八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

群馬県知事選候補者へのアンケート結果

 当会が実施した群馬県知事選候補者への公開アンケートの回答結果は、こちらに掲載しています。↓
https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1247

 関連記事を転載します。

◆2011年6月14日 上毛新聞一面
   
 -攻防2011知事選 八ッ場ダム建設事業 3新人「問題ある」現職は計画通り 市民団体調査―

 16日告示、7月3日投開票の知事選に立候補予定の4人のうち、現職の大沢正明氏(65)は八ツ場ダム事業について「問題ない」とするが、いずれも新人で元県議の後藤新氏(50)、共産党県委員長の小菅啓司氏(60)、貸家業の海老根篤氏(64)は「問題がある」と考えていることが、13日までに市民団体が行ったアンケート結果で分かった。ダム本体建設の賛否は尋ねていないが、現計画通りのダム完成と生活再建を訴える大沢氏に対し、新人3人はダム湖観光を軸とする地元の生活再建策を疑問視。考え方の違いが浮き彫りになり、知事選の焦点になりそうだ。

 大沢氏は「問題ない」とした理由を「国と地元が協定を結び、合意した事業」と記述し、正当性を強調。新人3人は「問題あり」の理由として「国策を優先して地元住民に犠牲を強いた」「時代状況に応じた検証をしなかった」などを選び、国の過去約60年にわたる事業の進め方を批判した。
 地元の生活再建策に必要なことを尋ねる設問では、大沢氏が「ダム湖を観光資源として地域の活性化を図る」とダム湖を前提とする現在の生活再建策の推進を選択した。
 一方、後藤氏は「ダム湖の完成にかかわらず、きめ細かな地域活性化策を講じる」、小菅氏は「ダム湖ではなく今の自然や風土を生かした地域活性化を図る」、海老根氏は両方と、必ずしもダム湖を前提としない回答を選んだ。後藤氏は別の質問に対する記述回答で「ダム湖が観光資源になるか疑問」との考えも示した。
 八ツ場ダム問題に関する民主党政権の政策の進め方をどう思うか尋ねたところ、大沢氏が政権交代直後の中止方針表明などを踏まえ「地元の意見も聞かず、一方的に中止にするのはおかしい」と記述した。
 後藤氏と小菅氏は[検証作業のデータなどの透明性が不十分」[ダム中止後の生活再建策なども合わせて提示すべきだ]と選択。海老根氏は「八ツ場ダム見直しは評価できる」などを選んだ。
 調査は同ダム建設見直しを訴える市民団体「八ツ場あしたの会」が5月末に4陣営に依頼し、10日までに回答を得た。同ダム建設をめぐり、大沢氏は現計画通りの完成を訴えている。後藤氏は「建設の是非を決める国の検証結果に従う」との考えを表明し、小菅氏と海老根氏は中止を主張している。

◆2011年6月14日 朝日新聞群馬版
 http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581106140001 

 -八ツ場、4氏割れる―

 八ツ場ダム(長野原町)建設の見直しを訴える市民団体と議員団体が12日、学習会を前橋市で開いた。知事選告示を前に、あらためて八ツ場ダム問題を考えてもらおうと企画。立候補予定者4人に尋ねた公開質問状の回答が公表された。

 主催したのは「八ツ場あしたの会」と「八ツ場ダムを考える1都5県議会議員の会」。会場には約100人が集まった。

 まとめによると、八ツ場ダムについて、現職の大沢正明氏は「問題ない」、後藤新、小菅啓司、海老根篤の新顔3氏は「問題がある」と回答した。理由として大沢氏は「国と地元が協定を結び合意した事業である」、新顔3氏は「国策が優先し、地元住民に犠牲を強いてきた」とした。

 八ツ場ダムをめぐる民主党政権の政策については、4氏ともに疑問を呈した。

 大沢氏は「早期に検証し、速やかに地元の生活再建を完成させるべきだ」と記述。海老根氏は「中止の公約を果たすしかなかったものを検証といってごまかしている」とした。小菅、後藤両氏は「検証データの透明性が不十分」「見直しを行うならば、生活再建策、地域振興策もあわせて提示すべきだ」とした。

 学習会では、菅内閣官房参与もつとめる五十嵐敬喜・法政大学教授が基調講演。「東日本大震災が起き、八ツ場ダムに金をかける感覚はおかしい。前原(誠司)国土交通大臣以降の八ツ場ダム問題は、本質からずれてしまい、官僚の思い通りになっている」と指摘した。

◆2011年6月14日 東京新聞群馬版
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20110614/CK2011061402000074.html

 -2011ぐんま知事選 八ッ場ダム事業 3氏「内容に疑問」―

 八ッ場(やんば)ダム事業の見直しを求める市民団体「八ッ場あしたの会」は十二日、知事選(十六日告示、七月三日投開票)の立候補予定者を対象に実施した同ダムに関する政策アンケートの結果を発表した。回答では、現職の大沢正明氏(65)を除いて、元県議の後藤新氏(50)、共産党公認の小菅啓司氏(60)、貸家業の海老根篤氏(64)の新人三人が「事業のあり方や内容に問題がある」との考えを示した。 (中根政人)

 アンケートは、同会が五月三十一日に立候補予定者四人に送付。全員から回答を得た。「ダム事業の内容」「民主党政権のダム関連政策」「生活再建の方法」など、六つの設問で具体的な政策や考えを聞いた。

 大沢氏は、ダム事業について「国と地元が協定を結び合意した約束」として、内容に問題はないと断言。政策面については「再検証を早期に終了し、ダム完成を図るべきだ」と主張し、生活再建の方法には「ダム湖観光」を挙げた。

 後藤氏は、事業について「時代状況に応じた検証が行われてこなかった」と指摘。民主党政権に対しては「事業を中止した場合の生活再建策や地域振興策を明確に示すべきだ」と訴え、大沢氏が唱えるダム湖観光には強い疑問を示す。

 小菅氏は「治水・利水のいずれにも役立たない」として、ダム事業の意義を強く否定。「事業の長期化によって地域が破壊された」として、ダム建設中止を前提に、現在の自然や風土を生かした地域活性化の政策が不可欠との主張を示した。

 海老根氏は「八ッ場ダムは、政官業の癒着腐敗の産物という点で、事故を起こした福島第一原発と共通している」と説明。民主党政権による事業見直しの取り組み自体は評価するとして、ダム湖の存在を前提としない地域振興を求めた。

 同会の渡辺洋子事務局長は「知事選当選者には、住民の生活再建問題を中心にダムの現状を正確に理解し、現実的な決着を図る責任が求められる」として、知事選の争点としての八ッ場ダム問題の重要性を訴えている。

◆2011年6月14日 読売新聞群馬版
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20110614-OYT8T00057.htm

 -大沢氏以外「八ッ場に問題」 現職「国との約束」考えの違い鮮明―

 候補予定4氏市民団体アンケ
 八ッ場ダム建設見直しを訴えている市民団体「八ッ場あしたの会」は12日、知事選立候補予定者4氏に対する独自のアンケート結果を公表した。八ッ場ダム事業に「問題があるか、ないか」という設問に対し、建設推進の立場を取る現職の大沢正明氏以外は「問題がある」と回答するなど、考え方の違いが鮮明になった。

 「問題がある」理由を尋ねる設問で、前県議の後藤新、共産党県委員長の小菅啓司、貸家業の海老根篤の3氏が共通して挙げた選択肢は「国策が優先し、地元住民に犠牲を強いてきた」と「時代状況に応じた検証を行ってこなかった」。小菅、海老根両氏は、事業の透明性や安全性を疑問視する選択肢も選んだ。

 八ッ場ダムを巡る民主党政権の政策の進め方については、大沢氏は用意された選択肢から選ばず、「ダム建設は国との約束。地元の意見も聞かずに一方的に中止はおかしい。早期に検証し、速やかに地元の生活再建を完成させるべき」と指摘。後藤、小菅両氏はそろって「検証は客観的な第三者機関で行われなければ国民の納得を得られないが、データの透明性が不十分」と「見直しを行うのであれば、中止した場合の生活再建策、地域振興策も提示すべき」を選んだ。

 設問と回答の詳細は、同会のホームページ(http://www.yamba‐net.org/)で公表している。

 
◆2011年6月15日 毎日新聞群馬版
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20110615ddlk10010288000c.html

 ― 八ッ場ダム・流転の行方:知事選 新人3人「問題あり」--公開アンケ /群馬 ―

 ◇立候補予定者、4人に公開アンケ
 八ッ場ダム建設の見直しを求めている市民団体「八ッ場あしたの会」は、知事選の立候補予定者4人に行った公開アンケート結果を発表した。ダム事業について「問題がある」「問題がない」の二者択一で聞いた結果、新人3人が「問題がある」と答えた。

 アンケートは5月下旬、無所属現職の大澤正明氏、無所属新人の後藤新氏、共産新人の小菅啓司氏、無所属新人の海老根篤氏に送付し、ダムへの考えを尋ねた。

 ダム事業に「問題がない」と回答したのは大澤氏だけで、理由として「国と地元が協定を結び合意した事業である」と記入した。

 一方、「問題がある」と回答した後藤氏、小菅氏、海老根氏が共通の理由(5項目から選択)として挙げたのは「国策が優先し、地元住民に犠牲を強いてきた」「時代状況に応じた検証を行ってこなかった」だった。

 またダムを巡る民主党政権の進め方について、大澤氏は「地元の意見を聞かず一方的に中止するのはおかしい」と記入。一方、後藤氏と小菅氏は5項目の中から「ダム事業の見直しを行うのであれば、ダム計画を中止した場合の生活再建策、地域振興策を合わせて提示するべきだ」など、進め方に対する批判的な選択肢を選んだ。【奥山はるな】