石木ダム本体工事費計上、長崎県新年度予算案

 長崎県が強行しようとしている石木ダムの予定地では、13世帯の住民がダム計画に反対してこれまで通りの生活を営んでいます。事業が計画通り進められず、反対運動が拡がっていることを警戒する長崎県は、わずか8億円でも本体工事の予算を計上することで、既成事実を積み重ね、住民を心理的に追い詰めようとしているようです。

◆2020年2月6日 NHK長崎放送局
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20200206/5030006650.html
ー石木ダム 新年度本体工事着手へー

 川棚町に建設が進められている石木ダムをめぐって、県は、現在進めている県道の付け替え工事を終える見通しが立ったことから、新年度にはダム本体の工事に着手する方針で、建設予定地の掘削工事の費用などを新年度予算案に計上することにしています。

 長崎県と佐世保市が川棚町で建設を進めている石木ダムをめぐっては、県道の付け替え工事に遅れが出ていることなどから、県は、去年ダムの完成時期を3年延期し令和7年度に見直す方針を決めました。

 こうした中県は、現在進めている県道の付け替え工事を終える見通しが立ったことから、新年度にはダム本体の工事に着手する方針です。

 県河川課によりますと、新年度にはダム本体の建設予定地にコンクリートを打設しやすくするため、山を掘削する工事に入ることにしていて、このほかに地質調査や工事用道路の整備、それにほかの県道や町道の付け替え工事の費用なども含め、あわせておよそ8億円を新年度予算案に計上することにしています。

 ダム本体の建設予定地には民家はないものの、水没予定地には建設に反対する住民がいまも住み続けていて、本体工事に着手するとなれば、こうした住民らの反発も予想されます。

◆2020年2月7日 朝日新聞長崎版
https://digital.asahi.com/articles/ASN26748WN26TOLB006.html
ー石木ダム本体の工事費計上へ 県の新年度予算案ー

 長崎県と佐世保市が川棚町で進める石木ダム建設事業で、県が2020年度の当初予算案にダム本体を建設するための掘削工事費を計上することが6日、明らかになった。予算規模は、水没する県道の付け替え工事費などを含む計約8億円を見込んでいる。

 水没予定地の川原(こうばる)地区には反対する住民13世帯約50人が暮らす。中村法道知事は住民側に話し合いの場を求める一方、あくまでも建設は推し進める姿勢を改めて示した形で、住民の反発はより強まりそうだ。

 県関係者によると、掘削工事はダム本体を建設するために両隣の山などを削り、基礎となる固い地盤を露出させるためのもの。測量や地質調査も行う。

 県は19年2月、19年度当初予算案に初めてのダム本体工事費を含む約19億円を計上すると発表していた。しかし、工事全体が遅れていたことから、3月にはこの中のダム本体工事費の計上を見送った。11月には完成時期を3年延期して25年度とすることを決め、本体工事の着工は20年度中をめざすとしていた。

 ダム本体の建設予定地に住宅はないが、住民が建てた小屋が県道沿いにあり、工事の監視を続けている。この場所の工事に着手するには、20年度末までに工事を終える予定の迂回(うかい)路の完成が前提になるという。

 川原地区に住む炭谷猛さん(69)は「(建設を進める)知事の姿勢は、住民の思いを理解してのものとは到底思えない」と話した。(小川直樹)

◆2020年2月7日 毎日新聞長崎版
https://mainichi.jp/articles/20200207/ddl/k42/040/215000c
ー石木ダム 本体工事予算計上へ 来年度県当初案 予定地掘削など8億円 ー

  県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、県が2020年度一般会計当初予算案にダム本体予定地の掘削工事など関連事業費計約8億円を計上する方針を固めたことが県などへの取材で分かった。

 事業費には他に、ダム本体予定地の地質調査費や道路建設費などが盛り込まれる見通し。水没予定地には事業に反対する13世帯が暮らしており、反発が予想される。

 県は2019年、ダムの完成時期を22年度から25年度に遅らせるとした際、20年度にも本体工事に着手するとの意向を示していた。県河川課によると、付け替え県道工事が終了する見通しが立ち、ダム本体の基礎となる地盤を露出させるための掘削工事に取りかかりたいとしている。

 石木ダムを巡っては、県と佐世保市が19年9月、土地収用法に基づき13世帯の宅地を含む全ての未買収地約12万平方メートルの権利を取得。11月に全ての土地の明け渡し期限を迎えたが、住民は立ち退かない意向だ。【浅野翔太郎】

「事業の継続妥当」 再評価委、佐世保市の説明を了承
 石木ダム事業を利水面で再評価する佐世保市の上下水道事業経営検討委員会の第2回会合が6日、市役所で開かれ、石木ダム以外の代替案と費用対効果の検証結果から「事業継続が妥当」とする市の説明を了承した。

 市は、県北地域でダム候補地19カ所を調査した結果、河川の能力不足などから代替案にならないと報告。既存のダムのかさ上げなどは開発水量に課題があり、大規模な海水淡水化は全国的に事例がないなど、水確保に石木ダム以外の新たな方策はないとした。費用対効果では、維持管理などを含めた供用開始後50年間の全事業費約757億円、将来回避できる渇水被害額4026億円から算出した費用便益比を5・32とした。工期延長で、老朽化した導水管約12キロの更新などで費用が膨らみ、前回再評価での費用便益比13・84から大きく下がった。

 市の説明に対し委員会では異論はなく、了承された。武政剛弘委員長は「(市の提案は)必要最小限の観点で作られていて評価できる。事業継続の方向でいいと考える」と述べた。次回会合で委員会として再評価案をまとめる予定。【綿貫弘】

◆2020年2月6日 長崎新聞
https://this.kiji.is/597981019782890593
ー石木ダム 本体掘削着工へ 長崎県が8億円 新年度予算ー

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、県が新年度、ダム本体建設予定地の掘削工事に着手する方針を固めたことが5日、分かった。新年度一般会計当初予算案に、基礎掘削工費や地質調査費など計約8億円を盛り込む見通し。
 県は2025年度のダム完成を目指す計画を示しているが、住民が反対し膠着(こうちゃく)状態にある。本体工事費の予算計上で、反対住民がさらに反発するのは必至だ。
 基礎掘削はダムの基礎となる地盤を露出させるため、ダム本体の底や側面に当たる土地を掘削する工程。石木ダムの本体建設予定地に民家はない。
 石木ダムは反対派の座り込みなどで工事が遅れ、県は昨年、完成目標を22年度から3年遅らせる方針を決めた。県は工期変更を受け、20年度には本格的に本体工事に着手したい考えを示していた。
 石木ダムは川棚町の治水と佐世保市の利水が目的。総事業費は285億円。県と同市は昨年9月、反対住民13世帯の宅地を含む建設に必要な全ての未買収地約12万平方メートルの権利を取得し、11月に全ての土地の明け渡し期限を迎えたが、住民は今も生活を続けている。