雨畑ダム、投棄汚泥の撤去完了

 駿河湾のサクラエビ不漁問題に関連して、駿河湾に注ぐ富士川上流の雨畑ダムが静岡県と山梨県の新聞で取り上げられています。

 日本軽金属(株)が管理する雨畑ダムは1967年から運用されている発電用のダムで、総貯水容量の93%が上流から流れ込む堆砂で埋まっています。関連会社のニッケイ工業がダムの堆砂除去を請け負っていたのですが、販売用の砂利を選別した後、残った汚泥を川の脇に野積みしていたことがわかりました。ダムに貯まる汚泥はヘドロ化し、河川環境を著しく悪化させます。
 産業廃棄物とされる汚泥が雨畑川から早川、富士川へと流れ込み、駿河湾のサクラエビ不漁に影響した疑いがあり、静岡県が強く撤去を求めていました。以下の記事によれば、汚泥には凝集剤として3種類の化学物質を混ぜていたということです。

◆2019年6月15日 静岡新聞
https://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/646036.html
ー投棄汚泥の撤去完了 山梨・雨畑川ー

 山梨県早川町の雨畑川で採石業者が産業廃棄物の汚泥(ヘドロ)を不法投棄したとみられる問題で、同県は14日、野積みされた汚泥の撤去が完了したと発表、検討した刑事告発を見送る方針を示した。一方、下流の瀬には依然汚泥が残ったままで、流出した全てのヘドロの回収は困難な状況となっている。
 採石業者は当初示した5月末の撤去期限が守れず、14日まで先送りしていた。同日午後、同県職員が同社幹部の説明を受けながら野積み現場を見て回った。同県の説明によると、搬出した汚泥は約4400立方メートル(国の目安で換算すると約4840トン)。無許可で埋設された土管は近く撤去させる。
 同県環境整備課によると、不法投棄とみられる行為は約10年前には始まり、これまで外部に搬出された形跡は見当たらないという。関係者によると、投棄された汚泥の総量は数万トン以上に上る。
 さらに、採石業者が汚泥投棄直前に混入させた化学物質が、河川環境に悪影響を与えた可能性も否定できない。同社の常務は取材に、不法投棄とみられる行為を行う直前、汚泥に3種類の凝集剤を混ぜていたことを認めた。「凝集剤は汚泥から水を分離させるためだった」などと説明した。
 雨畑川は駿河湾サクラエビの不漁などを受け静岡、山梨両県が濁りの実態調査を進める早川水系にある。

◆2019年6月15日 毎日新聞山梨版
https://mainichi.jp/articles/20190615/ddl/k19/010/149000c
ー雨畑川の汚泥 業者撤去 県、盛り土・導水管も指導 /山梨ー

  県は14日、早川町の雨畑川沿いに投棄された産業廃棄物の汚泥が撤去されたと発表した。投棄のために使用されていたとみられる土砂の盛り土や導水管が今も残っており、県は引き続き汚泥を放置していた同町の砂利採取業者に撤去を求めている。

 撤去された汚泥の量は約4400立方メートル。投棄現場上流にある雨畑ダムで採取した土から販売用の砂利を選別した後の汚泥を川の横に放置していた。一部は川に流れ出していた。県は廃棄物処理法に基づき、業者に撤去するよう行政指導していた。

 県の聞き取り調査によると、汚泥の投棄は約10年前から続いていたという。県は毎年、砂利採取業者に立ち入り調査を行い、任意で汚泥の発生量や保管量の報告を求めていた。しかし、今回の投棄場所は立ち入り場所と離れていたことや、報告内容に虚偽があったため不法投棄を発見できなかった。

 雨畑川が早川と合流した後に注ぐ駿河湾ではサクラエビの不漁が続いているが、県は今回の不法投棄と「因果関係は不明」としている。県と静岡県が5月に雨畑川を含む早川水系と富士川の計14カ所で水質調査をした結果、「おおむね環境基準に適合」という結果が出ている。調査は7月まで継続する。【高田奈実】