国土交通省関東地方整備局では、8月11日に八ッ場ダムなどの事業評価についての委員会を開催しました。
公共事業評価制度は1997年度に始まった北海道の「時のアセスメント」を契機に全国的に行われるようになったもので、本来の目的はその時々の観点から不要となった事業を見直して中止することにありました。けれども実際には、行政側が数字を作り上げて公共事業を延命させる手段に堕してしまっています。
再評価は5年おきに実施するものですが、直轄ダム、水資源機構ダムは昨年度から3年おきの再評価となり、八ッ場ダム、思川開発(南摩ダム)、霞ケ浦導水事業も今年度、再評価の対象になりました。
国交省関東地方整備局による事業評価監視委員会は、今回も非公開で(モニターテレビによる傍聴のみ可)、中身は形式的なものでした。殆どの一般国民がこうした実情を知らされていないために、こんな状況がまかり通っているのですが、こんな形骸化した「事業評価」でも各事業の方針を決める手続きとしては重要な役割を担っています。
関東地方整備局のホームページに当日の配布資料が掲載されています。↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/shihon/shihon00000069.html
今回の事業評価監視委員会は八ッ場ダム、思川開発(南摩ダム)、霞ケ浦導水事業、利根川上流ダム群再編事業などを扱いました。この4事業は現在、ダム検証が行われている最中だということで、検証終了後に再度審議を行うことになっています。
八ッ場ダムについては二つの資料がありました。
まとめhttp://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000042932.pdf
費用便益比http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000042933.pdf
関連記事を転載します。この記事では方針決定後に再度審議となっていますが、方針の原案についての審議であって、決定はそのあとになります。
◆2011年8月22日 朝日新聞群馬版
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581108120001
ー生活再建のみ「推進が妥当」 評価監視委ー
国土交通省関東地方整備局の事業評価監視委員会が11日、さいたま市であった。八ツ場ダム建設事業(長野原町)については、新たな段階に入らず、住民の生活再建事業を進めていくことが妥当とした。国の方針が未定のためだ。
国交省は、関係する1都5県から事前に意見聴取した。群馬県は3日付文書で、今秋とはいわず一日も早く検証結果を出し、ダム本体を計画通り完成▽検証スケジュールの公表▽生活再建事業の早期完成を求めた。他都県もすべて、計画通りにダムを完成させるよう回答した。
監視委は大学教授ら委員12人で組織し、計画から時間がたった事業を再評価する。八ツ場ダムは、国が今秋までに検証結果を明らかにする意向のため、方針決定後に再度、監視委で審議するという。