八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

総務省が人口推計発表

2012年4月18日

 昨日、総務省が、人口推計(平成23年10月1日現在)の結果を公表しました。

 総務省のホームページに発表資料が載っています。
 http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2011np/index.htm
 
 日本全体の人口は前年比でマイナス2.0‰(千分率)になりました。

 八ッ場ダムの主目的である「利水」は人口の動向と深い関わりがあります。八ッ場ダム計画が持ち上がった1950年代、推進された1960年代は首都圏における人口増加が著しかった時代です。八ッ場ダムは右肩上がりの人口増加による水需要の増大を前提に進められてきました。しかし、総務省の資料にあるように、今後、わが国は急激な人口減少社会に突入することになります。

 都道府県別の人口の前年比をみると、首都圏でも人口増に陰りが見え、東京都と埼玉県は増加率が大きく落ち込み、千葉県、茨城県はマイナスに転じ、群馬県は減少率が大きくなりました。

 八ッ場ダムの工期は、現在の国交省の試算によれば2020年です。膨大な関連事業は完了の見通しが立っておらず、事業がこのまま進められても、完成はさらに遅れることが予想されます。その頃には、今はわずかに人口が増加している東京都、埼玉県すらも人口減少に転じているのは確実です。

 八ッ場ダムの利水負担金を支払っている1都4県の人口の前年比は、総務省の発表によると以下のとおりです。水道用水の減少傾向に拍車がかかり、八ッ場ダムの不要性がますます顕著になってゆくと考えられます。

     平成23年  平成22年
 東京都 +0.28  +0.85
 埼玉県 +0.17  +0.46  
 千葉県 ー0.03  +0.59
 群馬県 ー0.38  ー0.28
 茨城県 ー0.41   0.00