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都水道事業の外郭団体「東京水道サービス」についての記事

 今年3月末付で東京都知事の特別秘書を退任した野田数氏は、小池百合子都知事の推薦により東京水道サービス株式会社の社長に就任しました。
 「東京水道サービスは都が51%の株を持ち、浄水施設などを管理。都水道局長が歴代社長に就いている」とのことですが、以下の記事によれば「国内外で水道事業の受託を増やす体制にしたい考え」ということなので、東京水道サービスが他県の水道民営化の受け皿になっていくのかもしれません。

◆2019年6月7日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45832460X00C19A6L83000/
ー東証基準で企業統治、都水道会社が経営方針ー

 東京都の水道事業の外郭団体、東京水道サービス(TSS、東京・新宿)は7日、2019年度の経営方針を公表した。コンプライアンス(法令順守)を改善するため、東京証券取引所が定めるコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)をもとに統治を強化する。他の自治体の水道事業の受託を広げるためにも経営基盤を固める。

 TSSは19年度中、料金収納などを担うPUC(東京・新宿)と統合し、水源管理から営業まで一社でできるようになる。小池百合子知事の元特別秘書で、5月に就任した野田数社長は日本経済新聞の取材に「将来的には和製の水メジャーになるための土台を作る」と語った。国内外で水道事業の受託を増やす体制にしたい考えだ。

 その方策の柱にコンプラ強化を据える。TSSでは2月、都からの受託業務で虚偽報告していた問題が発覚した。経営の透明性を高めるため、上場企業並みのガバナンスを導入する。

 人材確保にも本腰を入れる。若手社員の中から幹部候補を選び、昇任の早期化を図るようにする。「若手が育ってきているのでさらに育成し、定着してもらう」(野田社長)。SNSなどを活用した情報発信で広報にも力を入れる。

◆2019年4月12日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43676810S9A410C1L83000/
ー都の水道会社、知事前特別秘書が社長就任 ー

 東京都の小池百合子知事は12日の記者会見で、都の監理団体である東京水道サービス(TSS、東京・新宿)の社長に、知事の特別秘書だった野田数氏が5月1日付で就任すると明らかにした。都は水道事業の管理体制を強化する方針で、知事の側近を長く務めた野田氏の手腕に期待したい考えだ。

 TSSは12日に臨時株主総会と取締役会を開き、野田氏の社長就任を決めた。都はTSSと、水道料金の徴収を担う監理団体のPUC(東京・新宿)を2019年度内に統合する計画。野田氏は経営トップとして統合事業に注力する。TSSを巡っては都からの受託業務で不適正事案が発生しており、内部統制の強化も求められている。

 野田氏は3月末まで知事の特別秘書を務めた。社長就任は天下りではないかとの指摘に対し、小池知事は、都の水道事業が統合事業やコンプライアンス改革などで「画期的な時期を迎えている」としたうえで「彼の突破力はふさわしい」とし、課題解決のためには適切な人選だと強調した。

◆2019年3月29日 朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASM3Y5GC2M3YUTIL02H.html
ー小池知事の特別秘書・野田氏、都の外郭団体の社長就任へー

  東京都の小池百合子知事は29日、特別秘書の野田数(かずさ)氏(45)が今月末で退職すると発表した。都の外郭団体「東京水道サービス株式会社」の社長に就任する予定。野田氏は、小池氏が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」の代表を一時務めた。都庁内からは側近の厚遇について疑問の声が上がっている。

 野田氏は小池氏の衆院議員時代に秘書を務め、東村山市議や都議を経て、小池氏の知事就任に伴って特別秘書に就任していた。小池氏とともに都民ファーストの会を率い、2017年7月の都議選で大勝に導いた。しかし、小池氏が同年10月の衆院選に挑んだことを批判。最近は登庁の頻度が減っていた。

 東京水道サービスは都が51%の株を持ち、浄水施設などを管理。都水道局長が歴代社長に就いている。都は野田氏を新社長として推薦し、今後、株主総会を経て社長に就任する見通し。

 小池氏は29日の記者会見で「天下りでは」と問われ、「天下りではなく、適材適所で選んだ。野田さんは大変な行動力があり、新しい水道をつくるため、流れを変えることを期待している」と語った。都幹部の一人は「野田氏が水道に詳しいなんて聞いたことがない。不公平な人事で都民の理解が得られるのか」と話した。