足尾銅山の土砂流出、鉛、基準の倍検出

 東日本大震災により、足尾鉱毒事件で有名な渡良瀬川(利根川の支流)では、旧古河鉱業の鉱泥堆積場が崩落するという問題が起きています。

◆2011年03月13日 朝日新聞栃木版より転載
http://mytown.asahi.com/tochigi/news.php?k_id=09000001103130002

 -鉛、基準の倍検出/足尾銅山、土砂流出―

 11日の地震で、旧古河鉱業(現・古河機械金属)の足尾銅山で使用された日光市足尾町原向の源五郎沢堆積(たい・せき)場から渡良瀬川に土砂が流出、川水から環境基準の約2倍の鉛が検出されたことが12日わかった。約40キロ下流では、群馬県桐生市と太田市、みどり市の3市が水道用に取水している。同社は「取水地点までにダムや沢からの流入で十分希釈できる」(池部清彦・足尾事業所長)としているが、土砂の除去を急ぐとともに1日に2度の水質検査を続けるという。

 現場はわたらせ渓谷鉄道の原向駅から下流に約400メートルの地点。土砂が樹木とともに地滑り状に約100メートルにわたって崩れ、同鉄道の線路をふさいで渡良瀬川に流出した。

 堆積場は、銅選鉱で生じる沈殿物(スライム)などを廃棄する場所で、土砂は銅のほか鉛、亜鉛やカドミウムなどの有害物質を含む。足尾事業所が12日、下流2キロの農業用水取水口で水質検査したところ、基準値(0・01ppm)を上回る0・019ppmの鉛を検出した。他の物質は環境基準を下回っているという。現場は流出した土砂の水際が青白く濁っており、同事業所も「堆積場の物質が染み出ている」と認めている。

 源五郎沢への廃棄は1943年に始まったが、58年に決壊して下流に鉱毒被害を出し、翌年から使用を停止していた。