八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

2018年度の各ダム事業の予算額と予算額の推移

 2018(平成30)年度の各ダム事業の予算額が決まりました。
 国交省のホームページを見ると、36事業を並べた以下の表があり、相変わらずダム事業に巨額の予算が付いていることがわかります。

 国土交通省所管ダム事業一覧【直轄・水資源機構】
 http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h28/h28damyosan.pdf

 補助ダム(国の補助金で都道府県がつくるダム)の2018年度予算は、事業実施箇所(当初配分)の中に示されています。
 http://www.mlit.go.jp/page/kanbo05_hy_001526.html

 例えば、石木ダムについては「長崎県」の文字をクリックすると、最初に道路局の予算、次に国土保全・水管理局の予算が書かれており、10ページの表に石木ダムの事業費が7.63億円とあります。この表に書かれている「共同費」とは、利水予定者である佐世保市などの負担金を含めた金額という意味です。

 2018年度の国直轄ダム・水資源機構ダムの予算額の計は1,837億円、補助ダムの予算額の計は507億円、合計2,343億円です。

 
 八ッ場ダム事業の予算額の推移は以下の通りです。民主党政権時代は八ッ場ダム事業が止まっていたという誤った情報がありますが、事業が続いていたことは予算額を見てもわかります。八ッ場ダムの事業費の多くは道路や鉄道の付替えなどのダム関連事業に費やされており、ダム本体の工事費は事業費全体の1割以下です。

 2009年度ー225.00億円
 2010年度ー154.50億円
 2011年度ー152.84億円
 2012年度ー116.78億円
 2013年度ー97.52億円
 2014年度ー99.31億円
 2015年度ー119.25億円、
 2016年度ー222.32億円
 2017年度ー346.11億円
 2018年度ー434.90億円

 地元住民による強固な反対運動が全国に支援の輪を広げている長崎県の石木ダム事業の予算額の推移は以下の通りです。

 2009年度ー2.77億円
 2010年度ー3.00億円
 2011年度ー2.97億円
 2012年度ー3.00億円
 2013年度ー8.40億円
 2014年度ー14.90億円 
 2015年度ー9.20億円  
 2016年度ー1.20億円  
 2017年度ー5.88億円 
 2018年度ー7.63 億円

 以下の文字列をクリックすると、各ダム事業の2009~2018年度の予算の推移を表に整理したものが表示されます。
 八ッ場ダムは国直轄ダム等の表に、石木ダムは補助ダムの表にあります。

 ★国直轄ダムと水資源機構のダム事業の予算額の推移(2009~2018年度)
  https://yamba-net.org/wp/wp-content/uploads/2018/04/454aeebf8a0c942bbf8fb62ab955c9ef.pdf

 ★補助ダムの予算額の推移(2009~2018年度)
  https://yamba-net.org/wp/wp-content/uploads/2018/04/733fac196a97144955069ce5af9adf94.pdf

写真=八ッ場ダム水没予定地に今も湧き出している川原湯温泉の旧源泉湧出口周辺。共同湯・王湯の浴槽跡や解体された旅館跡が見える。ダム湛水前に源泉保護対策が実施されることになっている。

写真=湖面橋となる八ッ場大橋よりダム建設地のある名勝・吾妻峡を望む。橋の両岸には川原湯地区と川原畑地区の水没住民の移転代替地があり、水没地には代替地の安全対策のために本体工事の掘削土が盛り立てられている。