八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム緊急抗議集会

2012年1月19日

 一昨日、東京で八ッ場ダム建設再開に反対する様々なイベントが行われました。関連記事を転載します。

◆2012年1月18日 朝日新聞群馬版
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581201180001

 -霞が関に110団体 「ダムより震災復興」ー

 八ツ場ダムの建設再開に反対する催しに、全国から110の市民団体が結集した。17日に東京で開かれた緊急抗議集会。「不要不急のダムはいらない」と訴え、活動の継続に向けて気勢を上げた。

 「ダムより震災復興が必要だ!」「消費増税をしようとしているのにダムをつくるなんて!」

 この日午後、霞が関の官庁街には、市民団体のシュプレヒコールが響いた。

 一行は「ストップ八ツ場ダム」と書かれた旗を掲げ、150人余が日比谷公園から国土交通省まで行進。前田武志国土交通相あての抗議文を提出し、「民主党はマニフェストを守れ」と叫んだ。抗議文は野田佳彦首相にも出した。

 政府が昨年末に建設再開を決めてから、見直し派の大規模な催しは初めて。八ツ場の慎重派として長年活動してきた人たちは「県外では過去に例のない盛り上がりだ」と力を込めた。

 民主党政権は昨年末、八ツ場以外にも、東京外郭環状道路(東京都など)や整備新幹線といった巨大公共事業を続々と復活させた。

 夕方には永田町の衆院第一議員会館で緊急抗議集会を開催。議員や学者らも含めて約300人が集まり、「民主党批判大会」の様相となった。

 共産党の塩川鉄也衆院議員は、自らが中心に手がけたダム関連事業の受注実績の調査結果を紹介した。

 2008年度~11年11月に、国交省八ツ場ダム工事事務所からコンサルタントや測量などの業務を受注した136法人のうち、少なくとも45法人は同省や群馬、栃木各県といった役所OBが再就職した「天下り法人」と指摘。「政官財癒着をただすモデルケースとしてきた八ツ場すら、民主党政権は復活させた」と批判した。

 社民党首の福島瑞穂参院議員は「消費税を上げて八ツ場ダムや外環道をつくるのは矛盾だ」、民主党を離党手続き中の中島政希衆院議員は「歴史的愚行に手を貸し、民主党は立党の理想を失った」と述べた。

 民主党の国会議員は平身低頭。平智之衆院議員は「予算は計上されたが、執行させないよう活動する」と約束した。

 巨大公共事業の見直しに取り組む全国からの「現地報告」もあった。

 川辺川ダム(熊本県)の建設反対に取り組む「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」代表の中島康さん(71)は「八ツ場が止まらなければ川辺川も危ない。ダムを止めるための作戦を立てよう」と訴え、拍手を浴びた。

 最後に集会宣言を採択。不要不急な公共事業の予算撤回▽巨大公共事業に投入される財源や人材などを震災復興に回す――といった5項目を盛り込んだ。来年度予算の審議前に国会議員に知ってもらうため、主催者は、25日に議員会館を回って訴える。

 「八ツ場ダムをストップさせる東京の会」代表の深沢洋子さん(54)は「ダムを造って増税なんて許さないという意思を示せた」と手応えを語った。(伊藤弘毅、小林誠一)
     ◇
 ダム検証のあり方を問う科学者の会は17日、八ツ場ダム再開で官房長官が前提とした利根川水系の河川整備計画について、野田佳彦首相と前田武志国土交通相宛てに要請文を出した。

 会は共同代表の今本博健京大名誉教授(河川工学)や川村晃生慶大教授(文学)ら11人が呼びかけ人をつとめ、全国の学者126人が賛同。2008年から作業が止まっている整備計画が、八ツ場ダムを次に進ませないカギとみて、見直し派の学者としての統一要請になった。

 要請書では、整備計画をつくる有識者会議の人選見直し▽公開で議論できる場▽有識者会議の全面公開――の3点を要求。今本名誉教授は取材に「建設再開にかかわった国交省の有識者会議は推進派が大半。官僚主導の流れを止め、科学的かつ客観的に議論し尽くすべきだ」と話した。

◆2012年1月18日 東京新聞群馬版
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20120118/CK2012011802000100.html

 -八ッ場ダム建設再開 都内で抗議集会 反対派、全国から結集ー

 八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の建設再開に抗議する集会が都内であった十七日。参加者は県内を含め全国各地から集会に駆け付けた。集会に先立ったデモでは「民主党は公約を守れ」「ダムに使う金を復興に」と声を上げながら国土交通省や衆議院議員会館などの周辺を巡った。 (伊藤弘喜)

 八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会(東京)や八ッ場あしたの会(前橋市)など九団体でつくる実行委員会の主催。約百五十人が日比谷公園から出発した。

 五年ほど勤務した経験から長野原町を「第二の故郷」と呼ぶ前橋市の男性(69)は「町の自然を守れなければ次世代に顔向けできない」との思いに駆られ参加したという。

 熊本市内から駆け付けた「川辺川を守る県民の会」代表の中島康さんは、八ッ場ダムと同じく計画が長期化した後に国が中止表明した川辺川ダム(熊本県)の反対運動に携わっている経験から「政府や市民団体は地元ともっと話し合ってほしい」と提案していた。

 河川工学や水問題の専門家らが八ッ場ダムの問題を報告した集会の参加者は約三百人に膨れ上がった。八ッ場あしたの会の渡辺洋子さん(前橋市)は「二週間余りの準備でこれだけ集まったのは国民の怒りの表れだ」と語気を強めた。

 集会の最後には、八ッ場ダムを考える一都五県議会議員の会の角倉邦良代表(群馬県議)が、利根川水系の河川整備計画づくりがダム本体工事再開の条件であることから「計画を策定する有識者会議委員の少なくとも半分は、ダムに中立な方に入ってもらえるよう働き掛ける」と述べた。

◆2012年1月18日 しんぶん赤旗
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-01-18/2012011803_01_1.html

 -八ツ場ダム きっぱり中止を 市民ら9団体 東京・霞が関 緊急行動

 民主党政権が昨年末、マニフェストに反して決定した群馬県長野原町の八ツ場(やんば)ダム事業再開に対し「八ツ場ダムをストップさせる市民連絡会」など9団体は17日、東京・霞が関で緊急抗議行動を行いました。

 100人を超える参加者は「民主党はウソつくな」「前田(武志国土交通)大臣は辞めろ」などと書かれたプラカードを手にアピール行進。「増税するよりダムやめろ」「ダムより震災復興だ」と唱和しました。

 行進の途中、国交省と内閣府に対し▽ダム事業を検証する有識者会議の人選やり直し▽整備新幹線、リニア新幹線など不要不急の事業の見直し▽同様の事業費の東日本大震災復興へのシフト―などを求める要請が行われました。

 衆議院第1議員会館で開かれた抗議集会には約270人が参加し、学者やジャーナリスト、市民団体の代表らが講演しました。

 日本共産党の塩川鉄也衆院議員があいさつし「マニフェストを覆した再開決定に対する『許せない』という気持ちを一つにして、きっぱりと中止に追い込んでいこう」と訴えました。

◆2012年1月18日 読売新聞群馬版
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20120118-OYT8T00012.htm

 -八ッ場反対9団体集結ー

 八ッ場ダム建設再開に抗議しようと、建設に反対する9団体が集結し、17日、東京・霞が関の国土交通省前や衆院議員会館などでデモ活動や抗議集会を行った。そのうち、「ダム検証のあり方を問う科学者の会」は、野田首相と前田国交相宛てに要請書を提出した。

 参加したのは、「八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会」(東京都)、「八ッ場あしたの会」(前橋市)など。国交省前には約150人が集まり、「ダムに使う金を東北に回せ」「国交省はウソをつくな」と声を張り上げた。

 「科学者の会」が提出した要請書では、流域住民の意見を踏まえた民主的な手続きで有識者会議の委員を選ぶことなどを盛り込み、大学教授ら126人も賛同者として名を連ねた。代表の今本博健・京大名誉教授(河川工学)らは提出後に記者会見を開き、ダム建設継続が妥当とした国交省の再検証結果を了承した有識者会議に対し、「単なる追認機関になっている」などと批判した。

 衆院議員会館で約300人が集まった抗議集会では、民主党政権で内閣官房参与を務めた五十嵐敬喜・法大教授(公共事業論)らが講演し、マニフェスト違反などと民主党政権を非難。同党に離党届を提出した中島政希衆院議員や社民党の福島党首らも駆け付け、中島議員は「民主党は志を失った」などとあいさつした。