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愛媛県・肱川流域、大洲市でも住民説明会と被災者の会

 西日本豪雨の際。愛媛県の肱川の流域では、野村ダムと鹿野川ダムの緊急放流で大きな犠牲が出ました。
 5人の死者が出た野村ダム直下では、8月に国交省と地元自治体の西予市の共催で住民説明会が開かれましたが、責任回避に終始する国交省の姿勢に被災者の怒りが高まっており、27日には野村ダムの放流を検証する住民の会が発足しました。
 一方、鹿野川ダム下流の大洲市では、8月21日に市議会で国交省の担当者が大量放流をした鹿野川ダムの操作について説明したとのことですが、一般住民に対する説明は行われていませんでした。
 地元紙によれば、大洲市でも被災者の会が発足しており来月9月には、大洲市民を対象とした住民説明会が三回開催されることになったということです。

◆2018年8月29日 愛媛新聞
http://ur2.link/LK5D
ー愛媛豪雨災害 鹿野川ダム洪水時操作 大洲市が9月に住民説明会ー

  大洲市は28日の市議会議員全員協議会で、国土交通省山鳥坂ダム工事事務所との共催で西日本豪雨に関する住民説明会を9月に3回開催すると明らかにした。鹿野川ダムでの異常洪水時防災操作や住民への避難情報提供などを説明する。

 菅田、大川両地区は18日、菅田小学校体育館(菅田町菅田)。柚木地区から下流域は20日、市総合福祉センター(東大洲)。旧肱川町地域は21日、市立肱川風の博物館・歌麿館(肱川町予子林)。いずれも午後7時から開始する。市から二宮隆久市長や幹部、国交省からは小長井彰祐事務所長や四国地方整備局の担当者らが出席する予定。問い合わせは市災害対策本部=電話0893(24)2111。

 市は協議会で、市長を本部長とする市復興支援本部と、企画政策課内に市復興支援室を9月1日付で設置することも説明。豪雨災害を検証し、治水対策を進めるとして同日付で、元市建設部長の二宮勝氏(64)を参与に任命する。

 市人事課によると、復興支援室は同課職員4人が兼務し、復興計画の策定などを担当する。参与は非常勤特別職で、肱川水系河川整備計画や国、県との連絡調整などが特命事項。

 9月1日付人事は次の通り。
 【課長級】企画政策課長・復興支援室長(企画政策課長)山尾淳志【課長補佐級】同課長補佐・政策係長・同室次長・支援調整係長(同課長補佐・政策係長)井上朋昭【専門員級】同課専門員・道の駅構想推進担当・企画係長・行政改革推進係長・同室支援調整担当係長(同課専門員・道の駅構想推進担当・企画係長・行政改革推進係長)谷野秀明

◆2018年8月30日 愛媛新聞
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201808300063
ー愛媛豪雨災害 大量放流「避けられた」 ダム考える会が大洲で会合ー

  西日本豪雨で7月7日朝、国土交通省が鹿野川ダム(大洲市)、野村ダム(西予市)で緊急放流した後、下流で浸水被害が発生し計8人が死亡したことを受け、被災した住民らでつくる「ダム放流を考える大洲市民の会」は29日、大洲市東大洲の市総合福祉センターで会合を開いた。呼び掛け人の奥島直道弁護士(愛媛弁護士会)が講演し「大量で急激な放流は避けられた。国交省の周知の仕方はお粗末だ」と批判した。

 奥島弁護士は、放流で急激な水位の変動が生じないよう鹿野川ダム操作規則で定めているのに、7月7日朝の放流量は20分で2倍以上、40分後には3倍以上になったと説明。国交省は規則通りに操作したと説明しているが、異常事態に応じて操作をすれば「段々と水位が上昇し死者は出なかった」と主張した。

 国交省は住民に浸水がどこまで広がるかを伝えておらず「周知したとは言えない」と指摘。「死者が出ることを国交省は予測できたはずで、国家賠償の対象になりうる」と述べた。

 住民からは「大洲市がもっと早く避難指示を出していれば警察、消防も動いて死者が出なかったのではないか」「治水のためには河道の掘削を進めるべきだ」などの意見が出た。

 会合には市民ら約25人が出席。9月に市と国交省が開く住民説明会までに会で質問をまとめ、説明会で回答を求めることを決めた。

◆2018年8月29日 日経BP
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00372/082700040/
ー2018年7月列島縦断豪雨 ダム放流の被害予測を市に伝えず、避難指示の判断遅れかー

 西日本豪雨で愛媛県の肱川上流にある鹿野川ダムが7月7日に緊急放流を開始する前、国土交通省のダム管理所が放流後の浸水面積などを予測していたのに、市に伝えていなかったことが分かった。

  ダム管理所は7月7日午前6時30分、1時間ほど後に緊急放流を開始すると午前10時30分に肱川の水位が最高の8.15mに達し、大洲市内で最大1140haにわたり1777棟が浸水すると予測していた。

 しかし、緊急放流前の午前6時50分にホットライン(直通電話)で市と連絡を取った際、予定時刻や放流量は教えていたが、被害予測は伝えていなかった。市は、前例のない大きな放流量に被害のイメージが湧かず、住民への避難指示発令の判断を先送りにした。市が避難指示を出したのは、緊急放流のわずか5分前の7時30分だった。

 大洲市では、主に肱川の水位を基に避難指示などの発令を判断している。今回、市が発令したきっかけは、肱川の水位が最高で8.15mに達するとの予測だった。

 市は水位予測の情報を、ダム管理所ではなく国交省大洲河川国道事務所から午前7時7分にメールで受け取った。もし、市が6時50分のホットラインで水位予測を聞いていれば、避難指示発令をより早く判断できたと考えられる。  (以下、有料記事)