政府の来年度予算案について、佐賀県では概算要求したものの減額、見送りのケースが多かったとのことです。
国交省九州地方整備局が佐賀県で進めている城原川(じょうばるがわ)ダムは、来年度は建設段階へ移行することになっており、政府予算案では5億3000万円が計上されました。
しかし、城原川ダムは「ダム完成まで13年間程度、総事業費約485億円を見込む」ということですから、計画通りに進んでも完成は遠い先の話です。
城原川ダム事業の主な目的は城原川の洪水調節です。このダム事業は昭和46年度に予備調査が開始されており、今に至るまで治水対策の用をなしていません。
◆2017年12月23日 佐賀新聞
http://www.saga-s.co.jp/articles/-/163025
ー県関連予算案 目立つ見送り、減額18年度ー
県関連予算案 目立つ見送り、減額
政府が22日に閣議決定した2018年度予算案は、佐賀県が抱える国政課題に関し、概算要求したものの計上を見送るなどのケースが目立った。国営諫早湾干拓の問題では開門によらない和解のための基金100億円を要求したが、予算化しなかった。佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画では整備費14億円の要求を3千万円に大幅減額した。主な県関係事業をまとめた。
■諫早湾干拓の開門問題
和解基金100億円計上せず
政府は国営諫早湾干拓事業の開門をしない代わりに創設する和解のための基金として概算要求に盛り込んでいた100億円の予算計上を見送った。斎藤健農相は「訴訟で和解協議の場が設けられていない。関係者間で基金の受け入れや金額の合意が得られていない」ことを理由に挙げた。
4月、政府は開門の差し止めを命じた長崎地裁判決の控訴を見送り、開門せずに漁業振興の基金で和解を目指す方針を示した。これに沿って、2010年の福岡高裁確定判決で開門の義務を負って以降、初めて開門対策経費の予算を計上しなかった。
一方、有明海特措法に基づく再生対策は、事業の大半が17年度に3年計画の最終年度を迎えたものの、引き続き例年通り約18億円を付けた。開門するまで国が漁業者に払い続ける「間接強制」の制裁金は1日90万円の1年分3億2800万円を予算化した。
■新幹線長崎ルート
フリーゲージ開発費1億円減
長崎ルートに導入予定だったフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の開発費は前年度1億円減の9億円を計上した。走行試験で見つかった車軸の摩耗対策として、7月の専門家による技術評価委員会はメッキを厚くするなどの対策を了承。国交省は「新たな対策を講じた車軸で台車回転試験を実施するための予算」としている。
ただ、対策には年単位の時間を要するとされ、一般の新幹線に比べて2倍前後かかるコストに関しては解決策がない状況。整備方針を決める与党検討委員会は全線フル規格と在来線の幅を広げるミニ新幹線について検討を始めている。
在来線と新幹線を乗り継ぐリレー方式での2022年度暫定開業が迫る中、工事が本格化している武雄温泉-長崎間の整備事業費は前年度から30億円増の830億円を盛り込んだ。
■城原川ダム建設
調査測量や設計、5億円
事業継続が決まった城原川ダム(神埼市)は実施計画調査から18年度は建設段階に移行する。ダム本体の調査測量や付け替え道路の設計に5億3000万円を計上した。ダム完成まで13年間程度、総事業費約485億円を見込む。
山口祥義知事は「40年以上の長きにわたり翻弄(ほんろう)されてきた地元に思いをはせると万感の思い」とのコメントを発表した。