昨夏の西日本豪雨で決壊した、小田川の付替え工事着工式

 昨年7月の西日本豪雨では、岡山県倉敷市真備町を流れる高梁川支流の小田川が大氾濫し、50名を超える方が亡くなりました。水位が高まった高梁川が支流の小田川の流れをせき止める「バックウォーター現象」が起き、小田川の水位が上昇して小田川で決壊・溢水が起きたためです。
 小田川と高梁川の合流点周辺は、ハザードマップでも浸水が想定され、付替え工事が何十年も前から計画されながら、工事未着手の昨夏、豪雨に見舞われました。

 小田川と高梁川との合流点を高梁川の下流側に付け替える工事の着工式が行われたとのニュースが流れています。真備緊急治水対策プロジェクトのメイン工事で、本格的な着工は8月になるとのことです。
 この付け替え工事もっとが早く行われていれば、合流点の水位が4.2メートルも下がる効果がありますので、昨年の豪雨で小田川が氾濫しなかった可能性が高いと考えられます。昨年の西日本豪雨は、河川行政が流域住民の命と暮らしを守るという本来の目的を見失っていることを示唆するものでした。

★国土交通省中国地方整備局岡山河川工事事務所ホームページより
 「小田川合流点付替え事業」

◆2019年6月16日 山陽新聞
https://www.sanyonews.jp/article/909510
ー小田川付け替え事業19年夏着工 倉敷で式典、23年度末完成目標ー

 西日本豪雨で堤防が決壊した小田川と高梁川との合流地点を付け替える事業の着工式が16日、倉敷市で開かれた。小田川治水対策の柱となる事業で、2023年度末の完成を目指して今夏に着工する。

 工事は、高梁川との合流地点を約4・6キロ下流に移すとともに、現在の合流箇所には新たな堤防を造り、小田川を柳井原貯水池(同市船穂町柳井原)を通過させて高梁川と合流させる。高梁川が小田川の流れをせき止める「バックウオーター現象」の影響を抑えて流れをスムーズにし、水位の低下を図って氾濫を防ぐ。

 着工式は柳井原小(同所)であり、関係自治体の首長や国会議員、地元住民、工事関係者ら約180人が出席。国土交通省の大塚高司副大臣が「ハード対策の柱となる付け替え工事の着手が復興元年の大きな一歩となることを願い、一日も早い事業の完成を目指して努力する」、伊東香織倉敷市長は「安心安全への願いが実現に向かう大きな一歩となる日。安全で着実な工事を進めてほしい」と述べた。代表者がくわ入れを行い、工事の無事を祈った。

 国交省によると、山の掘削や堤防建設といった付け替え事業の本格着工に向けて現在、県道の迂回(うかい)路や工事用道路の整備、濁水処理施設の建設といった準備工事を進めている。国の河川激甚災害対策特別緊急事業費などを活用し、総事業費は約380億円を見込む。

 付け替え事業は国交省が10年に計画を決定。18年秋に着工、28年度の完成を目指していたが、18年7月に西日本豪雨が発生。10年を予定していた工期を5年間に短縮した。

◆2019年6月16日 TBS
http://www.news24.jp/nnn/news16416707.html
ー決壊した小田川の付け替え工事の着工式ー

 去年の西日本豪雨で堤防が決壊した倉敷市の小田川と高梁川の合流地点を下流に付け替える工事が本格的に始まるのを前にきょう着工式が行われました。
 着工式には国土交通省の大塚副大臣や地元住民など200人が参加し工事の安全を祈願しました。
 国が行う小田川付け替え工事は小田川と高梁川の合流地点を現在より4,6キロ下流に変更するものです。
 付け替えにより合流地点の水位は5m下がるため、高梁川から小田川への逆流が起きにくくなるとされています。
 総工費は332億円で工事期間は5年間の予定です。

 (インター・工事期間の洪水対策は? できることといたしましては小田川の掘削・堤防の拡幅、これは5年間の間も着実にやらせていただきたい)
 現在は付替え工事に伴う道路工事などが進められていて本格的な着工は8月頃になる見込みです。

◆2019年6月16日 瀬戸内海放送 (動画あり)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190616-00010003-ksbv-l33
ー日本豪雨で決壊した小田川 合流地点の付け替え工事が着工…氾濫危険度低下へ 倉敷市ー

  西日本豪雨で決壊した倉敷市などを流れる小田川と高梁川の合流地点を付け替えるための工事が始まりました。

 着工式は、小田川と高梁川のうち最も大きな工事区域となる倉敷市船穂町柳井原で行われました。地元の住民や工事関係者らが出席し、鍬入れなどをして工事の無事を願いました。

 付け替え工事は小田川と高梁川の合流地点を約4.6キロ下流に移すものです。これによって小田川の水位が5メートルほど下がるほか、倉敷市街地の氾濫危険度も下げることができるということです。

 小田川合流点の付け替え工事は、2023年ごろに終わる予定です。

(倉敷市/伊東香織市長)
「安全も一歩一歩進んでいますので、みんなで真備で帰っていけるように頑張っていきたいと思っています」

◆2019年5月28日 建設通信新聞
https://www.kensetsunews.com/archives/323744
ー51億余で鹿島JV/小田川付替え南山掘削他/中国地方整備局ー

【水位を引き下げ】
 中国地方整備局は、WTO対象の小田川付替え南山掘削他工事を一般競争入札(技術提案評価型・S型、段階選抜方式、ICT活用・発注者指定、CIM活用・受注者希望、週休2日・発注者指定、WLB(ワーク・ライフ・バランス)試行、生産性向上チャレンジ)した結果、51億3590万円(税別)で鹿島・大本組・荒木組JVに決めた。2018年7月豪雨で堤防の決壊や越水などにより甚大な浸水被害が発生した小田川と支川の緊急治水対策を実施する「真備緊急治水対策プロジェクト」のメイン工事である小田川の水位を抜本的に引き下げる工事がスタートする。

 同工事の発注に当たっては、2社または3社構成によるJVの参加を認め、段階選抜1次審査の評価項目に「地域内の本店の有無」を設けたほか、WTO対象工事での経営事項評価点数を緩和するなど多くの地元企業の参加を促す仕組みとした。落札者以外の参加者は、フジタ・中村建設JV、前田建設工業・杉岡建設・西山建設JV、大成建設・蜂谷工業・ナイカイアーキットJV、大林組・天野産業・アートコーポレーションJV、安藤ハザマ・アイサワ工業・小田組JV、戸田建設・梶岡建設・カザケンJV、清水建設・三宅建設・笹山工業JV、西松建設・中央建設JV、飛島建設・りんかい日産建設・あおみ建設JV、東急建設、東洋建設、ノバック、錢高組。

 工事概要は、長さ2374m、南山掘削・掘削工約86万m3(仮設工事用道路工の掘削含む、うち中硬岩約21万m3)、築堤約41万m3、河道整形(埋土)約72万m3、アンカー工129本、鉄筋挿入工(長さ2-3.5m)4145本、法覆護岸工約2万8000㎡、仮設工一式。主要資機材は多重PCより線129本。設計はエイト日本技術開発、建設技術研究所、日本工営が担当した。
 工期は2023年3月31日まで。工事場所は岡山県倉敷市船穂町柳井原地先。