北海道の胆振東部地震から一年、厚真ダムなどの復旧工事を公開

 北海道の胆振東部地震から間もなく一年がたちます。昨年9月6日、農林水産省は、地震による山腹崩落で厚真ダムの水路が埋まり、今後の降雨時に決壊の恐れがあると明らかにしました。ダムというものは土砂による水路の閉塞でも決壊の危険性が生じることを知らせる出来事でした。
 その後、復旧工事が行われ、9月2日に工事現場が報道機関に公開されたことを各紙が伝えています。
 農業用水用の厚真ダムは現在、機能を停止し、ダンプカーで土砂や倒木を撤去して工事用道路を設置する作業を進めており、供用開始は2023年になる見通しとのことです。
 なお、厚真ダムは貯水容量1008万㎥の農業用水専用ダムです。1970年竣工のロックフィルダムです。

◆2019年9月3日 苫小牧民報
http://www.hokkaido-nl.jp/article/13410
ー胆振東部地震被害の厚真ダム、厚幌導水路、日高幌内川の工事 23年までの完了目指すー

 北海道開発局は2日、胆振東部地震で土砂流入などによる大きな被害を受けた厚真町の厚真ダムや主要農業用水路・厚幌導水路、日高幌内川の復旧工事現場を報道機関に公開した。工事は着々と進んでおり、開発局は「すべての復旧作業を2023年までに完了させたい」とした。

 地震発生から6日で丸1年を迎えるのを前に、報道陣向け現地説明会を開催。新聞、テレビなど18社から約40人が参加した。

 町内の農業用水確保のため建設された厚真ダムは地震の影響で、下流への水路に土砂や流木が押し寄せた。決壊を避けるため、土砂撤去工事は昨年11月で終了。山ののり面を保護する工事などを行う予定で現在、工事用車両が通る道路整備を進めている。22年度中に全ての工事を終える計画という。

 約1700ヘクタールの水田に水を送る厚幌導水路(全長29キロ)は、水道管に亀裂が入ったり、管の接続部分がずれて水漏れするなどの被害が計約10キロ範囲で発生。被害部分を特定する作業を終え、6月から本格的な復旧工事に入った。19年度内に2・7キロの配管を直し、22年度中に復旧を終える計画となっている。

 日高幌内川は山の崩落で、1・1キロの区間にわたり土砂が約500立方メートル堆積。土砂の高さは地震発生当初約50メートルに達したが3月までに、新たな川の流れを生み出す緊急の掘削工事を終えた。

 道開発局室蘭開発建設部の山本清二次長は「復旧完了の見通しが付いた。関係機関と連携し、地域に寄り添いながら一日も早く工事を完了できるようにしたい」と話した。

◆2019年9月4日 北海道新聞 動画ニュース
https://www.youtube.com/watch?v=1-mUSpsX5P8
ー災の厚真ダム、復旧は2023年 開発局が現地説明会ー

 開発局は9月2日、昨年9月の胆振東部地震で被害を受けた胆振管内厚真町の厚真ダムなど3カ所で、復旧状況を報道陣に公開した。農業用水用の厚真ダムは現在、機能を停止し、ダンプカーで土砂や倒木を撤去して工事用道路を設置する作業を進めており、供用開始は2023年になる見通し。管の接続部分が外れるなどの被害が起きた厚幌(あっぽろ)導水路は2021年度までに導水路沿いの一部で配水を再開する。日高幌内川の河川敷では、崩落した土砂を除去するなどして河道を確保していることを説明した。

◆2019年9月4日 日刊建設工業新聞
http://nikkankensetsukogyo2.blogspot.com/2019/09/blog-post_1.html
ー【北海道開発局が厚真ダムなど公開】北海道胆振東部地震から一年、復旧工事進むー

 北海道胆振東部地震の発生から6日で1年になるのを前に、 北海道開発局が2日に厚真ダムなど北海道厚真町内で進む復旧工事現場を報道陣に公開した。

 周辺の山林斜面が崩壊し土砂が洪水吐きなどに流入し堆積した厚真ダムは、堤体下流の土砂や倒木撤去など応急復旧を終えた。放流機能確保に向けた放流トンネル閉塞(へいそく)部の開口など本年度から本復旧工事に着手し、2023年度の供用開始を目指す。

 公開したのは、厚真ダムと日高幌内川、厚幌導水路。厚真ダムは堤体下流で斜面が崩壊して洪水吐きや貯水池内に約9万5000立方メートルの土砂や倒木が流入し、取水放流施設の操作室が損壊するなどの被害が出た。最低水位まで放流した後、洪水吐きや堤体下流の土砂・倒木除去やダム管理計器の応急復旧を完了し、本年度から復旧工事に着手。現在は放流機能の確保を目的に、建設時に閉塞した放流トンネルを再び開口するため工事用道路を建設している。

 洪水吐きの改修や堤体周辺ののり面復旧など22年度までに復旧工事を終え、23年度の試験湛水・供用開始を目指す。応急復旧と復旧工事を合わせた事業費に約88億円を見込む。

 日高幌内川は、幅約400メートル、長さ約800メートルの尾根が約350メートル崩落し、約500万立方メートルの土砂で河道が閉塞。閉塞部上流では約1300トンの水がたまり、越流による洪水被害を防ぐため、昨年11月から対策工に着手した。倒木処理や堆積土砂の掘削後、砂防堰堤2基と約850メートルの水路を整備。今後はブロック積みの堰堤をコンクリートに換えるなど恒久整備を進める。事業費は約110億円、23年度の完成を予定。

 導水路の管体の離脱や漏水などが発生した厚幌導水路は、延長約27キロのうち被災した約10キロで離脱防止機能が付いた管への敷設替えなどを行っている。19年度は2・7キロを実施し、厚真ダムが供用開始する23年度までにすべての敷設を完了する予定。事業費には約200億円を見込む。

 室蘭開発建設部の山本清二次長は「これから恒久対策の工事が本格化し、復旧から復興に移行する。地域の皆さんが一日も早く安心して生活できるよう地域に寄り添って災害に強い地域づくりに取り組んでいきたい」と述べた。

◆2019年9月3日 室蘭民報社
https://this.kiji.is/541423100814509153?c=388701204576175201
ー厚真「復旧」進む 道開発局が現場公開ー

 胆振東部地震から間もなく1年を迎える中、道開発局は2日、大きな被害を受けた厚真町の厚真ダムや山腹崩壊現場などを報道陣に公開した。同局室蘭開発建設部の山本清二次長は「復旧工事はほぼめどが見えてきた。今後も災害に強い地域づくりに最大限の力を注ぎたい」と述べた。

 公開された厚真ダムでは周辺斜面の崩壊や土砂崩れが貯水池に流入し、取水放水施設などが大きな被害を受けた。同局では倒木除去や土砂撤去、観測施設の応急復旧など「2次被害を防ぐ対応」を完了させた。2023年(令和5年)を目標に本格復旧を目指す。

 斜面崩壊で大規模な河道閉塞が発生した日高幌内川では、幅400メートル、長さ約800メートルの尾根が約350メートル崩壊した。町内最大の山腹崩壊により、同川は約500万立方メートルの土砂で流れが妨げられた。下流3・5キロは民家があるため、同局では同川の流れを変更させて砂防堰堤(えんてい)を築き、さらなる災害の発生を防いだ。

 基幹産業の農業を支える施設として期待されている完成直前だった厚幌導水路は、約3割に当たる10キロが震災で損壊した。同局によると、導水路のつなぎ目の離脱が多くみられたことから離脱防止の特殊工法の導水路を使い、敷設工事を進めている。完成は23年だが「1年でも早く供用開始させたい」と作業を進めている。
(佐藤重伸)

◆2019年9月2日 共同通信
https://this.kiji.is/541092664810849377?c=39546741839462401
ー北海道地震の復旧状況を公開 厚真町のダムや河川ー

 国土交通省北海道開発局は2日、厚真町で昨年の北海道地震で崩壊した山林から土砂がなだれ込んだダムや河川などの復旧について、報道陣向けの現地説明会を開いた。

 厚真ダムは下流への水路に土砂が流れ込むなどし、一時決壊の恐れがあったが、土砂を撤去。のり面も崩落したため、補強工事など運用再開に向けた作業を進めている。約1キロにわたって土砂でふさがった日高幌内川では、土砂を掘削して応急的な水路が通された。

 北海道地震は昨年9月6日未明に発生。最大震度7を観測し、関連死を含め44人が犠牲となった。開発局によると、地震では山林などから3千万立方mもの土砂が一気に崩落した。

◆2018年9月6日 毎日新聞 (一部引用)
https://mainichi.jp/articles/20180907/ddm/041/040/033000c
ー北海道震度7 厚真で観測 土砂崩れ、山里一変 「不気味な音 響いた」ー

 6日未明、震度7の強い揺れに見舞われた北海道厚真町。広範囲で山の斜面が崩れて赤い土がむき出しになり、山裾に流れた土砂や樹木は住人が寝静まっていた住宅をのみ込んだ。のどかな山里の風景は一変し、難を逃れた住民はぼうぜんとした。気象庁によると、同町を含む北海道胆振地方は7日から8日にかけてまとまった雨が降ると予想され、余震も続いている。停電と断水が続くなどライフラインの被害も深刻で、避難所に身を寄せた人たちは明日からの生活への不安を隠さなかった。【澤俊太郎、福島英博、昆野淳、田中龍士】

(中略)
ダム決壊を警戒
 農林水産省は6日、地震による山腹崩落で厚真ダムの水路が埋まり、今後の降雨時に決壊の恐れがあると明らかにした。これを受け、斎藤健農相は同日開いた災害対策本部で降雨に備えた対策を検討していると表明した。

 農水省によるとダムは満水状態で、大雨の際に水を放出するために利用する水路が一部埋まった。担当者は「現時点では決壊の可能性は低いとみている」としている。(以下略)