2019年10月、八ッ場ダムの試験湛水が始まって間もなく襲来した台風19号は、記録的な豪雨によりダム湖の水位を一気に上昇させ、吾妻川沿いの集落跡は美しい景観とともに一夜にして水底に沈められました。台風通過後、満々と水をたたえたダム湖の出現は大きな注目を浴び、八ッ場ダムの治水効果が政治の場で過大にPRされることになりました。
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この間、9月に終了した水没地の発掘調査、湛水によって影響を受けるダム湖周辺の地盤のもろさ、ダム湖の水質など、後々まで重要な影響を与えることになる問題がいくつも見過ごされてきました。
2020年4月の八ッ場ダム運用開始を前に、今後のダム予定地域と関係都県にとって大きな関わりのあるこれらの問題に焦点を当て、改めて八ッ場ダムについて考えます。
「八ッ場ダム湖はどうなるか~地質・水質・堆砂の問題~」
◆日時:2020年1月26日(日曜日)午後1時半~4時半
◆会場:高崎シティギャラリー コアホール
http://www.takasaki-foundation.or.jp/gallery/access.html
群馬県高崎市高松町35-1 TEL 027-328-5050
JR高崎駅西口より徒歩10分
〇資料代:500円
主催:八ッ場あしたの会
共催:八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会
*会場には専用駐車場はありません。車利用の方は、城址地下駐車場、城址第二地下駐車場、高松地下駐車場をご利用ください。駐車券に施設のスタンプを押していただくと割引料金が適用されます。(30分80円)
*当日午前11時より、高崎シティギャラリーにおいて、第14回総会を開きます。
〈プログラム〉
第一部
●ダム予定地の動画映写 撮影:巣山太一さん
●「ダムに沈んだ縄文遺跡」
講師:勅使河原彰さん
(文化財保存全国協議会常任委員、考古学)
●「台風19号で八ッ場ダムが首都圏を救ったという話は本当か」
講師:嶋津暉之さん
(八ッ場あしたの会運営委員、水源開発問題全国連絡会共同代表)
(第二部)
●「八ッ場ダムが引き起こす恐れのある地盤災害」
講師:伊藤谷生さん(千葉大学名誉教授、地質学)ほか
●「ダム湖で心配される水質と堆砂の問題」
講師:嶋津暉之さん
〈講師プロフィール〉
勅使河原彰(てしがわら・あきら)
1946年東京都生まれ。明治大学(考古学)。尖石縄文文化賞受賞。藤森栄一賞受賞。文化財保存全国協議会常任委員。「トトロの森」の運動など各地の開発と遺跡保存をめぐる問題に取り組んできた。著書に『日本考古学史―年表と解説』(東京大学出版会)、『縄文時代史』(新泉社)、『考古学研究法―遺跡・遺構・遺物の見方から歴史叙述まで』他。埼玉県在住。
伊藤谷生(いとう・たにお)
1945年山口県生まれ。東京大学(理学博士)。主な研究分野は構造地質学。千葉大学名誉教授。八ッ場ダム湖周辺の地盤の安全性について、専門家チームの一員として検証を行ってきた。埼玉県在住。
嶋津暉之(しまづ・てるゆき)
1943年中国・張家口生まれ。東京大学大学院で都市工学を学び、東京都に就職。全国各地の水源開発問題を技術的に解析し、ダム反対運動などに取り組んできた。元東京都環境科学研究所研究員。水源開発問題全国連絡会共同代表。八ッ場あしたの会運営委員。著書に『水問題原論』、共著に『八ッ場ダム』、『首都圏の水が危ない』(岩波書店)など。埼玉県在住。