国交省関東地方整備局による利根川の河川整備計画策定の動き

2012年5月25日

 国土交通省関東地方整備局が利根川水系河川整備計画の策定に向けて動き始めました。
 政府は昨年の暮れ、八ッ場ダム計画を組み込んだ利根川水系の河川整備計画策定を八ッ場ダム本体工事費の予算執行の条件としました。このため、八ッ場ダム本体工事の早期着工をめざす国交省関東地方整備局は、利根川水系の河川整備計画の策定を急いでいます。

 お役所は重要な情報をしばしば休日の前日に公表します。
 本日、関東地方整備局は「利根川・江戸川において今後20~30年間で目指す安全の水準に対する意見募集の実施について」を発表しました。
 関東地方整備局のホームページに記者発表資料が掲載されています。↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000200.html

 今回の発表は、利根川水系の河川整備計画策定の前段階として、治水安全度と目標流量についてパブコメ(パブリックコメント=意見公募)を行うというものです。

 関東地方整備局の案は治水安全度1/70~1/80、洪水目標流量17,000?/秒(八斗島地点)です。
 この数字は2006年11月に利根川水系の河川整備計画の策定作業が開始された時のメニューの数字とは異なります。当時は、治水安全度1/50、洪水目標流量15,000?/秒程度(八斗島地点)でした。
 ところが、八ッ場ダム事業の継続を目指してきた関東地方整備局は、昨年の八ッ場ダムの検証の過程で、八ッ場ダム案が有利になるように洪水目標流量の数字を勝手に変えてしまいました。

 今回の目標流量についてのパブコメは、大きな治水安全度を求める声があることをもって、洪水目標流量17,000?/秒を既成事実化しようという関東地方整備局の思惑があると思われます。

 最近60年間で最大の実績流量は1998年の10,000?/秒程度ですから、17,000?/秒はいかにも過大な値です。

  八ッ場ダムをつくるための過大な目標流量の設定に対してNo!を突きつけましょう。

 ★治水面における八ッ場ダムの問題については、こちらに解説を載せています。↓
 https://yamba-net.org/wp/modules/problem/index.php?content_id=16

●関東地方整備局のHP http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000200.html

 利根川・江戸川において今後20~30年間で目指す安全の水準に対する意見募集の実施について

 ~「利根川・江戸川河川整備計画」における治水対策に係る目標流量について~

1.記者発表資料[PDF:111KB]
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000061906.pdf

2.意見募集要領[PDF:327KB]
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000061901.pdf

意見募集の期間  平成24年5月25日(金)~平成24年6月23日(土)

3.「利根川・江戸川において今後20~30年間で目指す安全の水準についての考え方[PDF:813KB]
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000061902.pdf

~「利根川・江戸川河川整備計画」における治水対策に係る目標流量について~

4.意見提出様式

・PDF形式[PDF:96KB]
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000061904.pdf

・WORD形式[Word:39KB]
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000061903.doc

参考資料
●利根川流域の概要[PDF:857KB]
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000061905.pdf

●八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000192.html

●利根川の基本高水の検証について[外部サイト]
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/mizukokudo03_sg_000062.html

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 関東地方整備局は八ッ場ダムの検証において、昨年10~11月にかけてパブコメを募集しましたが、多くの流域住民の意見は、八ッ場ダム事業に反対する内容でした。こうした事態に対抗するためか、埼玉県の八ッ場ダム推進議連の会長、佐久間実県議(自民党)は、賛成意見の雛形をつくりました。このため、大量の同じ書式の賛成意見が県議会の事務局を通して届けられ、”やらせパブコメ”として社会的な非難を浴びました。しかし、関東地方整備局はこうした批判も、また多くの利根川流域住民の反対意見も黙殺して、八ッ場ダム事業の継続は妥当であるというお手盛りの検証結果を発表しました。
 このような前科のある関東地方整備局による新たなパブコメが本日より一ヶ月弱の期間実施されます。

 ”やらせ”パブコメ事件
 https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1466