2012年3月15日
「ダム検証のあり方を問う科学者の会」は国交省の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の各委員に対して、公開質問書を送ったのですが、回答期限を過ぎても回答が届かないとのことです。このため、同会は回答を求める再要請書を提出しました。
再要請書と関連記事を転載します。
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国土交通省「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」
座長 中川博次様
委員 宇野尚雄様
委員 三本木健治様
委員 鈴木雅一様
委員 田中淳様
委員 辻本哲郎様
委員 道上正規様
委員 森田朗様
委員 山田正様
「有識者会議の全面公開を求める公開質問書」に対する回答の再要請
私たち「ダム検証のあり方を問う科学者の会」は去る3月1日に貴有識者会議の各委員に対して、会議を全面公開することを求める公開質問書を提出しました。ところが、回答期限である3月9日(金)を過ぎても、委員のどなたからもご返答がありませんでした。
しかし、先の公開質問書の内容は、各委員が科学者であるならば、科学者の良心として、また、科学者としての尊厳を守るために答えなければならないことばかりであり、各委員とも回答を拒否されたことは、同じ科学者として私たちは信じがたい気持ちです。
各委員の科学者としての良心に訴えます。先の公開質問書に対して真摯に回答されることを再度要請いたします。ご回答は3月22日(木)までに下記の連絡先へメールまたはFAXでお送りくださるよう、お願いいたします。
先の公開質問書に記した質問事項の要点は次のとおりです。
1 ダム予定地の反対地権者が審議を見守る権利について
石木ダム予定地の地権者はこれからの生活の根底に係る有識者会議の審議の行方を見守る権利があります。その権利を蔑ろにしてよいのでしょうか。このことについて各委員の見解を明らかにしてください。
2 有識者会議の合議による全面公開について
一般市民の傍聴は有識者会議で座長がその容認を諮れば可能となります。手続き的にはただそれだけのことで全面公開にすることができます。有識者会議の合議で全面公開することについて各委員の見解を明らかにしてください。
3 一般市民に対して非公開にする理由について
国の審議会等の諮問機関の公開は今や当然のことになっています。有識者会議の非公開はあまりにも時代遅れであると言わざるを得ません。一般市民に対して非公開にする理由を明らかにしてください。
4 閣議決定違反について
有識者会議の非公開は、閣議決定{平成11年4月27日)「審議会等の整理合理化に関する基本的計画、別紙3 審議会等の運営に関する指針、別紙4 懇談会等行政運営上の会合の開催に関する指針」に明らかに違反しています。このことについて各委員の見解を明らかにしてください。
5 科学者としての責務について
科学者は常に、そして誰に対しても、自らの理念や論理に基づく科学的思考の内実を説明する責任があり、自明のこととして有識者会議の議論は公開で行い、会議での発言は責任が伴うものでなければなりません。各委員は傍聴を希望する市民に対して科学者としての考えを明らかにする責務があります。このことについて各委員の見解を明らかにしてください。
2012年3月14日
「ダム検証のあり方を問う科学者の会」
呼びかけ人
今本博健(京都大学名誉教授)(代表)
川村晃生(慶応大学教授)(代表)
宇沢弘文(東京大学名誉教授)
牛山積(早稲田大学名誉教授)
大熊孝(新潟大学名誉教授)
奥西一夫(京都大学名誉教授)
関良基(拓殖大学准教授)(事務局)
冨永靖徳(お茶の水女子大学名誉教授)
西薗大実(群馬大学教授)
原科幸彦(東京工業大学教授)
湯浅欽史(元都立大学教授)
賛同者 126人
連絡先
〒112-8585 東京都文京区小日向3-4-14 拓殖大学政経学部
関良基 気付 「ダム検証のあり方を問う科学者の会」
◆2012年3月15日 朝日新聞群馬版
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581203150001
ー科学者の会の質問状 有識者会議回答なしー
八ツ場ダム見直し派でつくる「ダム検証のあり方を問う科学者の会」(共同代表=今本博健・京大名誉教授、川村晃生・慶大教授)は
14日、公開質問状を出していた国土交通省「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」(座長=中川博次・京大名誉教授)から締め切りまでに回答がなかったと明らかにした。
科学者の会は有識者会議の委員9人に対し、会議を非公開にしている理由など5項目を9日までに答えるよう求めていた。「回答拒否は同じ科学者として信じがたい」と批判。22日までに答えるよう再要請した。