山形県の最上小国川ダム事業。清流を残したいと抵抗した漁協組合長が自死に追い込まれ、多くの釣り人が反対する中、強行されてきた事業は、ダムのコンクリート打設率が9割に達し、2019年度の完成を目指しているとのことです。
コンクリート打設率、完成予定年度ともに八ッ場ダム事業と同じですが、最上小国川ダムは平時は水を貯めない穴あきダムです。
右の図は山形県の公式サイト「最上小国川ダムホームページ」の「最上小国川流水型ダムの紹介」のページに掲載されている「最上小国川の流域図」ですが、集水面積が流域の9.3%しかなく、「治水」がダム建設の名目でしかないことがわかります。
最上小国川ダムに反対する市民運動では、「治水対策」として河道掘削を中心とした河道改修が最も現実的で治水効果も高いとしてきました。最上小国川ダム事業では事実が幾重にも捻じ曲げられていることを、以下のスライドが丁寧に解説しています。(右画像=スライド47)
http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2014/05/e3be6edc21aac485ce6ddd67cc003516.pdf
水源開発問題全国連絡会 「最上小国川ダムは必要か」(嶋津暉之)
◆2018年11月9日 山形新聞
http://yamagata-np.jp/news/201811/09/kj_2018110900175.php
ー進捗は9割、全体像見えた 最上小国川ダム、完成は19年度内ー
県が最上町富沢に建設中の最上小国川ダムは、堤体(ダム本体)のコンクリート打設工事の進捗(しんちょく)率が9割以上に達し、ダムの全体像が見える状態になった。打設工事は今月中に終了する見込みという。
同ダムは東北で初めての平常時は水をためない流水型(穴あき)ダム。最上小国川のアユの生息環境への影響を憂慮して建設に反対してきた小国川漁協(舟形町)などと県が協議を重ねてきた経緯がある。
堤体工事は2015年2月に始まり、堤高は今年10月末現在、予定の41メートルまで約2メートルを残すまでとなった。打設工事終了後は、堤体上部への橋の設置や管理棟の工事を進める。12日に施工業者が地元住民向けの現地説明会を開く。
県最上総合支庁によると、8月上旬の豪雨で給排水設備などが水に漬かるなどし、工事が1カ月ほど遅れた。安全性を確認するための試験湛水(たんすい)は、予定していた本年度内の開始が難しくなり、日程を調整中。ダムの完成は19年度内を目指している。