台風による記録的な豪雨により、全国各地で災害が発生しています。台風12号は紀伊半島に死者を出す大きな被害をもたらしました。ダムは想定外の豪雨では満杯になり、治水の役目を果たすことができませんでした。
◆2011年9月14日 朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0914/OSK201109140067.html
-記録的豪雨で3ダム満杯、治水の役目果たせず 和歌山ー
和歌山県内にある四つの治水用ダムのうち三つが、台風12号で治水機能を失っていたことが県への取材で分かった。100年に1度の大雨に対応可能とするダムもあったが、記録的豪雨で満杯に。上流から流れた水をそのまま放流し、下流の被害を防げなかった。
日高川、古座川、有田川にある椿山(つばやま=日高川町)、七川(しちかわ=古座川町)、二川(ふたかわ=有田川町)の県営ダム。治水を主目的とし、1988、56、66年度に造られた。台風12号に備えて水を事前に放流し、水位を最低水準まで下げていた。
県河川課によると、最大の椿山ダムは、貯水容量4900万立方メートルで、100年に1度の雨(1日雨量523ミリ)に対応できるとされていた。しかし、ふだん上流から毎秒30立方メートルほど流れる水の量が、3日昼に30倍以上の1千立方メートル超に。県は一部をためて残りを下流に放流する「洪水調節」を続けたが、ダムがあふれて制御不能になるおそれが出たため、4日午前0時過ぎ、流れた水をそのまま放流することにした。
ピーク時の4日午前3時の流入量は毎秒約4千立方メートルで、同ダムの過去最高の3倍近くになり、降り始めからの総雨量は1千ミリに達した。
(写真)台風12号の豪雨で洪水調節ができなくなった椿山ダム=10日午後、和歌山県日高川町、朝日新聞社ヘリから、水野義則撮影