史・柿沼正明・桑原功・京野公子・道休誠一郎・中島政希・三宅雪子・若井康彦
幹 事 長 大河原雅子
事務局長 初鹿明博
事務局次長 宮崎岳志

◆2010年10月20日 朝日新聞群馬版より転載
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581010200001

ー【八ツ場よ!】 民主国会議員 議連立ち上げー

議連の初会合であいさつする川内博史衆院議員=東京・永田町

 八ツ場ダム(長野原町)などダム事業の中止に伴う地元への打撃の軽減を図ろうと、民主党国会議員らの議員連盟が19日、発足した。東京で開かれた設立総会で会長に選ばれた川内博史・前衆院国土交通委員長(鹿児島1区)は、早急に地元住民の生活再建の意向を聞き取るなど、政府と地元の橋渡し役となる考えを示した。

 「八ツ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟」。同日までに衆参両院の14人の民主党国会議員が参加した。群馬の衆院議員6人や川辺川ダムの地元熊本県選出の松野信夫参院議員、ダム問題を都議時代から手がけてきた東京都選出の大河原雅子参院議員らが名を連ねた。

 川内会長は「地元で生活をされている方々が不安を感じないよう、みんなが納得できるような再建案をまとめ、提言したい」と述べた。

 設立総会に続いて開かれた勉強会で、水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表が講師を務め、家屋などの建て替え費用の負担▽水没予定地の国有地の低価格での分譲・貸与▽補償金未取得の住民への直接補償▽観光業や農業など地域の基幹産業再生のプログラムづくり――などが生活再建に必要だと列挙した。

 ダム見直しを掲げる市民団体「八ツ場あしたの会」の渡辺洋子事務局長は「国会議員には一般住民の不安や悩みを聞いてほしい」と訴えた。

 八ツ場ダム(群馬県)の下流域6都県(東京都、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県)は19日、各都県の知事が25日にダム建設予定地を視察し、地元の関係者らと意見交換すると発表した。視察は当初、8月の予定だったが、前原誠司前国土交通相が出席できないことなどから延期されていた。馬淵澄夫国交相の出席は調整中という。

 民主党が建設中止方針を表明後、6都県知事による現地視察は昨年10月以来2回目。

 6都県は7月、国が早期に検証結果を出すことを確約するまで、建設に関する今年度の負担金支払いを留保することを国交省に伝えている。石原慎太郎都知事は15日の定例記者会見で、「現場を見ない責任者と話しても仕方ない。大臣が現場を見なければ、話はしない」と述べている。

◆2010年10月20日 東京新聞群馬版より転載
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20101020/CK2010102002000076.html

ー八ッ場ダム議連発足 『安心感を早急に』ー

 八ッ場(やんば)ダム建設中止問題を打開しようと、民主党の国会議員有志らが、十九日発足させた「八ッ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟」。ダム中止を想定した生活再建案を研究・提案し、早期の法案提出を目指すという。 (中根政人)

 議連会長には、前衆院国土交通委員長の川内博史衆院議員(鹿児島1区)が就任。このほか、同党の県関係衆院議員六人が名を連ねるなど、計十一人が議連の発起人となった。

 川内氏は「八ッ場ダム建設中止は、ダムに頼らない治水を目指す党の政策の象徴的な存在。地元住民に安心感を与えられる具体案を早急に提示したい」と強調。議員立法による生活再建関連法案を、来年の通常国会へ提出することを目標に掲げた。

 一方、国土交通省が進めるダムの再検証については「作業は長期化するだろう。国交省河川局はあくまでダムを造るのが仕事であって、代替の治水策を考えろというのは難しい話だ」と懐疑的な見方を示した。

 会場では、ダム問題の現状を紹介するための勉強会も実施。ともにダム事業見直しを求める市民団体で「水源開発問題全国連絡会」の嶋津暉之共同代表と、「八ッ場あしたの会」の渡辺洋子事務局長が、ダム中止を前提とした生活再建事業の法制化などを強く要望した。

(写真)議連の設立総会であいさつする川内博史衆院議員(左から2人目)=東京都内で

2010年10月20日 読売新聞群馬版より転載
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20101019-OYT8T01253.htm

ー生活再建議連が初会合 ダム中止前提の支援法案策定へー

 民主党国会議員有志による「八ッ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟」(会長=川内博史衆院議員)の初会合が19日、東京都内で開かれ、川内会長は、ダム中止を前提に生活再建を支援する法案を策定し、来年の通常国会を目標に、党の政策調査会(政調)に提言する方針を明らかにした。今後、現地視察や地元住民からの意見聴取も行うとしているが、ダム推進を求める地元町長は、頭越しでの議論に反発している。

 会合では、川内会長が「民主党は衆院選で、ダムに頼らない治水対策を講じていくと国民に約束した。スピード感を持って、ダム廃止後の生活意見のあり方について立法化し、地元に安心感を与えたい」と議連結成の趣旨を説明した。

 引き続き市民団体代表らを講師にした勉強会が開かれ、水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表が、政権交代後の八ッ場ダムを巡る動きを説明し、議連で生活再建支援法案や八ッ場ダムに替わる治水案を提言してほしいと訴えた。また、八ッ場あしたの会の渡辺洋子事務局長は「(町長ら)上の方はダム推進と言うが、一般住民の本音は『生活再建を早くして』ということ。水没予定地で生活したいという人もいる」と語った。

 一方、ダムの地元・長野原町の高山欣也町長は議連の動きについて、「ダム湖を核にした生活再建を求める地元の意向を全く理解していないことを自覚していない。非常に迷惑な話だ」と不快感を示している。

(写真)議連発足の趣旨を説明する川内博史衆院議員(左)(19日、衆院第2議員会館で)

◆共同通信 2010/10/19 11:39配信
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010101901000314.html

ー八ツ場ダム、生活再建策を検討 与党の議連設立ー

 八ツ場ダム(群馬県)などの公共事業が中止された場合の地元住民の生活再建策を協議する与党による議員連盟が19日、都内で設立総会を開いた。今後、中止による住民や関係者の損害を最小限に食い止める政策を提言する予定だ。

 議連の名称は「八ツ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟」。発起人は群馬県選出などの民主党議員で、会長は民主党の川内博史衆院議員。

 設立総会では、ダム建設に反対する市民団体「水源開発問題全国連絡会」の嶋津暉之共同代表らが現状などを報告。
 八ツ場ダムをめぐっては前原誠司前国土交通相が昨年9月に中止を表明。今月から国交省が建設の是非を検証している。