3つのダム再生事業についての記事

昨年6月に策定された「ダム再生ビジョン」に基づき、雨竜川ダム(北海道)、矢作ダム(愛知県)、早明浦ダム(高知県)の再生事業が2018年度予算で実施計画調査の予算として盛り込まれました。

 ダム再生事業はダム建設業界の生き残り策でもあります。この3つのダム再生事業についての記事をお知らせします。

◆2017年12月27日 日経コンストラクション
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/atcl/cntnews/15/01073/
ー既存ダムを再生して有効活用、新規に3事業ー

 国土交通省は既存のダムの機能を強化する「ダム再生事業」を加速する。新たに3つのダム再生事業に着手するため、2018年度の予算案に調査費などを盛り込んだ。ダム再生事業を始める都道府県に対しては、計画策定を交付金で支援する。

2018年度予算案に盛り込んだ新規のダム再生事業(資料:国土交通省)
 国交省が12月22日に発表した。同省は、既存のダムを有効活用するため、ソフトとハードの両面から改良を加えて機能強化する方策を示した「ダム再生ビジョン」を今年6月に策定している。新規のダム再生事業着手は、ビジョン策定後初めて。

 新たに予算を計上したのは、雨竜川ダム(北海道幌加内町)、矢作ダム(愛知県豊田市、岐阜県恵那市)、早明浦ダム(高知県本山町、土佐町)の3事業。いずれも、洪水調節機能を強化する。

 雨竜川ダム再生事業は、北海道電力が発電用に設けた雨竜第1ダムと雨竜第2ダムが対象。両ダムの利水容量の一部を洪水調節に振り替える。さらに、第2ダムの提体を2.4mかさ上げし、振り替え分を含め両ダム合計で約2500万m3の洪水調節機能を付加する。総事業費は、容量の買い取り費用とかさ上げ費用を合わせて約190億円と見込む。

 矢作ダム再生事業では、愛知県側のダム湖左岸側にトンネル式の放流設備を増設して、放流量を毎秒1300m3から2500m3に増やし、洪水調節機能を強化する。総事業費は約390億円。

 早明浦ダム再生事業は、利水容量の一部振り替えと予備放流方式の導入で、洪水調節容量を現行の9000万m3から1億700万m3に増やす。さらに、既存の提体に放流設備を増設することで洪水調節機能を増強する。総事業費は、約400億円を見込んでいる。

 各ダム再生事業と併せ、予算案に「ダム再生計画策定事業」の創設を盛り込んだ。社会資本整備総合交付金の枠組みに設けている堰堤改良事業の対象を拡大し、都道府県がダム再生計画を策定する際に必要な調査業務などの費用を交付金で支援する。国費率は事業費の2分の1。河川管理のためのダムが対象で、農業用のため池は対象外となる。

 山崎 一邦=フリーライター [日経コンストラクション]