映画「阿賀に生きる」リバイバル上映ー11/24~、東京・渋谷

2012年10月23日

 新潟・阿賀野川流域に暮らす人々の逞しい生命が描かれた傑作ドキュメンタリーが20年ぶりに上映されることになりました。

 http://kasamafilm.com/aga/
 11月24日より、東京・渋谷のユーロスペース
 特別鑑賞券(1,200円)を劇場窓口、チケットぴあ、プレイガイドで発売中

 阿賀野川流域住民の日常生活を三年がかりで撮影したこの映画は、名だたるドキュメンタリー映画祭で最高賞を次々獲得。新潟水俣病という社会的なテーマを根底に据えながらも、そこからはみ出す人間の命の賛歌をまるごと収め、世界中に大きな感動を与えました。

 この映画の製作委員会代表を務めた大熊孝さんは、八ッ場あしたの会の代表世話人であり、現在、利根川有識者会議の委員として、河川工学の立場から八ッ場ダムをはじめとする利根川治水の問題を訴えています。
 映画『阿賀に生きる』と八ッ場ダム問題は、根底で繋がっています。

 映画のホームページに掲載されている大熊さんの言葉を転載します。
 http://kasamafilm.com/aga/comment/
 
  私はこの『阿賀に生きる』を何回見たことでしょう。私の専門は河川工学・土木史ですが、この映画を見るたびに多くのことに気づかされてきました。
 たとえば、あの「鉤流し」漁をどう評価するかです。竹竿につけた鉤で手探りで鮭を引っ掛ける漁法。あれほど見事な「自然との共生」の技術はないと思います。一網打尽の漁法とは異なります。腕が良くなければたくさん獲れないし、必ず獲り残しがあり、それは自然産卵し、また熊などの餌になるわけです。熊などがそれを食べ散らかせば、海のミネラルが森に散布され、森が豊かになります。
 このことはカナダのトム・ライムヘン教授が15年ほど前の研究で明らかにしたことですが、鮭という字は旁に土が二つあり、中国人はもしかしたら鮭などが森の土を豊かにすることを知っていたのかもしれません。森が海を豊かにすることは、「森は海の恋人」という気仙沼から発信されたフレーズで知れ渡りましたが、その逆も有るということです。
 『阿賀に生きる』では水田耕作の映像が良く出てきますが、「鉤流し」や「風の話」などは自然と共生していた「縄文人の心」が伝えられてきたものだと思います。縄文時代以来長く自然と共生してきた日本人を単純に弥生時代以降の農耕民族と決め付けることはできません。
 『阿賀に生きる』は、川との共生を忘れ、川を収奪しきった近代技術の問題点をあぶり出し、もう一度「自然と共生する」なかに我われの豊かさがあることを教えてくれています。
 この映画は本当に奥深いと思います。