八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

4ページの八ッ場パブコメ資料

2011年10月25日

 国土交通省関東地方整備局では10月6日から11月4日までの期間、同局が9月に公表した八ッ場ダムの検証結果案について、パブリックコメントを募集しています。

 この検証結果案は、「八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書(素案)」として同局のホームページに公表されていますが、
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http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000045308.pdf

 300ページ余とあまりにも大部で、一般の流域住民に理解してもらう努力がなされていないと各方面から批判が上がったためか、10月20日になってこれを50ページ余に短縮した概要版を公表しました。
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http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000045652.pdf

 しかし、これも決してわかり易い内容とは言えず、24日時点でわずか30件のパブリックコメントしか寄せられていないことが判明しました。
 この日、同局ではさらに4ページの骨子を公表しました。
 ↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000045698.pdf

 300ページ余→50ページ余→4ページとページ数は明らかに少なくなりましたが、八ッ場ダムの検証結果案そのものが一般の人々の理解を求めるとは言い難いお役所論理で貫かれていることには変わりはありません。

 パブリックコメントの様式は、同局の文書のどのページのどの箇所にどのような問題があるかを指摘するというものです。確かに同局にとっては、こうした様式でパブコメが寄せられれば便利でしょうが、八ッ場ダム検証全般についての意見を述べることはこの様式では想定されていませんし、生活を抱えた一般の流域住民にとって、膨大なお役所文書から問題だと思う箇所を拾い出すこと自体、大変なエネルギーを要することです。そうした作業が報われるかどうかもわからずにパブコメに応募する人は自ずから限られ、一般の流域住民は蚊帳の外に置かれているようです。
 行政にとってのみ都合のよい手法がいまだに罷り通っているということ自体、いかに河川行政が旧弊のままであるかを示していると言えましょう。

 関連記事を転載します。

◆2011年10月25日 朝日新聞群馬版
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581110250001

 -八ツ場ダム再検証 募集意見まだ30件ー

 八ツ場ダムの再検証で国土交通省関東地方整備局が6日に始めたパブリックコメント(国民の意見)募集に対し、全国からの応募が24日午前10時現在で30件にとどまっていることが、整備局への取材で分かった。

 整備局は、パブリックコメント募集に伴い、再検証の経緯と内容をまとめた検討報告書を公表した。だが、7章で300ページ余りあり、推進、見直し両派ですら「量が多すぎて必要な資料が探せない」と不満の声が上がっていた。

 整備局は想像を超える出足の鈍さに、「関係住民の意見聴取を11月6日から始める」と発表した今月20日に53ページの概要版、24日夕から4ページの骨子をホームページ(http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000184.html)に追加した。

 パブリックコメントの募集期限は来月4日。担当者は「もっと意見をいただく工夫をしないといけないと思った」と簡易版をつくった理由を説明する。ただ、「正確な理解のためには報告書の全文を見て欲しい。概要版と骨子は、その手引きとして使って欲しい」と話している。(小林誠一)