那珂川、久慈川の整備計画見直しに伝統的な治水対策「霞堤」位置づけ

 昨年10月の台風19号で堤防決壊が相次いだ那珂川、久慈川の河川整備計画の見直しにおいて、伝統的な治水方法、「霞堤(かすみてい)」の活用を盛り込むことになったと報道されています。
 霞堤の原型は、戦国時代、武田信玄が考案したと言われます。右の図は国土交通省国土技術政策総合研究所河川研究部 水害研究室サイトの以下のページに掲載されている図です。http://www.nilim.go.jp/lab/rcg/newhp/yougo/words/008/html/008_main.html

〈参考ページ〉
 特定非営利活動法人 新潟水辺の会 
 「霞堤は誤解されている」

 

 ただし、国土交通省関東地方整備局に掲載されている那珂川、久慈川の河川整備計画(変更)(骨子)を見ると、霞堤に少し触れているだけで、詳しくは書いてありません。那珂川、久慈川いずれの河川整備計画(変更)(骨子)でも5ページ、(1)洪水等を安全に流下させるための対策ー 5)霞堤の整備・保全として、「地形や現状の土地利用等を考慮した霞堤の整備を進めるとともに、現存する霞堤を保全し有効活用を図ります。」とあるだけです。

〇第4回那珂川河川整備計画関係県会議(令和2年1月23日)
 http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000383.html

7.資料-2 那珂川水系河川整備計画(変更)(骨子) 
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000766451.pdf

第1回久慈川河川整備計画関係県会議(令和2年1月23日)  
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000384.html

7.資料-2 久慈川水系河川整備計画(変更)(骨子)
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000766457.pdf

◆2020年1月24日 朝日新聞茨城版
https://digital.asahi.com/articles/ASN1R470PN1RUJHB00N.html?iref=pc_ss_date
ー那珂川、久慈川の整備計画見直し「霞堤」骨子案にー

  国土交通省関東地方整備局は23日、10月の台風19号で堤防決壊が相次いだ那珂川、久慈川の河川整備計画の見直しに向けた骨子案を関係自治体に示した。伝統的な治水方法の「霞堤(かすみてい)」の活用を盛り込むなど、河道内での治水にこだわらないことを特色にしている。

 さいたま市で同日開いた関係県会議で、茨城、栃木両県の担当者から了承を得た。25日に水戸市内で開催予定の有識者会議にはかり、正式に決める。

 整備の前提となる流量は、戦後最大の洪水だった台風19号での想定値に設定。那珂川は常陸大宮市野口の基準地点で1秒あたり約7400立方メートル(現計画の1・25倍)、久慈川は同市山方の基準地点で同3700立方メートル(同1・23倍)とし、それに合わせた堤防強化などの対策を行う。

 最大の特徴は、日本の伝統的な治水対策「霞堤」の整備・保全を正式に計画に位置づけたことだ。堤防区間に開口部を設けた不連続な堤防で、戦国時代に武田信玄が考案したとされる。

 洪水時には開口部から水が堤防外に出るが、収束すると排水しやすい。宅地かさ上げなどの浸水対策を併せて行えば、家屋に甚大な被害は及ばない合理的な機能とされるが、近代の治水対策からは外れていた。

 また、台風19号では国、県とも堤防決壊の覚知が遅れたことやダムの事前放水についての情報伝達が不十分だったことから、住民避難への影響が指摘された。この対策として、河川監視用カメラの整備を始め、新たな機器類の開発整備を進めることや、事前放流の実施要領の策定などの措置についても盛り込んだ。

 同整備局は「国の河川整備計画に霞堤の活用を正式に位置づけるのは珍しいと思う。現在の堤防整備や河道掘削と組み合わせて適切な計画を目指したい」としている。(重政紀元)