八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

紅葉と灰色のコントラスト 異形の秋迎えた八ツ場ダム

 紅葉シーズンの八ッ場ダム周辺は、多くの観光客で賑わっています。
 台風直後は、大量のゴミや流木が水面に浮かんでいたダム湖ですが、その後の清掃作業により、ダム堤周辺はだいぶ見よくなりました。
 朝日新聞が「異形の秋」というタイトルを掲げて、ドローンで撮影したカラー写真6枚を掲載している記事は、Yahoo!ニュースのサイトにも転載されました。
 ダム湖周辺では水に浸かった草や樹木が灰茶色となっています。鮮やかな紅葉とコントラストをなすさまは、まさに「異形」ですが、これからはこの景色が当たり前になるのでしょうか。

◆2019年11月8日 朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20191107003130.html
ー紅葉と灰色のコントラスト 異形の秋迎えた八ツ場ダムー

 台風19号による記録的な大雨で、試験貯水中の八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)が一気に満水となった。周辺の紅葉が見頃を迎えるなか、放流で水位が下がると、泥をかぶって白っぽく変色した草木が現れ始めた。台風で流れ込んだ濁り水で今も湖面は茶色く、ところどころ流木が浮かぶ。

 来春完成予定の八ツ場ダムは10月1日から試験貯水を始めた。国土交通省によると、当初は3~4カ月で満水位まで水をためる予定だったが、台風の大雨の影響で10月11~13日の51時間に東京ドームの容積の約60倍にあたる約7500万立方メートルの水が流れ込むなどし、わずか半月で満水に。今は放流で調節しながら水位を下げ、7日午前9時現在の湖面は満水位より約20メートル低くなっている。

 ダム建設に伴って高台に移住した川原湯温泉の樋田省三さん(55)は「(白い木々は)景観としてはしょうがない。むしろ、上流の泥水をせき止めた勲章に見える」と話した。(丹野宗丈)

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写真下=川原湯温泉が移転した打越代替地とダム堤。2019年11月10日撮影。

写真下=不動大橋から上流側を望む。11月10日。

写真下=ダム湖の上流端となるJR長野原草津口駅前の周辺では、ダム湖の水位低下により土砂の堆積がよく見える。川は水だけでなく上流から土砂を流す。ダム湖の堆砂は、ダムの寿命を縮める深刻な問題。吾妻川では台風19号の洪水で、八ッ場ダムの上流側に一気に土砂が溜まった。