国が一旦は凍結した淀川水系の大戸川ダム計画。
地元・滋賀県の三日月大造知事は、前任の嘉田由紀子氏の脱ダム路線を踏襲するとしながら、今年6月の知事選で自民党の支援を受けるため、凍結解除に向けて動き出しました。
滋賀県は大戸川ダム再開を前提に、今年5月に「今後の大戸川治水に関する勉強会」を設置し、9月4日に県の公式サイトに勉強会のページを設けました。(右画像=同サイトより)
http://www.pref.shiga.lg.jp/ha04/kouikikasen/daidogawa/benkyoukai.html#(1)
これに対して、大戸川ダム中止をめざしてきた人々は危機感を強めており、昨日は今本博健京大名誉教授による講演会が、ダム建設地の大津市で開催されました。今本先生は国交省近畿地方整備局が設置した淀川水系流域委員会の主要メンバーとして、専門の視点から大戸川が不要であることを明らかにしてきた河川工学者です。
◆2018年9月17日 中日新聞滋賀版
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20180917/CK2018091702000003.html
ー大戸川ダムについて考える集会 大津で京大名誉教授が講演ー
国が建設を凍結している大戸川ダム(大津市)について考える集会が十六日、同市浜大津四の明日都浜大津で開かれた。河川工学が専門の今本博健京都大名誉教授が講演し、「ダムを造っても水害はなくならない」と主張した。
県が五月に同ダムの勉強会を開いたことを受けて、市民団体「びわ湖の水と環境を守る会」が集会を企画した。
今本名誉教授は、ダムは大戸川下流の治水効果よりも、淀川の流量を低下させることを目的とした「淀川本川ファーストの視点に立ったものだ」と指摘。大津市の洪水・内水ハザードマップを参考に、ダムによって大戸川氾濫による浸水を軽減しても、支川や水路などからあふれる水による被害はなくならないとし、「治水効果は希薄であり、建設は中止すべきだ」と訴えた。(芳賀美幸)