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スライド「石木ダムは治水利水の両面で全く不要」

 昨年12月24日、長崎県が強行する石木ダム事業に反対する議員連盟と県民ネットワークが石木ダムの事業認定の見直しを求める要請書を国土交通省に提出し、国会議員会館で報告集会が行われました。
 報告集会では嶋津暉之さん(水源開発問題全国連絡会共同代表、当会運営委員)が石木ダムが利水面でも治水面でも不要であることを科学的に論証する講演を行いました。
 「石木ダムは治水利水の両面で全く不要」のサムネイル右の画像をクリックすると、この講演のスライド59枚を16ページにまとめた配布資料をご覧いただけます。

 石木ダム事業では、道路の付け替えなどの関連事業が進められていますが、ダム予定地にはダム建設に反対する13世帯の住民が暮らしています。国と長崎県が土地収用法に基づき強制収用の手続きを完了しましたが、住民はこれまでと変わらない生活を続けており、これからも立ち退く意思はないことを表明しています。

 以下、嶋津さんからの呼びかけ文です。

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 石木ダム問題は切迫した状況になっていますので、地元の新聞、テレビには石木ダム問題が結構取り上げられていますが、石木ダムがいかに不要なダムであるかということについてはきちんと報じられていません。せいぜい、集会での報告のほんの一部が紹介されているだけです。石木ダムの不要性がもっと多くの人たちに知られるようになれば、つまらないダムをつくって地元住民の生活を壊すなという声がもっともっと広がっていくと思います。

 石木ダムの建設目的は、「川棚川の治水」「佐世保市への水道用水の供給」です。
 長崎県は、治水面では1/100の大雨に備えるために石木ダムが必要だと主張していますが、実際には、川棚川流域で1/100が大雨が降った場合、石木ダムで対応できるのは流域面積の4~5%に過ぎません。
 利水面では、佐世保市は渇水の到来に備えるために石木ダムが必要だと主張していますが、佐世保市は近年、水需要が大きく減少してきていますので(1994年度から2018年度まで23%減少)、過去と同規模の渇水が再来しても、十分に対応できる都市になっています。佐世保市はこれからは人口の減少による水需要の一層の縮小により、ますます渇水に強い都市になっていくのですから、石木ダムは無用の長物です。

 石木ダムがいかに無意味なダムであるかということを拡散してくださるよう、お願いします。