八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム検証結果についてのパブコメ資料概要版

2011年10月20日

 さる9月13日、国交省関東地方整備局は八ッ場ダムの検証結果を発表しました。この検証結果は、同局が関係都県の意見を反映させつつ検証した結果、治水上・利水上、八ッ場ダムはベストの案であったというもので、八ッ場ダム本体工事着工を促す内容といえます。
 同局では検証結果をまとめた「八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書」(素案)」を公表し、↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000045308.pdf

 パブリックコメント(略称:パブコメ)を11月4日午後6時まで募集中です。パブコメは政策の方向性について、一般の人々の意見を募る仕組みです。

 八ッ場ダム事業を推進してきた国交省関東地方整備局が主体となって、ダム推進に加担してきた関係都県がこれまで通りの役割を演じて行った”検証作業”は、結論ありきの茶番劇というのが実態でした。
 その上、パブコメの対象となっている上記の資料はあまりにページ数が多く、わかりにくいと不評です。この資料を読み込み、国交省関東地方整備局の提示しているルールに従って意見を提出するのは容易ではありません。

 こうした不評に応えてか、同局では本日、資料の概要版を作成したと記者発表しました。この概要版は、同局のサイトに掲載されています。
 ↓
50ページ余りの概要版
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000045652.pdf

16ページの巻末資料
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000045653.pdf

 パブコメの意見がどれほど実際に反映されるかは不明ですが、八ッ場ダム事業の検証においては、一般の国民が意見を述べる場が限られていますので、意見のある場合はパブコメを利用することになります。

☆国交省関東地方整備局ホームページには今回のパブコメについての説明が掲載されており、意見提出の書式もダウンロードできます。
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000183.html
「八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書(素案)」に対するパブリックコメント
 記者発表資料、意見募集要領、意見提出様式

 八ッ場ダム推進議連では、このパブコメを積極的に活用しようという動きがあることを新聞が伝えています。

◆2011年10月19日 朝日新聞群馬版
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581110190001

 -「早期着工を」 推進議連が28日大会ー

 自民党県議らで作る八ツ場ダム推進議連(会長・中村紀雄県議)は28日、前橋市の県政会館で「八ツ場ダム建設推進群馬県大会」を開く。本体工事の早期着工を求めて、今後の活動方針を話し合う。

 18日の議連に出席した茂原璋男副知事は「八ツ場ダムが最も有利との判断は妥当というより当然。一番大事な時期を迎えている。執行部も力を合わせて取り組みたい」と話した。

 県議からは、国土交通省が募集している八ツ場再検証に関するパブリックコメントを積極的に出すべきだとの意見も出た。中村会長は「多くの賛成意見を得られるよう、声をかけていただくなり力を合わせていただきたい」と呼びかけた。

 国交省関東地方整備局は9月、ダム建設が代替案より有利だとする総合評価をまとめている。だが、「八ツ場ダム建設中止」は民主党マニフェストの目玉でもあり、政府・与党内には慎重な意見も根強い。