NHKクローズアップ現代7/10「豪雨被害を拡大!?あなたの町のダムは安全か?」

 昨年7月の西日本豪雨から丸一年がたちました。
 愛媛県では肱川上流のダムの緊急放流後、ダム下流域が水害に見舞われました。被災者らは甚大な犠牲の教訓を今後に生かそうと、ダムを管理する国交省へ働きかけるなどの活動を続けています。

 NHKが明日のクローズアップ現代で肱川水害を取り上げるようです。関連記事も合わせてお伝えします。

★NHK クローズアップ現代 ホームページより
2019年7月10日(水)放送 豪雨被害を拡大!?あなたの町のダムは安全か?
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4306/index.html?1562549553

 “私たちの命を守ってくれるはずのダム”。そのあり方が今、大きく問われている。去年の西日本豪雨で5人の犠牲者が出た愛媛県西予市では、ダムからの放流によって河川が急激に氾濫したことが被害の拡大につながった可能性が指摘されているのだ。取材を進めると、民間企業が管理するダムでは安全対策の議論が長年置き去りにされてきた実態も明らかに。今年も私たちに迫りくる豪雨の恐怖。“ダムがあれば安心”は本当なのか、水害から命を守るために今何が求められているのか、検証する。

◆2019年7月8日 毎日新聞
https://news.infoseek.co.jp/article/mainichi_20190708k0000m040057000c/
ー西日本豪雨1年、5人亡くなったダム直下の集落 不安拭えず 愛媛・西予市ー

  西日本豪雨でダムの緊急放流後に肱川(ひじかわ)が氾濫し、5人が亡くなった愛媛県西予市野村町地区。「天災ではなく人災だ」との思いは被災者から今も消えない。ダムの操作規則が変更されるなど、ハード・ソフト両面で対策が進んだが、不安を拭えずにいる。

 四国地方が梅雨入りした6月26日。久しぶりに雨が降る中、小玉由紀さん(60)は自宅の前を流れる肱川を見つめていた。「また、どばっと雨が降ったらどうなるんやろう」

 昨年7月7日午前6時20分。集落の上流にある野村ダムが貯水の限界に達し、国土交通省野村ダム管理所は流入量とほぼ同量を放流する「異常洪水時防災操作」を実施した。川の水位は急上昇して集落はあっという間に濁流にのみこまれ、小玉さんの母ユリ子さん(当時81歳)も亡くなった。

 国は6月、野村ダムなどについて大雨の初期段階で放流量を増やすなど操作規則を変更。小玉さんの家の前の橋には同月、ダム管理所などがきめ細かく水位を把握するため新型の水位計が設置された。

 ただ小玉さんは「水位を把握するより、電光掲示板などで放流量をもっと簡単に分かるようにしてほしい」と話す。どれだけ川の様子に気を配っていても、大規模放流があれば一気に水位は高くなる。それが西日本豪雨から得た最大の教訓だ。

 小玉さんの家がある三島町集落ではすべての家が浸水被害を受けた。豪雨後、国の「防災集団移転促進事業」を使って全住民が高台などへまとまって移ることも検討されたが、反対意見もあって立ち消えになった。

 集落に残ると決めているのは数世帯にとどまる。仕事場のある別の町に妻と引っ越すことを考えている建築業の男性(67)は「ダムがあるから安心と思って家を建てたが、もう水が怖い。住民説明会に行ってもダム管理所は言い訳ばかり。聞いてもしょうがない」と胸の内を明かす。

 多くの人が今も仮設住宅で暮らしているため、集落には更地や空き家が目立つ。「以前は夏の夕方になると、風が通る橋に自然と人が集まってみんなで涼んだ。ずっと続くと思ったのに……」。小玉さんがさみしそうに言った。【中川祐一】

◆2019年7月8日 愛媛新聞
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201907080070
ー西日本豪雨1年 ダム放流操作の問題点確認 大洲で肱川治水を考える集会ー

 西日本豪雨から1年を機に、被災者らでつくる「ダム放流を考える大洲市民の会」(代表・奥島直道弁護士)は7日、肱川の治水について考える集会を愛媛県大洲市東大洲の市総合福祉センターで開き、約30人が野村、鹿野川両ダムの放流操作などの問題点を確認した。

 奥島弁護士は「(被災者は)納得していないと言う場がない。『復興したからいい』で終わる恐れもある」とあいさつ。国土交通省の対応に関し、ダムの放流量を十分低減できず、浸水区域を住民に周知していなかったと指摘、おおむね5年間で堤防などを整備する激甚災害対策特別緊急事業の予算確保へ山鳥坂ダム建設工事停止を主張した。

 同市で被災し転居した出席者は「安心して住める場所にするには市民がもっと声を上げる必要がある」と訴えた。

 豪雨で51人が亡くなった岡山県倉敷市真備町地区で国や県、市などを相手に損害賠償訴訟を検討する弁護団の報告も聞いた。同地区では川の付け替え工事の先送り、河道内樹木伐採と事前放流の未実施などの問題点があり、住民の行政への不満は強いと紹介。「国や県の検証が本当に正しいのか、信頼できる研究者に意見を聞く必要がある」と助言した。