八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

国立社会保障・人口問題研究所による『日本の地域別将来推計人口』

 国立社会保障・人口問題研究所が今年3月30日に『日本の地域別将来推計人口』(平成30(2018)年推計)を発表しました。
 http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson18/2gaiyo_hyo/gaiyo.asp

 2015年までの国勢調査の結果に基づき、2020~2045年の人口を推計したものです。
 八ッ場ダム事業の主目的は、水需要の増加を前提とした都市用水の開発(水源開発)です。八ッ場ダムに参画している利根川流域6都県の人口を見ると、
 一極集中が進む東京都は、2045年の人口は2015年とほぼ同じですが、他の5県は確実に減っていきます。
 埼玉県、千葉県は2045年の人口が2015年の90%以下まで減ります。
 茨城県、栃木県、群馬県は2045年の人口が2015年の80%以下まで減ります。

 利根川流域都県は現在でも水需要をはるかに上回る水源をすでに確保しているのですが、人口増加による水需要の増加を見込んで八ッ場ダム事業に参画しています。利根川流域では国が八ッ場ダム以外にも、思川開発(南摩ダム)事業、霞ヶ浦導水事業を進めています。このように人口が確実に減っていく時代にあって、これらの水源開発事業が必要であるはずがありません。

 地元住民を核とした反対運動が高まっている石木ダムも水源開発事業です。事業に参画している佐世保市の場合、2045年の人口が2015年の80%以下まで減ります。どう見ても、石木ダムは佐世保市水道にとって無用の長物です。

 ダム等事業に参画しているその他の自治体の人口の将来推移を調べたい方は以下の表をご覧ください。
 都道府県市町村別の人口推計2020~2045⇒https://yamba-net.org/wp/wp-content/uploads/2018/04/36c0c2585789cbed46622d53e62f993a.xls

 関連記事を転載します。

◆2018年3月31日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201803/CK2018033102000148.html
ー全都道府県 2030年人口減 45年将来推計 市区町村では9割超ー

 国立社会保障・人口問題研究所は三十日、二〇四五年までの都道府県や市区町村別の将来推計人口を発表した。東京や沖縄の人口増は三〇年まで続くが、その後減少に転じ、全ての都道府県で人口が減っていくと試算。総人口は二千万人減の一億六百四十二万一千人となり、秋田が四割以上減るなど東京を除く四十六道府県で一五年よりも少なくなる。市区町村の94・4%で人口が減り、四割以上減るところも40・9%に上った。

 約五年に一度、国勢調査や想定される出生率などを基に地域ごとの推計人口を算出する。近年の出生率の上昇を受け、一三年の前回発表と比べて減少ペースは緩和したものの、六十五歳以上の割合は全ての都道府県で三割を超えるとされ、少子高齢化の傾向は変わらない。

 同研究所は昨年四月、国勢調査などを基に六五年の人口を八千八百八万人とする推計を発表。今回発表された推計値の合計はその時に発表された四五年の推計人口と合致する。

 今回の推計では、二〇年以降も増えるのは東京、沖縄だけだが、この二都県も三〇~三五年の間に減少に転じる。前回発表では、全都道府県で減少するのは二〇~二五年とされていたが、時期が十年先延ばしとなった。

 一五年人口を一〇〇とした場合の四五年人口を示す指数をみると、日本全体は八三・七(減少率16・3%)。人口減が著しいのは秋田の五八・八(同41・2%)。青森の六三・〇(同37・0%)、山形と高知の六八・四(同31・6%)が続いた。増加するのは東京の一〇〇・七(増加率0・7%)だけだった。

 大都市圏への流入も進み、総人口に占める割合は東京が12・8%、神奈川が7・8%、大阪が6・9%。四人に一人が住むようになる。

 四五年に六十五歳以上の割合が高くなるのは、秋田の50・1%、青森の46・8%、福島の44・2%。低いのは東京の30・7%、沖縄の31・4%、愛知の33・1%。