八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

国交省による代替地の安全性についての公開質問回答

 あしたの会が国交省に提出した代替地の安全性に関する公開質問に対して、国交省より回答が届きました。
 国交省の回答とこれについての当会のコメントなどの情報は、事務局だよりに掲載しています。
 ↓
https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1178

 関連記事を転載します。

◆2011年3月2日 東京新聞群馬版より転載
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20110302/CK2011030202000098.html

 -八ッ場ダム「移転代替地」 「貯水想定し耐震調査」国が方針 市民団体質問書に回答―

 八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の建設を前提とした地元住民の移転代替地について、国土交通省がダム湖への貯水を想定した土地の耐震性などの調査を実施する方針であることが一日、分かった。ダム事業見直しを求める市民団体「八ッ場あしたの会」が同日発表した国交省八ッ場ダム工事事務所からの回答書面で明らかになった。 (中根政人)

 移転代替地については、ダム湖に水をためた場合の周辺の土地の安全性が不透明なまま。同事務所は昨年の段階で「貯水なし」を前提とした耐震性などの調査を実施したものの、ダム本体の早期建設を求める県が、「貯水あり」の想定での再調査を求めていた。

 回答書面は、八ッ場あしたの会が一月下旬に提出した公開質問書に対して出された。同会は質問書で、川原湯温泉街の移転が計画されている代替地の安全性を明確にするよう求めたほか、地下水の影響を考慮した地盤調査などを要望した。

 だが、事務所側は「温泉街の移転区域は地盤調査の対象に該当しない。『地下水なし』とした調査の条件設定も適切」と回答。これまでの調査方法に問題はないとの認識を示した。

◆2011年3月2日 日本経済新聞北関東版より転載

 -貯水時の地盤強度調査 八ッ場の代替地 国交省が方針―

 国土交通省八ッ場ダム工事事務所は1日、水没予定地の住民に提供する代替地に関し、ダムに水がたまった場合の地盤強度を近く調査する方針を明らかにした。代替地はダム湖を囲むように造成工事が進んでいるが、従来は水がない場合の強度しか計算しておらず、ダム建設に反対する市民団体などから批判の声が出ていた。 同事務所は「ダム本体の検証作業が進むなか、実際に貯水した場合の影響も点検する必要があると判断した」と説明している。 代替地の地盤強度をめぐっては、ダム建設の見直しを訴える市民団体の八ッ場あしたの会が「国交省の調査は不十分」と主張。工事事務所に公開質問状を送り、再調査を求めていた。ダム貯水時の強度調査が決まったことについて、同会の渡辺洋子事務局長は「一歩前進だ」と語った。

◆2011年3月2日 上毛新聞より転載

 -ダム湖完成時の耐震性を確認 八ッ場で国交省―

 八ッ場ダム問題で、長野原町の水没予定地の住民が移転する代替地の安全性をめぐり、ダム湖の完成により代替地がダムの水の影響を受ける場合を想定した耐震性についても国土交通省八ッ場ダム工事事務所が確認する方針であることが1日明らかになった。
 同事務所は昨年、大規模な盛土などで造成している川原湯、川原畑など4カ所の代替地について、ダム湖がない現状での耐震性には問題がないと報告した。これに対し、県はより条件が厳しくなるダム湖完成時の報告を求めていた。
 建設見直しを訴えている市民団体「八ッ場あしたの会」が1月に出した代替地の安全性に関する公開質問への回答で、同事務所が「八ッ場ダムの検証の中で、ダムが湛水した場合の代替地の安定計算を行う」と説明した。

◆2011年3月2日 産経新聞群馬版より転載
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110302-00000030-san-l10

 -八ツ場ダム代替地、水ためた状態の安全性検証へ―

 八ツ場(やんば)ダム(長野原町)水没予定地区の住民が移転する代替地について、国土交通省がダムに水をためた状態を仮定して安全性の検証を行うことが1日、分かった。ダム建設反対派の市民団体「八ツ場あしたの会」(前橋市)の質問書に、国交省八ツ場ダム工事事務所が回答した。

 同事務所はこれまで、ダムに水をためた場合の代替地の安全性について、検証するかどうか明らかにしていなかった。

◆2011年3月3日 朝日新聞群馬版より転載
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581103030002

 -代替地「安全基準満たす」 質問書に回答―

 八ツ場ダム(長野原町)建設の見直しを訴えている市民団体「八ツ場あしたの会」は1日、ダム建設で全戸が水没予定の川原湯温泉街の移転先の代替地の安全性についての公開質問書に対する回答が、期限の3週間遅れで国土交通省の同ダム工事事務所から届いたことを明らかにした。

 同会は「県への責任転嫁が目立ち、まともに回答しておらず、不誠実な対応」として、さらに国会議員を通じた質問主意書や、再び公開質問書を出す方針。

 回答で工事事務所は「代替地の設計にあたっては、設計基準を適正に満たしている」「造成宅地防災区域の指定の判断権者である群馬県により確認されている」と再三強調した。一方、「今後、八ツ場ダムの検証の中で、ダムが湛水(たん・すい)した場合の代替地の安定計算を行う」と述べ、ダムができない前提だった従来の見解よりも踏み込んだ。

 川原湯地区の移転先の打越代替地では昨年、盛り土の耐震性に問題があることが発覚。震度6~7程度の大地震で崩落する恐れがあるとして、国交省が昨年末から対策工事をしている。