八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

大震災で老朽ダム決壊

◆河北新報2011年03月12日
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/20110312t63012.htm

 -ダム決壊 8人が行方不明 須賀川・藤沼ルポ―

 須賀川市の藤沼ダム(高さ18・5メートル)が11日、決壊した。150万立方メートルの泥水が一気に流出。多数の家屋を押し流し、8人が行方不明となった。12日、現場に入った。

 須賀川市長沼地区。ダムに向かう道路や田畑は、泥とスギの流木で覆われていた。コンクリート橋は崩落し、倒木が林道を遮る。

 地元の無職男性(48)の案内で、道なき道の草木をかき分けて歩く。約40分。土を盛り、コンクリートで一部補強したダムは、過去最大級の地震エネルギーであっけなく崩れ落ちていた。

 男性は「地震の揺れが収まったら、ズドズドズドと、ものすごいごう音がした」と振り返った。

 後片付けに精を出す人がいる。川をぼんやり眺め、泥まみれの家の前で立ちすくむ姿も。

 「窓ガラスはすべて割れ、台所は全滅。手の施しようがない」。アルバイト女性(37)は、無残なマイホームを見詰めるしかなかった。

 市役所によると、午前9時ごろまでに、周辺で2人の遺体が見つかった。自衛隊や地元消防団約300人による懸命の捜索が続く。(片桐大介)