官僚天国

2010年11月12日 

 馬淵大臣が6日の現地視察の折、八ッ場ダムの中止方針を棚上げする発言をしたことで、民主党は八ッ場ダム中止を掲げたマニフェストを撤回するのか、という批判や、ダム推進にとって一歩前進という推進派による前向きな評価など、様々な議論が巻き起こっています。
 こうした喧騒をよそに、河川官僚は粛々と本来の仕事(ダム事業の推進)を進めています。昨日11日、国土交通省は八ッ場ダム検証のための会合を開きました。この会合は10月1日に続く第二回幹事会で、参加メンバーは国交省関東地方整備局河川部長、関係都県の担当部長です。
  国交省関東地方整備局は八ッ場ダム事業を進めてきた組織であり、関係都県の担当部長は国交省などから出向した職員が多いため、メンバーはほぼ八ッ場ダム推進勢力によって占められているといえます。国交省の下記ホームページには、幹事会に出席した官僚の肩書きは標記されていますが、姓名は伏せられています。

http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000017265.pdf

 会合の配布資料も国交省のホームページにアップされています。
 ↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000161.html

 馬淵大臣の現地視察から二日後の11月8日、三井副大臣が行った会見録が国交省のホームページに載っています。
 ↓
http://www.mlit.go.jp/report/interview/mitsuihukudaijin101108.html

 この中で、三井副大臣は検証作業のあり方について、
「特に、「検討の場」においては、1都5県と相談しながら、透明性と客観性を確保しつつ進めていきたいと考えております。」
 としています。
 国の公共事業である八ッ場ダム計画の検証作業については、透明性と客観性の確保が求められるのは当然のことです。これは、関係都県知事と地元の推進派住民に対しての責務ではなく、国民全体に対する責務です。けれども現状では、八ッ場ダムの検証作業はダム推進の関係者によってのみ進められ、一般国民の意見を反映させる仕組みがありません。ダム事業を検証するための河川工学の分野からは、これまで御用学者として旧政権に重用されてきた”有識者”以外の本来の学者たちは徹底的に排除され、これまで通り科学的な検証に耐えない論理がまかり通ることになります。
 一般国民の知らないうちに、官僚自らによるお手盛りの検証作業が行われても、姓名を伏せた官僚群はこれまでと同様、その結果に対して責任をとることは決してないでしょう。八ッ場ダムの本体着工にゴーサインが出れば、国民世論は民主党政権を見放すでしょう。河川官僚の高笑いが聞こえてきそうな筋書きが、官僚の望みどおりに進められています。
 ジャーナリストのまさのあつこさんが昨日の会合の実態をブログでわかりやすく解説しています。
 ↓
 http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-620a.html
 ダム日記2-扉の先は歴史逆回転で「河川官僚天国」

 関連記事をこちらに転載しています。↓
 https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1063