2011年7月27日
昨日、八ッ場あしたの会では、参議院議員会館において八ッ場ダムに関する請願署名提出集会を開き、26人の国会議員に衆参両院議長あての請願提出を託しました。
請願項目は以下の二点です。
1.八ッ場ダム事業について客観的・科学的で公正な検証を求めます。
2.ダム予定地再生のための法整備を求めます。
請願趣旨は以下の通りです。
請願趣旨
八ッ場ダム事業は、利水治水の両面で必要性が希薄となり、財政負担、地質、環境などの面で多くの問題を持つことから、2009年9月の政権交代で中止が宣言されましたが、その後の経過で、2011年秋までに八ッ場ダムの是非についての検証が行われることになっています。客観的・科学的で公正な検証がなされれば、八ッ場ダムは中止以外の結論が出るはずがありませんが、八ッ場ダムの事業者である関東地方整備局による検証であるため、検証の結果は予断を許しません。
一方で、ダム予定地の地元住民はダム計画によって計り知れない犠牲を強いられ、今なお翻弄され、地域は衰退の一途を辿ってきています。
800年の歴史を誇る川原湯温泉、名勝吾妻渓谷をはじめとするかけがえのない自然を水に沈めるダム計画は、20世紀の負の遺産です。
私たちは、八ッ場ダムの検証が客観的・科学的で公正に行われるとともに、半世紀以上ダム計画の下で苦悩してきた地元住民の生活を再建し、地域を再生するための法整備の実現を求めます。
—請願趣旨の転載終わり—
この署名活動は、八ッ場ダムをストップさせる各都県の会と共に実施しました。
紹介議員となって下さったのは、以下の衆参議員の皆さんです。(あいうえお順・敬称略)
【衆議院】—19名
阿部ともこ(社民)・石関貴史(民主)・稲見哲男(民主)・川内博史(民主)・穀田恵二(共産)・佐々木憲昭(共産)・塩川鉄也(共産)・志位和夫(共産)・高橋千鶴子(共産)・田中康夫(新党日本)・照屋寛徳(社民)・中川治(民主)・中島隆利(社民)・中島政希(民)・初鹿明博(民主)・松木謙公(無所属)・三宅雪子(民主)・宮崎岳志(民主)・村越祐民(民主)
【参議院】—7名
糸数慶子(無所属)・大河原まさこ(民主)・紙智子(共産)・大門実紀史(共産)・谷岡郁子(民主)・田村智子(共産)・福島みずほ(社民)
関連記事を転載します。
◆2011年7月27日 朝日新聞群馬版
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581107270001
-公正な検証求めて衆参両院に請願書-
八ツ場ダムの建設見直しを求めている市民団体「八ツ場あしたの会」などは26日、ダム検証の客観性や科学的な検証などを求め、衆参両院議長あての請願書と、3493人分の署名を県選出の民主党国会議員らに託した。
請願書では、国土交通省の検証作業を「事業再開の結論が先にある、形だけの検証」と批判。第三者などによる公正な検証を求めている。またダム予定地の生活再建に向けて、早急な法整備を訴えた。
宮崎岳志衆院議員(群馬1区)は「震災を引き合いにしてダム事業を推進する、というのは火事場泥棒に等しき議論。ダムのあり方が日本を変える第一歩となることを信じている」と話した。
◆2011年7月27日 毎日新聞群馬版より転載
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20110727ddlk10010213000c.html
-八ッ場ダム・流転の行方:検証求める請願、今国会に提出へ /群馬-
八ッ場ダム建設の見直しを求める市民団体「八ッ場あしたの会」は26日、ダム事業の公正な検証などを求める請願署名が3493人分集まったと発表した。八ッ場ダム生活再建議連の事務局長を務める初鹿明博衆院議員(民主、東京16区)ら26人が紹介議員になり、今国会に提出する。
同会によると請願書では「客観的・科学的で公正な検証がなされれば、八ッ場ダムは中止以外の結論が出るはずがない」と主張、地元住民の生活再建のため法整備の実現を求めている。【奥山はるな】
◆2011年7月27日 上毛新聞より転載
-生活再建の法整備 公正な検証求める 八ッ場ダム建設見直し派の団体-
八ッ場ダム建設見直しを求める市民団体「八ッ場あしたの会」は26日、東京都内で集会を開き、ダム事業見直しでの公正な検証や地元住民の生活再建に向けた法整備を衆参両院に請願することを確認した。
集会では同会の代表者らが、八ッ場ダム建設の是非を決める検証作業について、事業主体の国土交通省関東地方整備局が主導していると指摘。「ダムの利水、治水両面の効果が過大評価されており、事業再開ありきの検証だ」と批判した。
水没予定地の温泉街の移転が進まず、人口流出も著しいとして、生活再建支援法の整備を求めた。請願書は、全国の約3500人から集めた署名を添え、近く衆参両院議長に提出する。
◆2011年7月27日 読売新聞群馬版より転載
-ダム再検証「公正に」国会請願署名を提出 八ッ場あしたの会ー
八ッ場ダム(長野原町)の建設見直しを求める市民団体「八ッ場あしたの会」は26日、東京都内で集会を開き、再検証中の同ダムについて「公正な検証」などを求める3493人の国会請願署名を紹介議員に提出した。国会請願署名は同会として2回目で、政権交代後は初めて。紹介議員には衆参から民主、共産、社民、新党日本、無所属の計26人が名前を連ねた。
同会は請願書で、「客観的・科学的で公正な検証がされれば、八ッ場ダムは中止以外の結論が出るはずがないが、ダム事業者の(国土交通省)関東地方整備局による検証であり、検証の結果は予断を許さない」と指摘。建設予定地の再生に向けて、新たな法整備を行うよう要請している。
集会では、民主党の「八ッ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟」事務局長の初鹿明博衆院議員が、岡田幹事長ら党執行部が進めるマニフェストの抜本的見直しを踏まえて、「国民との約束を守るのは重要な使命だ」と、ダム中止方針の堅持を訴えた。
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一方、八ッ場ダム建設の根拠となる利根川水系の基本高水(最大流量)について、国交省の再計算を検証した日本学術会議は、8月2日に行う予定だった一般向けの公開説明会を延期すると発表した。