今朝の上毛新聞一面に、八ッ場ダムの総事業費の増加と工期の延長についての小さな記事が載っていました。
従来から国交省は八ッ場ダムの事業費増加と工期延長に言及していますが、国交省は必ずコスト縮減、工期短縮に努めると付け加えており、報道も忠実に国交省のアナウンスを伝えています。
しかし実際は、コスト増加、工期延長は既定路線です。国交省は自らの杜撰な計画のせいではなく、民主党政権のせいでコストが増加し、工期が延長されるように説明し、これを補強するために八ッ場ダムを推進する自民党議員らが盛んにコスト増、工期延長を国会、都県議会で取り上げて民主党を責め立てていますが、これらはすべて茶番劇というしかありません。工事の状況を見れば、たとえ政権が交代しなくとも、事業費が膨れ上がり、工期が延長されることは明らかでした。
「コスト縮減、工期短縮に努める」という国交省のお題目とは裏腹に、コストは国交省が表明しているより更に増加し、工期も延長される可能性が十分にあります。八ッ場ダムを推進する利権集団にとっては、八ッ場ダムを完成させることが目的ではなく、八ッ場ダム事業という名目で税金を使い続けることが目的ですから、事業費増額も工期延長も既得権益に胡座をかきたい一部の人々の目的に合致することになります。
◆2012年5月11日 上毛新聞一面
ー総事業費は4783億円 地滑り対策費上乗せ 八ッ場ダムで国交省ー
国土交通省は10日、2012年度に全国で予定している直轄公共事業の計画を公表した。八ッ場ダム事業(長野原町)ではこれまでの検証結果を踏まえ、基本計画上4600億円としていた総事業費を地滑り対策費などを上乗せして4783億円とした。計画上15年度までの工期については18年度となる可能性も示した。関東地方整備局は「検証結果を反映したが、さらなるコスト縮減や工期縮減の期待的要素は含めない」と述べ、コスト縮減と工期短縮に含みを持たせた。