◆2010年12月11日 東京新聞群馬版より転載
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20101211/CK2010121102000071.html
ー八ッ場ダム 負担金4億2600万円支払いー
県は十日、八ッ場(やんば)ダム流域六都県の知事が支払い留保の解除を表明した本年度のダム事業負担金について、県関係分の約八割に当たる約四億二千六百万円を同日付で国に支払ったと発表した。残額については、来年三月に支払いを完了するとしている。 (中根政人)
県監理課によると、今回支払ったのは、治水負担金約三億二千百万円と、水道や工業用水、発電への利用のための利水負担金約一億五百万円。
事業負担金をめぐっては、ダム建設を求める流域六都県の知事が七月、本年度分の支払いを留保すると国に通告。馬淵澄夫国土交通相は十一月六日、建設中止の前提を事実上撤回する発言を行ったものの、東京都の石原慎太郎知事などが「支払いはダム本体の建設が条件」と主張。膠着(こうちゃく)状態が続いていた。
だが、ダム予定地を抱える長野原町が「生活再建事業の進行が遅れる」などとして早期の支払いを要求。六都県の知事は、今月一日に馬淵国交相と会談し、負担金を支払うことで合意した。
事業負担金の対応で六都県と足並みをそろえる藤岡市も、今月二十一日に、本年度の利水負担金の大半に当たる約六千二百万円を支払うとしている。
一方、国交省八ッ場ダム工事事務所は十日、現地で実施されている国道145号の付け替え工事について、大部分に当たる約九・四キロの区間が十九日に開通すると発表した。同事務所は「開通によって草津温泉などへの観光ルートが強化され、住民生活の利便性も大幅に向上する」としている。