国土交通省関東地方整備局が12月2日に開催した第3回荒川水系越辺川・都幾川堤防調査委員会および第3回那珂川・久慈川堤防調査委員会の配布資料と議事要旨が同局のホームページに掲載されましたので、お知らせします。
議事要旨には、「堤防が決壊した 12 箇所はいずれも越水が決壊の要因になったと推定され」という文言があります。
復旧工事の基本方針として国交省は、「堤防拡築、川表法覆工、堤防天端の舗装、川裏法尻補強を実施」することを明らかにしましたが、旧建設省土木研究所が確立した耐越水堤防工法には触れていません。耐越水堤防工法では、越水による洗堀、破堤を防ぐために、川裏のり面を全面的に被覆・強化します。
◆国土交通省関東地方整備局ホームページ「堤防調査委員会」より転載
http://www.ktr.mlit.go.jp/bousai/bousai00000216.html
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◆第3回 荒川水系越辺川・都幾川堤防調査委員会
第3回 那珂川・久慈川堤防調査委員会
議事要旨
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000762806.pdf
日時:令和元年 12 月 2 日(月)9:30~11:30
場所: TKP 大宮駅西口カンファレンスセンター
荒川水系越辺川、都幾川及び那珂川、久慈川、浅川の堤防決壊と被災メカニズムの分析、決壊のプロセス、本復旧の基本方針について、事務局(関東地方整備局)より説明を行い、下記3つの事項について委員会の了解を得た。
堤防決壊と被災メカニズムの分析については、各決壊箇所において、痕跡水位及び現地の状況より推定した越水範囲と越水深、浸透に対する解析結果を踏まえて行った。その結果、本委員会では、堤防が決壊した 12 箇所はいずれも「越水が決壊の要因になったと推定され」、このうち久慈川右岸 25.5k と浅川右岸 0.6k と 1.5k の 2 箇所については、「堤内地側からの越水が決壊の要因になったと推定される」との結論を得た。また、那珂川左岸 40.0k、久慈川左岸 27.0k については浸透の影響は排除できず、那珂川右岸 41.2k については植生のはがれについても確認できることから侵食の影響は排除できないとの結論に至った。
本復旧の基本方針について、河川からの越水が決壊の要因になったと推定される 9箇所については、本委員会では復旧工法の対応方針として、堤体土を良質なものを選び、締固めを十分に行うことを基本として、計画上必要とされる高さを確保するための堤防拡築、川表法覆工、堤防天端の舗装、川裏法尻補強を基本的な方針とするとの結論に至った。このうち、浸透の影響が排除できない那珂川左岸 40.0k、久慈川左岸 27.0k の2箇所については、必要に応じて河川水の堤防への浸透を抑制するために、浸透対策工を実施することとした。
堤内地側からの越水が決壊の要因になったと推定される久慈川右岸 25.5k と浅川右岸 0.6k と右岸 1.5k の 3 箇所については、河川側からの越流に対する対応と同様、計画上必要とされる高さを確保するための堤防拡築、川表法覆工、堤防天端の舗装、
川裏法尻補強を実施することとした。
委員会から、「今後、危機管理的な観点で実施可能な種々の対策の検討が必要である」との意見を得た。