昨年7月の西日本豪雨では岡山県倉敷市真備町を流れる高梁川支流の小田川が氾濫し、犠牲者が50名を超える大水害となりました。
この水害について、被災者が国や自治体の責任を問う裁判の準備が進められています。
さる6月15日にその説明会が開かれたことが報道されています。同様の説明会は6月30日、7月9日にも開かれるとのことです。
国土交通省の責任として最も問われなければならないことは、小田川と高梁川との合流点を高梁川の下流側に付け替える事業を半世紀近くも先送りしてきたことです。この付け替え工事が早く行われていれば、合流点の水位が4.2メートルも下がるとされ、昨年の豪雨で小田川が氾濫しなかった可能性が高いと考えられます。小田川合流点の付替え工事は、昨年の水害を受けて予算がつき、今夏から始まる予定です。
参照➡「昨夏の西日本豪雨で決壊した、小田川の付替え工事着工式」
◆2019年6月15日 瀬戸内海放送
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190615-00010003-ksbv-l33
ー西日本豪雨の被災者に訴訟への参加を呼び掛け 倉敷市真備町ー
西日本豪雨被害の責任を明らかにしようと、倉敷市で、弁護団が被災者らに対し訴訟への参加を呼びかけました。
西日本豪雨で起きた水害について、住民から、国や県などに賠償を求めたい、という声を受けて結成された真備水害訴訟弁護団が説明会を開いたものです。弁護団は、河川管理や避難誘導などに行政の過失があったかなどを検証し、訴えを起こすことにしています。
説明会では、弁護団に所属する弁護士が訴訟で請求する損害の内容や、裁判の期間、費用などについて、集まった被災者に説明しました。
(住民はー)
「補償とかいうよりも原因を明らかにしてもらいたい」
真備水害訴訟説明会は6月30日と7月9日にも開かれます。
(真備水害訴訟弁護団 金馬健二 団長)
「訴訟のイメージを十分つかんでいただいた上で、原告になられるかどうか決意・決断していただく9月くらいには提起したいなと思っているところです。」
◆2019年6月16日 毎日新聞岡山版
https://mainichi.jp/articles/20190616/ddl/k33/040/247000c
ー西日本豪雨 県内弁護士ら、住民に訴訟説明会 国の責任追及へー
西日本豪雨での大規模な浸水被害について、国や自治体の責任を問う裁判の準備を進めている県内の弁護士らが15日、倉敷市玉島文化センターで訴訟説明会を開いた。
住民ら約50人が参加。弁護士らは、ダムの事前放流や小田川の付け替え工事が先送りにされてきたことなど河川管理が不十分だったとして国などの責任を追及していく方針を示し、訴訟費用や期間、損害の算出方法などについて説明。
参加者からは「裁判は復興への取り組みの一つ。復興に向けて活動する地域住民団体と連携を図るべきだ」などの意見が出た。
真備町地区の自宅1階が浸水し、現在は改修を終えた会社員の小川聡さん(67)は「訴訟に参加してこの水害が天災だったのか人災だったのかはっきりさせたい。二度と同じことが起きないようにしてほしい」と話した。
原告の対象は、倉敷市真備町地区または総社市下原地区で水害に遭った人、もしくはその家族。県内約20人の弁護士で「真備水害訴訟弁護団」を結成し、昨年から準備を進めている。
同様の説明会は30日に総社市民会館、7月9日に倉敷市民会館でも開く予定。問い合わせは賀川法律事務所(086・234・8977)。【戸田紗友莉】