川辺川ダム事業が止まり、荒瀬ダムが撤去され、脱ダムの先進県と言われる熊本県ですが、立野ダム事業は強行されています。今月1日、本体建設一期工事の開札が行われ、入札結果が報道されています。
立野ダムは国交省九州地方整備局の直轄事業です。一昨年の熊本地震では、立野渓谷の阿蘇大橋が崩落し、水没予定地の大半が崩れ、立野ダム建設の危険性を訴える声が高まっていますが、事業は止まる気配がありません。
立野ダムの建設目的は洪水被害の軽減(治水)とされますが、熊本県の市民運動は治水面で不要な立野ダムが世界に誇る阿蘇の自然を破壊して強行されていることに抗議しています。
以下の文字列をクリックしていただくと、立野ダム問題を指摘してきた熊本県の複数の団体が連名で国交省に送った要請書が開きます。
★「立野ダム工事を一旦中止し、県民に十分説明することを求める要請書」(2017年11月15日)
国交省九州地方整備局は川辺川ダムの事業主体でもありますが、川辺川ダム事業は現在止まっています。川辺川ダムは西松建設が受注するだろうと言われていました。ダムの利権集団にとって、立野ダムは川辺川ダムの代替なのでしょうか。
◆2018年2月7日 日刊建設工業新聞
http://www.decn.co.jp/?p=97373
ー九州整備局/立野ダム建設一期(熊本県大津町、南阿蘇村)/西松建設JVに ー
九州地方整備局は、1日に一般競争入札(WTO対象)を開札した「立野ダム建設(一期)工事」の落札者を107億円で西松建設・安藤ハザマ・青木あすなろ建設JVに決定した。
工事概要は曲線重力式コンクリートダム(堤高約90メートル、堤頂長約200メートル)、基礎掘削約58万立方メートル(全体約58万立方メートル)、堤体工打設約3万立方メートル(全体約35万立方メートル)、減勢工打設約1万6000立方メートル(全体約5万立方メートル)、基礎処理工約7万1000メートル(全体約12万メートル)。主要資機材はセメント(フライアッシュ含む)約1万9000トン、粗骨材約6万8000トン、細骨材約2万5000トン。
工期は21年3月31日。場所は左岸が熊本県大津町外牧地先、右岸が南阿蘇村立野地先。
同ダムは洪水調節専用ダム(流水型ダム)。16年度の本体着工を予定していたが、16年4月の熊本地震で工事用道路などが被災したため着工を先送りしていた。22年度の完成を予定している。