八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダムの”十字架”2号橋 今月末開通

2011年3月1日

 昨日2月28日の県議会において、地元吾妻郡選出の南波和憲県議が八ッ場ダム事業について質問し、付け替え県道の進ちょく状況などが明らかにされました。

 現在の八ッ場ダム事業の工程表(2015年度ダム完成予定)によれば、2010年度末、つまり今月末までに、付け替え国道と付け替え県道の東吾妻町ー長野原町林地区の区間(林東吾妻線)が完成することになっていました。

 実際はどうかというと、2月23日の県議会で、
 ・四車線の予定の付け替え国道の二車線部分について、今秋までに完成を目指すことが明らかになり、

 昨日(28日)の県議会では、
 ・付け替え県道の東吾妻町~不動大橋(湖面2号橋)~長野原地区までの区間を3月末までに完成させる見通しであることが明らかになりました。

 付け替え県道は国道並みの県道として計画され、川原湯地区の代替地のメインストリートとなるため、川原湯地区の生活再建事業の中では重要な位置を占めます。付け替え国道の長野原町区間が開通し、川原湯地区の水没予定地を走る現国道から付け替え国道に車の流れが移っている現状では、代替地での川原湯温泉の再建を願っている住民にとって付け替え県道の全線開通は悲願ともいえます。
 けれども、肝心の代替地の方は、工程表によれば昨年度(2009年度)には概成の予定でしたが、温泉街の移転代替地(打越代替地・第三期分譲地)はまだ完成していません。
 付け替え国道と付け替え県道の2つのルートが吾妻川の両側に並行して走っていますので、少なくとも交通量の半分は付け替え国道に奪われますし、交通量が増えたら増えたで観光地としては風情がなくなり、通過地点になってしまう可能性もあります。
 国道が間近を通っていながら、山懐に抱かれている現在の川原湯温泉街は、長い歳月の間に自然に集落が形成されてきただけに、立地条件に恵まれており、代替地での再建の厳しさが際立ちます。
 

◆2011年3月1日 上毛新聞より転載
 -八ッ場ダムの”十字架” 2号橋 今月末開通―

 八ッ場ダム関連の生活再建事業で、政権交代直後にダム反対の中止方針が表明された際、建設中の十字架のような姿がダム事業の「象徴」として注目された長野原町の湖面2号橋(不動大橋)について、県は28日、3月末の開通を予定していることを明らかにした。
 県議会一般質問で、茂木恭成県土整備部長が答弁した。3月末に式典を開き、2号橋を含む周辺1.4㌔を開通する。これによって町道として暫定供用済みの区間を含む東吾妻町の吾妻峡トンネル東側から長野原町の一本松代替地まで8.4㌔がつながり、県道に認定される。
 生活再建事業をめぐっては、新年度からJRと進める方針の長野原草津口駅の改築について、新駅舎の利用開始を2013年度夏とする目標を説明。政権交代後に事業継続の是非が議論になった湖面1号橋も、あらためて14年度の開通予定を示した。