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水道の「みやぎ型管理方式」に関する説明会、市民から不安、批判の声相次ぐ

 水道3事業の運営を民間に一括して委ねる宮城県の「みやぎ型管理運営方式」に関する市民説明会が9月20日と23日に開かれました。主催は宮城県と仙台市です。
 市民説明会では参加者から民営化について厳しい意見が相次いだことが報道されています。
 宮城県の水道等の民営化は、村井嘉浩・県知事が全国で初めて水道民営化を進めたという動機で進められているものですから、危ういところがあります。

 以下のブログには、説明会の参加者による大変詳しいレポートが掲載されています。質疑応答の内容まで詳しく書かれており、最後は「この日も、「みやぎ型管理運営方式のことが県民に全く知られていない」「拙速に決めないでほしい」「なぜ利益を求める民間企業に任せるとコストカットできるのか理解できない」という声が圧倒的に多く、県の説明に納得して帰ったという人はほとんどいない様子でした。」と結ばれています。

 ★「宮城県の水道民営化問題」 -こんなの民主主義じゃない!! と悲痛な声も みやぎ型管理運営方式に関する市民説明会 大紛糾の質疑応答を振り返るー

◆2019年9月21日 河北新報
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201909/20190921_11011.html
ー水道「みやぎ方式」で初の市民説明会 料金や水質、不安の声相次ぐー

写真=質疑応答で市民の不安や懸念に答える県の担当者ら

 水道3事業の運営を一括して民間に委ねる県の「みやぎ型管理運営方式」を巡り、宮城県企業局と仙台市、市水道局は20日、初の市民説明会を市役所で開いた。参加者からは料金上昇や水質悪化などを不安視する声が上がった。
 市民ら約110人が参加した。県企業局の担当者は、2日に公表した実施方針素案を基に、みやぎ方式の概要や今後想定される導入に向けた手続きなどを説明。県と市がそれぞれ運営する事業の役割分担や概要の解説もあった。
 参加者からは「命に関わる水は県が賄うべきだ」「県でコスト削減を図ってほしい」などの声が上がった。県の担当者は「民間の創意工夫を最大限生かした上で、安全な水を供給するのは引き続き県の使命だ」と理解を求めた。
 同様の説明会は23日午後1~3時にも市役所である。定員300人。先着順で当日参加も受け付ける。

◆2019年9月21日 NHK東北WEB
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20190921/6000006973.html
ー水道事業、初の市民向け説明会ー

 水道事業の運営権を民間企業に売却する新たな方式の実現を目指している宮城県は、20日、仙台市民を対象にした説明会を開き、参加した人からは詳しい説明を求める声が相次ぎました。

 宮城県は、上水道と下水道、工業用水の3つの事業の運営権を一括して民間企業に売却する新たな方式を、3年後から導入することを目指している一方、水質の低下や価格上昇などを懸念する指摘も出ています。
 
 こうした中、宮城県は仙台市民を対象にした説明会を初めて開き、会場にはおよそ120人が集まりました。
 この中で、県の担当者は、今後20年間で、最大で120億円のコストの削減が見込まれることや、料金は県議会の議決を必要とし、透明性が担保されることなどを説明しました。

 これに対して参加した市民からは「企業の募集要項も決まっていないなど、分からない部分が多すぎてよしあしの判断が出来ない」とか「県民に対しての説明が不十分すぎる」などといった詳しい説明を求める声が相次ぎました。

 宮城県は23日にもこうした説明会を開くことにしていて、水道事業の新しい方式に理解を求めることにしています。

◆2019年9月23日 仙台放送 (動画あり)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190923-00000004-oxv-l04
ー水道“民営化”へ市民説明会 みやぎ型管理運営方式ー

 水道事業の実質的な民営化に向けて、宮城県と仙台市による初めての市民説明会が先週、開かれ、参加者からは安全性などへの質問が相次ぎました。

 この説明会は県が導入を目指す、水道3事業の「みやぎ型管理運営方式」について知ってもらおうと、県と仙台市が初めて開いたものです。
「みやぎ型管理運営方式」とは上下水道、工業用水の運営を一括して、20年間、民間企業に委託することでコスト削減を目指すものです。
 説明会には市民およそ100人が出席し、事業の概要や実施方針の素案について説明を受けました。
一方、参加者からはコスト削減への疑問や水の安全性について質問が相次ぎました。

参加者
「具体的な資料も出さないでコスト削減だとかきれいごとだけ言って、了承してくださいとスケジュールありきの進め方は間違っていると思います」

参加者
「水に代わるものってないはずなんです。どんなにお金がかかっても公共でやるべきだと思うんですけど、どうして民営化するのか分からない」

 この市民説明会は、9月23日も、午後1時から仙台市役所で開催される予定です。
また、県は9月30日まで、「みやぎ型管理運営方式」に関するパブリックコメントを募集しています。

◆2019年9月24日 河北新報
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201909/20190924_11025.html
ー水道「みやぎ方式」 継続性を業者選定の評価に 運営権対価は10億円弱ー

 水道3事業の運営を民間に一括して委ねる県の「みやぎ型管理運営方式」を巡り、宮城県企業局は23日、事業者選定の際、事業を十分継続できる運営体制や資本金を備えているかどうかを評価する方針を明らかにした。同日、仙台市役所であった市民説明会で説明した。
 「民間事業者が撤退、倒産した場合はどうなるか」という疑問に担当者が回答した。「万が一のときは県か、県が指定する業者への引き継ぎを義務付ける。事業の継続性は業者選定時の採点基準になる」と述べた。
 また、事業者が県に支払う施設使用料に当たる運営権対価は10億円弱との見通しを示した。その上で、消毒に使う薬品代や人件費、利益など、事業運営にかかるコストの削減幅や実効性を見極めて参入業者を選ぶ。
 説明会は20日に続いて2回目。約70人が参加した。市民からは「メリットとデメリットの判断材料が少ない」「進め方が拙速だ」といった意見も上がった。