八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

国会議員への賛同署名呼びかけ

2011年11月13日

 「八ッ場あしたの会」と「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」では、さる11月9日より、八ッ場ダム本体工事の中止を求めて国会議員へ賛同署名の呼びかけを開始しました。
 このままなし崩しに八ッ場ダム本体工事が着手されれば、将来に大きな禍根を残すことになります。東日本大震災、福島原発事故、TPPと問題山積の中、どさくさに紛れて官僚体制の暴走が止まりません。有権者の皆さんから選挙区の国会議員へ、このことを是非お伝えください。

 以下に賛同依頼文を転載します。情報拡散歓迎です。

 議員各位 
           八ッ場ダムに関する賛同署名のお願い

 八ッ場ダム事業は2009年の民主党政権の誕生により、ダム本体工事が凍結されてきました。
 この間、国土交通省関東地方整備局が検証作業を行ってきましたが、ダム事業を推進してきた同局の検証は、ダム本体工事再開を目指すものでしかなく、11月中には八ッ場ダムを最適案とする検証結果が本省に提出される見通しです。
 関東地方整備局による検証では、治水、利水という八ッ場ダムの目的の妥当性は一切検証されず、自民党の影響下にある関係一都五県の意向が最大限に尊重され、八ッ場ダムが抱える多くの問題は伏せられたままでした。
 
 今回の関東地方整備局の検証に対しては、11月1日に科学者80名が科学性、客観性がないとして異例の声明文を野田総理大臣、前田国土交通大臣に提出した他、同局が実施したパブリックコメント、公聴会でも流域住民から批判が多数寄せられています。また、意見聴取のために開催された同局の利根川・江戸川有識者会議(11月4日)では、学識者、報道関係者から「説得性がない」、「説明責任を果たさないと禍根を残す」などの辛口の意見が相次ぎました。

 首都圏では水あまり現象が年々顕著になっており、人口減少時代を迎えようとしている今日、八ッ場ダムは利水上、明らかに時代遅れの事業です。また、利水とともに八ッ場ダムの主目的である治水においても、利根川における治水効果が極めて小さく、ダムの必要性を訴えるデータには科学的根拠がないことが明らかになっています。

 一方で、八ッ場ダムの予定地は地質がもろく、多くの専門家が地すべり誘発などの危険性について警鐘を鳴らしています。また、水没予定地住民のための代替地は、前例のない30メートル以上の高盛土で、ダム湛水により安全性が脅かされる可能性が高いと指摘されています。

 関東地方整備局はダム本体工事を再開した場合、ダム完成は2018年度としています。しかし、鉄道、国道の付け替えなど、関連事業は完了の見通しが立っておらず、工期がさらに延長し、事業費も膨らむことが予想されます。

 このように問題が山積した八ッ場ダムにゴーサインが出されれば、必ず将来に禍根を残すことになります。「八ッ場ダム中止」をマニフェストに掲げ、国民の期待を集めた民主党政権は速やかにダム事業を中止し、60年間ダム計画の重圧に苦悩してきた地元住民の生活再建にこそ政治の光を当てるべきです。
  八ッ場ダム事業の中止に是非ともご賛同下さるよう、お願い申し上げます。

                          八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会・八ッ場あしたの会