リニア中央新幹線のトンネル工事による大井川水系の流量減少についての記事をお伝えします。
この工事による大井川水系の流量減少は、以前から毎秒2トンとされていますが、その2トンの根拠が不明です。実際にはこの流量減少がもっと大きくなる可能性があります。
◆2017年12月26日 毎日新聞静岡版
https://mainichi.jp/articles/20171226/ddl/k22/020/187000c
ーリニア中央新幹線 トンネル工事 中部電も影響注視 水力発電所、大井川水系流量減少? 測定法などJR東海と協議 /静岡ー
リニア中央新幹線のトンネル工事を巡り、大井川水系の流量の減少が懸念される中で、中部電力も自社への影響の有無を注視している。大井川水系に、複数の水力発電所を抱えるためだ。実際に発電量が下がる恐れがあるのか判断するため、影響を測定する方法などをJR東海と協議している。【奥山智己】
計画されているトンネル工事は、県内では静岡市葵区の南アルプスの地下を通る長さ約11キロ。大井川水系の源流部を横切る格好になるため、JR東海は地下水がトンネル内に湧き出るなどして、大井川水系に流れ込むはずの水が最大で毎秒2トン減ると予測する。
対策として、漏れ出した水をトンネルから畑薙(はたなぎ)第1発電所の上流側に位置する椹島(さわらじま)で戻す導水路トンネルを建設するとしている。導水路トンネルは約11キロで、高低差を利用したりポンプでくみ上げたりして戻す。
一方、中部電力は大井川水系に13の水力発電所と30カ所のダムを抱える。JR東海の対策が功を奏して畑薙第1発電所の所で水量が戻ったとしても、椹島より上流部でも取水している赤石発電所と二軒小屋発電所では、これまでのような流量が確保できるか不透明だ。
このため、上流部への影響について、根拠となるデータをどのように把握するのか、JR東海と既に協議を開始。両社が同意したら、その測定方法で調べて発電量が下がるのか見定める。中下流域の影響については、県が事務局を務め、中部電力も加わる大井川水利調整協議会がJR東海と話し合っている。
中部電力の勝野哲社長は11月の記者会見で、流量に影響が出た場合の補償に関して質問され「(JR東海と)何らかの協議をすることも出てくる」と述べている。ただ、現段階で具体的な話はないという。大井川水系への影響について、JR東海広報部は「中部電力、協議会とも丁寧に協議していきたい」としている。