長崎県の石木ダム事業では、ダム予定地に13世帯の住民が暮らしを営んでいますが、県はダム事業推進の姿勢を変えていません。
長崎県はダム行政の先例に倣い、既成事実を積み重ねることで世論の関心が薄れることを狙っているようです。来年度予算では、本体工事費を盛り込んだことを発表したものの、いくら盛り込んだのか、「本体工事費」の中身は具体的にどのような工事なのか、マスコミの追及を避けるために伏せてきたことが厳しく批判されています。実際のところ、「本体工事費」と県が県議会で説明した工事は、一般に本体工事のカテゴリーに入る工事ではありませんでした。
群馬県でも、八ッ場ダム予定地の住民がダムに反対している頃は、ダム事業を推進する行政側の問題を新聞が詳しく取り上げていました。
◆2019年3月21日 長崎新聞
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ー石木ダム本体工事費で回答に差 知事「好ましくない」ー
県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダムの本体工事費を、県が報道機関の取材に明らかにせず県議会の委員会質疑で示したことを巡り、中村法道知事は18日の定例会見で「議会だから県民の皆さんだからと(県が回答内容に)差をつけるのは本来、好ましくない」と述べた。
県は新年度一般会計当初予算に石木ダムの関連事業費として19億1800万円を計上。しかし、2月に当初予算案を発表した際の取材には、ダム本体工事費の金額を「言えない」としていた。3月の県議会委員会での総括質疑では約5億円と示した。県河川課は同日、4月上旬ごろ国が補助額を決めるまでは事業費が大きく変わる可能性があるとして「当初予算案の発表段階では内訳費用は公表を差し控えた。議会で問われたので答えた」と説明した。
また反対派の市民団体が求める公開討論会について知事は「さまざまな説明をする機会を設けてきたし現在、訴訟になっている。こういった状況で公開討論会をするのはいかがなものか」との見解を示した。