原発とダム

 東日本大震災の被害の甚大さは目をおおうばかりです。
 地震、津波、火災に加え、福島原発の事故により、多くの人々が先の見えない不安の中で毎日を送っています。

 国策を進めるための「安全神話」は、福島原発事故というあまりにも大きな犠牲の下に崩れ去りました。
 「経済の効率性」という原子力産業の決まり文句も、今回の事故による経済へ与えるダメージの大きさを考えれば、いかにも空虚です。
 安全性と将来への目配りのないエネルギー政策が取り返しのつかない犠牲を生み出しつつありますが、
 私たちは大きな犠牲を乗り越えて、未来を手にすることができるのでしょうか。

 福島原発事故に関連する海外からの情報です。

○スウエーデン公共放送の情報
  http://blog.goo.ne.jp/yoshi_swe
   日本国内のテレビ報道よりはるかに深刻な事態を伝えています。

○2011年3月15日 ロイター
  日本、原子力発電不足分補う石油火力発電の余剰ある=IEA
   http://jp.reuters.com/article/topnews/idJPJAPAN-20049520110315
   原発を止めたら電気が不足するというのはトリック?

○2011年3月16日 タイ副首相、原発導入断念を明言「国民を危険にさらしたくない」
 http://bit.ly/e5jzol

○2011年3月16日 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 
 「地震大国なのになぜ 米市民が日本に不信感」
 http://wwt.acw2.org/?p=823

○2011年3月16日 ロイター
 http://ow.ly/4g5Vn
 「米国原子力規制委員会のグレゴリー・ジャッコ委員長は水曜日に米下院への説明で、福島第一原発の使用済み核燃料プールにはすでに水が失われており、放射能レベルは極めて危険な状況で、もはや施設全体を埋めるか覆うべき時期に来ていると発言。 」 

○2011年3月17日 ザ・テレグラフ
 http://tinyurl.com/63pe99a 
 Wikileaksの公表で、国際原子力機関(IAEA)が「2008年12月の時点で日本政府に福島原発の安全性への疑問と大型地震時の危険性を警告していた」事が判明

 第二次大戦後のわが国では、原発はダム計画と同様、国策とされてきました。
 世界一の地震国であるわが国には、54の原子力発電所と約3,000基のダムが建設され、いまだに建設が続いています。
 原発問題の構造は、ダム問題と酷似していると言われてきました。
 以下に挙げる両者に共通する問題は、今回の原発事故と深い関わりがあるものばかりです。

1. 官僚組織がリーダーシップをとり、関係自治体を巻き込んで計画を推進。財界は利益を享受し、官僚の天下りが行われ、事業に投下される税金は献金により政治家の資金源となる(いわゆる政官財癒着の利権構造)。

2. 安全性、経済性など多くのデメリットが起業者によって伏せられ、正確な情報の入手が極めて困難。

3. 現実と乖離した過大な需要予測(原発では電力需要の上昇、ダム事業では都市用水の需要増)が事業推進の前提となっている。原発政策ではオール家電など電力需要の上昇を促す政策が並行して推し進められてきた。

4. 事業を検証するための組織がいわゆる御用学者によって占められ、客観的、科学的な検証の機会が奪われる。反対派の学者は研究機関におけるポスト、研究費などで冷遇される。

5. マスコミは利権構造の圧力により、推進側に有利な報道が主流。事業推進に疑問を投げかける心ある有識者らの見解が一般の人々に伝えられる機会はほとんどない。一方、多額の税金により、事業推進にとって都合のよい政府広報の一般国民への普及が継続的に行われてきた。

6. 公教育の場でも、事業推進のメリットのみが強調され、問題点が伝えられる機会はほとんどない。

7. 上記の情報操作により、一般国民は進みつつある深刻な事態と起こりうる危機を察知することが困難。

8. 事業に反対する地域では、行政により住民間の対立が作り出され、地域コミュニティがズタズタにされる。立地される地域に交付金などの優遇措置を講じることで、地域全体が計画受け入れに同意する流れが作られる。地元では関連する仕事に従事する人が多く、事業に依存する地域の中で反対意見は白眼視される。

9. 国策に反対する意見に対しては、たとえそれが科学的なものであっても反体制とのレッテルが貼られ、社会全体として問題そのものを取り上げることすらタブー視する雰囲気がつくられる。

10. 一旦計画がスタートすると、今さら後戻りすることは現実的ではないという推進側の意見が前面に出され、根本的な議論が行われない。

11. 代替案の検討(原発の場合は自然エネルギーの開発など。ダムの場合は河川改修、雨水の活用など)が疎かにされ、社会経済が硬直化する。

12. 事業に伴って生み出される廃棄物(原発の場合は放射線廃棄物、ダムの場合はダム湖に堆積するヘドロ)処分や耐用年数を過ぎた時の廃炉(ダムの場合は撤去)のコストが事業計画に組み込まれず、現状ではその技術も確立されていない点が多い。

 現在も浜岡原発(静岡県)など、地震による甚大な被害をもたらす可能性が示唆されている原子力発電所が全国で稼働中です。
 また、祝島(山口県)では、地元漁民らによる必死の抵抗にも関わらず、 中国電力によって原発のための海の埋め立て作業が強行されてきました。
 こうした原発政策推進の動きに対して、各地で地元民や市民による厳しい闘いが続いています。

 国民の原発への不安を抑えるためなのか、
 テレビではこれまで原発を推進してきた“御用学者”らが相変わらず甘い見通しを語る場面が多く見られます。
 福島原発事故発生後、精力的な発信により注目されているのがNPO法人 原子力資料情報室です。
 下記のホームページから、タイムリーな記者会見やメッセージなどの情報を得ることができます。

★原子力資料情報室のホームページ
 http://cnic.jp/

 原子力資料情報室は1975年、群馬県前橋市出身の物理学者、高木仁三郎さんが反原発運動の仲間たちと共に民間の調査研究機関として立ち上げました。
 高木さんは2000年に亡くなりましたが、故郷の群馬県で強行されてきた八ッ場ダム計画に心を痛め、八ッ場ダムを題材に反原発の思想を通奏低音とした「鳥たちの舞うとき」という童話を遺しました。
 「鳥たちの舞うとき」には、21世紀がダムや原発の時代を乗り越え、より平和で持続的な未来が訪れることを願った高木さんの祈りがこめられています。

 以下のサイトに高木仁三郎さんについての情報がアップされています。

 ★高木仁三郎の部屋
 http://cnic.jp/takagi/index.html

 ★福島原発事故を考えるための参考サイト↓

 ○技術者(平井憲夫さん・故人・福島第2原発3号機運転差し止め訴訟原告証人)による現場からの告発
  http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html#page1
  「原発がどんなものか知ってほしい」

 ○福島原発の建設に関わった元GE技術者・菊池洋一さん講演
  http://www.stop-hamaoka.com/kikuchi/kikuchi2.html
  「命はほんとうに輝いている」   

 ○浜岡原発の見直しを求める市民団体サイトより 「日本の原発と地震」
 http://www.stop-hamaoka.com/kaisetsu-1.html#2

 ○「反核医師の会」からの声明文
 http://d.hatena.ne.jp/aresan/20110316/1300279242
 「マスコミが、放射能汚染の危険をレントゲン撮影の放射線量などと比較していること」への批判

○環境エネルギー政策研究所による福島第一原発放射線モニタリングデータ
 http://hmatsuba.air-nifty.com/fukushima1F20110318.pdf
  上記データについて毎日新聞(3月18日)は、「トラブル直後には、一時的に突出した高い数値を示し、その後は当初の低い数値には戻らず、右肩上がりで状況が悪化していることを示している。」と報道。

 ○「福島原発の放射能を理解する」
  カリフォルニア大学のMonreal氏による講演のスライド和訳
   http://ribf.riken.jp/~koji/jishin/zhen_zai.html
   「スリーマイル以上、チェルノブイリ未満で留まる見通しについて説得的な資料です。なお深刻だが、ちょっと安心します」-飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)

 ○2011年3月16日 日本科学者会議より緊急アピール
 http://www.jsa.gr.jp/03statement/20110315appeal.pdf
 政府と東電は事故情報を速やかに公開した上で、事故解決の基本方針を示して国民の協力を仰ぐべきとの声明

 ○衆議院予算委員会公聴会で石橋教授が原発震災を強く警告(全文)
  http://www.stop-hamaoka.com/koe/ishibashi050223.html
  「地震と共存する文化を」
   「原発震災」をいう造語により、今回の災害を予告した学者による国会での警鐘

 ○WWFの活動  始まった『祝島自然エネルギー100%プロジェクト』
  http://www.wwf.or.jp/activities/2011/01/961819.html
 
 ○Foresight(フォーサイト)
  http://www.fsight.jp/article/10319?ar=1&page=0,0&ar=1
  未曾有の震災が暴いた未曾有の「原発無責任体制」 塩谷喜雄(科学ジャーナリスト)

 ○ダイヤモンドオンライン
  http://diamond.jp/articles/-/11514
  「破局は避けられるか――福島原発事故の真相」by ジャーナリスト 広瀬隆氏
   30年前に「東京に原発を!」で原発事故の危険性を告発した著者によるリポート

  ○ダム日記by まさのあつこ氏(ジャーナリスト)
  http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-ef75.html
  「そんなところにあったのか、原発のウンコ」
    使用済み核燃料(核のゴミ)がどれだけ危険なものであるのか、わかり易く解説。

 ○原発震災(7)原発を全部止めたら?  by 高野雅夫氏(名古屋大学・准教授)http://blog.goo.ne.jp/daizusensei/e/4fdfb6bead84198c5ecbd05030cc142d
  「私は原子力発電所はすぐに止めたほうがよいと考えている。その理由は、危険な放射性廃棄物が処理できないことや、プルトニウムの危険性などいくつかあるけれども、最大の理由は、その運転に作業員の放射線被曝が避けられないからだ。」

 ○ 原発緊急情報 by 武田邦彦氏
  http://takedanet.com/
   放射能汚染など日々私たちが直面している具体的な問題についてのアドヴァイス。著者は長年、専門家として原子力関係の仕事につき、内閣府原子力委員会専門委員、同安全委員会専門委員などを務めてきた。

 ○ 原子力産業の再編③:原子力を巡る利権とは? by ブログ「自然の摂理から環境を考える」
   http://blog.sizen-kankyo.net/blog/2008/02/000283.html
  

 ★原発事故についてわかりやすい解説動画

  ○田中優氏(未来バンク事業組合理事長)による講演録画(Ustream)
  http://snipurl.com/27nps1
「関東東北大震災 ~原発について~」
   放射能汚染から身を守るには、未来を切り開くには

  ○Ustream 原子力資料情報室の記者会見2011年3月12日 2時間13分あたりから
  http://www.ustream.tv/recorded/13269017?lang=ja_JP
   田中三彦氏による事故解説、マスコミの偏向報道批判
   田中三彦さんは、元日立社員、サイエンスライター

 ○Ustream 京都三条ラジオカフェ 2011年3月22日
  http://www.ustream.tv/recorded/13489796
   出演ゲスト:京都大学原子炉実験所 助教 小出裕章さん
    現状についての解説と今後のために考えておかなければならないこと  

 ○ 朝日ニュースター ニュースの深層3/17(木)「福島原発事故 メディア報道のあり方」1/3
http://www.youtube.com/user/chorochannel#p/a/u/2/veFYCa9nbMY
  ジャーナリストの広瀬隆氏による現状解説と今後の予測
   (上記は録画の三分の一。続きは右側のYouTubeで見られます。)

 ○毎日放送ビデオ録画
  http://video.google.com/videoplay?docid=2967840354475600719#
 「なぜ警告を続けるのか?京大原子炉実験所・”異端”の研究者たち?」

 ○たかじんのそこまで言って委員会 武田邦彦氏 原発の正体
  http://www.youtube.com/watch?v=jyou9oG1qBg(その1)
  http://www.youtube.com/watch?v=YDcYUlTHYyQ&feature=related(その2)

 ○NHK現代史スクープドキュメント 原発導入のシナリオ ~冷戦下の対日原子力戦略~
  http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/686.html

 ★原発事故をめぐるを直近の報道↓

 ○2011年3月15日 宮崎日日新聞 「安全神話崩壊で決着 串間住民投票見送り」
  http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=36541&catid=74

 ○2011年3月16日 毎日新聞夕刊
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110316dde012040006000c.html
  特集ワイド:東日本大震災 福島原発事故、専門家に聞く 最悪の事態、制御できるのか

 ○2011年3月17日 北海道新聞
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/278915.html
 原発「津波に耐え素晴らしい」 原子力行政「胸を張るべきだ」 経団連会長が発言

 ○2011年3月17日 朝日新聞三重版 「新原発の撤回、中電に要望へ 伊勢市長」
 http://mytown.asahi.com/areanews/mie/NGY201103160005.html

 ○2011年3月17日 河北新報
 http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/20110317t73015.htm
 不満と恐怖 地元限界 物資ストップ「見殺しに等しい」

 ○2011年3月17日 産経新聞
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110317-00000620-san-soci
 自民・谷垣総裁「原発推進は難しくなった」原子力政策見直しを表明

 ○2011年3月17日 朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0317/TKY201103170324.html
 放射能に汚染された飲料水・食品規制へ 厚労省が基準値

 ○2011年3月17日 北海道新聞
  http://www.hokkaido-np.co.jp/news/dogai/278890.html
  福島原発設計 元東芝の技術者 「津波全く想定せず」

 2011年3月18日 読売新聞
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110318-00000096-yom-pol
 原発事故直後、日本政府が米の支援申し入れ断る

  2011年3月19日 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110319/amr11031918410009-n1.htm
 【放射能漏れ】
日米情報ギャップ 米独自の収集解析加速 日本側情報に不信

 2011年3月20日 共同通信47news
 http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032001000434.html
 海水注入遅れたと米紙指摘 東京電力、廃炉を懸念

 2011年3月21日 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110321/erp11032121110011-n1.htm
 【放射能漏れ】日本型官僚主義で対応遅れ 露原子力専門家が苦言

 2011年3月21日 共同通信47news
 http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032101001054.html
 英紙、東電は国有化も 事故の巨額補償で

 2011年3月23日 読売新聞社会面
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110323-OYT1T00078.htm
 保安院検査官、原発から1週間離れていた