維新の会、八ッ場ダムへのスタンスは?

2012年9月11日

 群馬の県内版では、明日、結党を宣言する「日本維新の会」に八ッ場ダムへのスタンスが180度違う国会議員が共に参加することが大きく取り上げられています。

 「維新の会」に走ると報道されているのは、群馬二区選出の石関貴史衆院議員(民主党)と比例選出の上野宏史参院議員(みんなの党)です。
 石関氏は2009年の総選挙で八ッ場ダム反対を掲げて二選を果たした元郵政官僚、上野氏は八ッ場ダム推進の急先鋒として国会でもたびたび八ッ場ダムの早期着工を訴えてきた元経産官僚です。八ッ場ダム反対の議員では、比例選出の中島政希衆院議員(元民主党・無所属)も石関議員と共に維新の会に参加する意向と報道されています。

 上野氏の義父、上野公成元参院議員は建設官僚の出身で、群馬県内の土建業者を支持基盤としてきました。公成氏の後援会組織を引き継いだ上野宏史参院議員も、八ッ場ダム事業の関連会社の支援によって当選しました。そのため、昨年暮れに前田国交大臣(当時)が八ッ場ダム本体工事の再開を伝えるために現地を訪れた時は、現地で地元の小渕優子衆院議員の後援会メンバーらと共に万歳三唱して、ダム推進の立場であることを群馬県内に強くアピールしました。

 石関貴史衆院議員ホームページ
 http://www.ishizeki.jp/

 上野ひろし公式ホームページ
 http://www.ueno-hiroshi.jp/index.html

 下記の新聞報道によれば、上野議員が八ッ場ダムを推進してきた理由は、「費用対効果」と「地元感情」だということです。八ッ場ダムが費用に比べて効果が高いとする資料は、河川官僚がつくったもので、科学的な裏付けがありません。役人のでっち上げた「費用対効果」を何の疑問もなく受け入れる上野氏は、政治家として何をしたいのでしょう。
 ダム推進派は、ダム推進の理由としてしばしば「地元感情」をあげますが、「地元」とは、ダム事業によって有利な立場に立っている「地元有力者」だけを指すのでしょうか。政治の貧しさゆえに、苦悩を強いられている地元の一般住民のことを、上野氏は考えたことがあるのでしょうか。

 ダム反対派の議員も、単に言葉で反対を唱えるだけでは、民主党時代と何も変わりません。「維新の会」の今後を、注意深く見守る必要がありそうです。
 

◆2012年9月11日 朝日新聞群馬版
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000001209110002

 -石関・上野氏、維新に走るー

  民主党の石関貴史衆院議員(群馬2区)、みんなの党の上野宏史参院議員(比例)の2人が離党し、橋下徹・大阪市長が率いる国政新党「日本維新の会」に加わることが確実になった。両氏は9日、維新側の求めに応じて公開討論会に出席し、「維新八策」との考え方の一致を強調。結党を宣言する12日の政治資金パーティーへの参加に向けて、最終調整を進めている。

 9日に大阪市で開かれた「大阪維新の会」の公開討論会は、政党化に不可欠な5人以上の現職国会議員の合流を正当化する場、という意味合いも濃かった。

 両氏を含む「道州制型統治機構研究会」のメンバーら衆参の国会議員7人が出席。橋下氏は「お見合い気分で価値観を確認する場」としたが、議員が論戦を挑む場面は見られず、「維新八策」への共感を強調する発言ばかり。しかも、5時間余りの会の中で、発言機会は石関氏が2回、上野氏は1回しかなかった。

 それでも、橋下氏は「基本方針を確認し合うことができた」と絶賛。終了後、石関氏は「八策に通底するものを共有できた」、上野氏は「価値観については一致をみた」と語った。

 石関氏は、公共事業への意見を求められ、八ツ場ダム問題を絡めて回答。「民主党は八ツ場の予算を削って他に使うと言っていた。でも、完全に逆になっている」と批判。「地域にお金を渡して何に使うかを決める。その一つの対応が道州制だ」と答えた。

 上野氏もうなずいていたが、もともと八ツ場ダム建設は推進派。建設再開を告げに前田武志前国交相が訪れた際も推進派住民らと万歳三唱で歓迎した。だが、「費用対効果や地元感情などから判断した。基本的に費用対効果を踏まえて政治的判断することは、石関さんとも違わない」と言う。

 石関氏も「維新八策」が参加と明記する環太平洋経済連携協定(TPP)に慎重姿勢をとる議員連盟「TPPを慎重に考える会」に名を連ねる。しかし、「私は一度も反対と明言したことはない。何事も慎重に議論すべきなのは、当然のことだ」と説明する。

 橋下代表は9日夜、7人の国会議員に「新党の立ち上げメンバーとして来てほしい」と要請し、議員側も参加の意向を伝えた。上野氏は10日、県内の支援者らに説明して回った。

 みんなの党の比例代表で2010年に初当選した上野氏。党の政策が変わったわけではない。比例の立場での離党について聞くと、「政界再編の実現が結党当時の理念。政策が同じなのに維新の会と一緒にやらないのは、結党当時の理念と異なっているのでは」と話した。(牛尾梓、長屋護)

◆2012年9月11日 毎日新聞群馬版
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20120911ddlk10010222000c2.html

 -秋の政局:県内反応 衆院選へ動き活発化 /群馬
   ◇維新の会に2人合流へ 八ッ場ダムは棚上げー

 大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)が近く発足させる国政政党「日本維新の会」に民主党の石関貴史衆院議員(群馬2区)とみんなの党の上野宏史参院議員(比例)が、合流することになった。11日にも所属政党に離党届を提出する見通し。2人は9日、維新が大阪市内で開いた「公開討論会」に出席。八ッ場ダムの賛否など、個別の政策で折り合わない部分もあったが、「基本的な価値観の一致」を確認したという。

 討論会は、教育や経済政策、道州制などをテーマに、橋下氏ら維新幹部が国会議員と首長に質問する形で進行。公共事業のあり方を巡り、ブレーンで元経産官僚の古賀茂明氏が「八ッ場ダムをどう考えるか」と聞いた。

 回答は、ダム反対を訴えてきた石関氏が担当。民主党政権のダム建設再開を「(ダムを)削って必要なことにお金を使うと言っていたのに、全く反対」と批判し、利水・治水効果も「減っている」と述べたが、「(道州制にして)住民が予算の使い道などを決める」という提案にとどめた。

 一方、ダム建設再開を求めてきた上野氏は討論会の後、取材陣に「(石関氏は)反対ということでないと思う。要は、効果もコストも計測して(必要性を)判断する。その部分で相違はない」と語り、共通性を強調した。

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